お腹の痛みと熱(胃腸炎)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
お腹の痛みと熱がある状態は、多くの場合「胃腸炎(いちょうえん)」と呼ばれる炎症が原因です。胃や腸にウイルスや細菌が感染して起こり、下痢や嘔吐(おうと)を伴うこともあります。多くの場合、数日で自然に良くなりますが、水分をしっかり取ることが大切です。
重要な事実
- ウイルスや細菌による感染が主な原因です。
- ほとんどの場合、特別な治療をしなくても数日で改善します。
- 乳幼児や高齢者では脱水(だっすい)に注意が必要です。
- 手洗いなどで感染予防ができます。
はい、非常によくある症状です。特に冬場や季節の変わり目に多く見られます。
全年齢で起こりますが、特に子どもや高齢者、免疫力が低下している方は症状が重くなりやすいです。
症状
- 意識がない、または反応が鈍い
- 呼吸が苦しそう
- けいれんが止まらない
- 顔色が真っ青で冷や汗が出ている
- ⚠激しい腹痛が続く
- ⚠何度も吐いて水分が取れない
- ⚠血の混じった下痢や嘔吐
- ⚠高い熱(子どもで39度以上、大人で38.5度以上)が下がらない
- ⚠6時間以上おしっこが出ない
一般的な症状
- お腹の痛み(みぞおちやおへその周りが痛むことが多い)
- 発熱(37~38度程度のことが多い)
- 下痢(水っぽい便)
- 吐き気や嘔吐
- 食欲がない
子供の症状
- ぐったりしている
- 顔色が悪い
- 泣いても涙が出ない
- おしっこの量が減る(おむつが6時間以上濡れない)
- 繰り返し吐く
高齢者の症状
- 脱水のサイン(口や肌が乾く、立ちくらみ)
- 意識がぼんやりする
- 38度以上の高い熱
- 血の混じった下痢
原因
主な原因
- ノロウイルスやロタウイルスなどのウイルス感染
- サルモネラ菌やカンピロバクターなどの細菌感染(食べ物が原因のことが多い)
- 食中毒(加熱不足の肉や魚、生ものなど)
- その他、薬の副作用や消化不良
リスク要因
- 免疫力が低下している(高齢、乳幼児、持病があるなど)
- 集団生活(保育園、学校、高齢者施設など)
- 生ものや加熱不十分な食べ物を食べる
- 手洗いが不十分
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 激しい腹痛が続く
- 水分が全く取れない
- 吐いたものや便に血が混じっている
- 38度以上の熱が続く
- 脱水のサイン(口の渇き、尿が少ない、立ちくらみ)がある
定期受診を予約すべき場合:
- 2~3日たっても症状が改善しない
- 下痢や嘔吐が長引く
- 持病がある方(糖尿病、心臓病など)で症状が出た
- 妊娠中に症状が出た
診断
医師が症状や経過を聞き、お腹の診察をします。必要に応じて便や血液の検査を行うこともあります。
行われる可能性のある検査
- 問診(いつから、どんな症状かなど)
- お腹の触診(押さえて痛みを確認)
- 便検査(細菌やウイルスの有無を調べる)
- 血液検査(炎症の程度や脱水を評価)
診察で予想されること
診察は通常10~15分程度です。検査がある場合は結果が出るまでに数日かかることもあります。症状が軽ければ、検査をせずに治療方針を決めることもあります。
治療
胃腸炎の治療は、原因となるウイルスや細菌を取り除く特別な薬はなく、症状を和らげながら体の回復を待つことが基本です。最も大切なのは水分をしっかり取ることです。
自宅でのセルフケア
- 安静にして過ごす
- こまめに水分補給をする(経口補水液やスポーツドリンクがおすすめ)
- 消化の良い食事を少しずつ取る(おかゆ、うどん、スープなど)
- 下痢止めは医師の指示がない限り使わない(症状を長引かせることがある)
- 熱がある場合は、体を冷やしすぎないように注意する
医療治療
症状が重い場合、病院で点滴(点滴で直接水分や栄養を補う)や吐き気止めの薬が処方されることがあります。細菌感染が疑われる場合は抗生物質が使われることもありますが、ウイルスには効きません。医師の指示に従いましょう。
手術が検討される場合
胃腸炎で手術が必要になることはほとんどありません。ただし、虫垂炎(盲腸)など別の病気が原因の場合は手術が必要となることがあります。
この病気と共に生きる
症状が続く間は無理せず休みましょう。学校や仕事は、熱が下がり下痢や嘔吐が落ち着くまで休むことをおすすめします。感染力が強い場合もあるので、周りにうつさないように注意が必要です。
生活習慣のアドバイス
- トイレの後や食事の前はしっかり手を洗う
- タオルや食器は共用しない
- 下痢や嘔吐物の処理はゴム手袋をして、次亜塩素酸ナトリウムで消毒する
- 症状がある間は、家族と別々の部屋で過ごすと感染予防になる
食事と運動
症状が強いときは食事を控え、水分中心にしましょう。回復してきたら、おかゆ、バナナ、ヨーグルトなど消化の良いものから始めてください。運動は症状が治まってから2~3日待ってから再開しましょう。
精神的健康と心の健康
お腹の痛みや吐き気が続くと不安やストレスを感じることがあります。無理をせず、ゆっくり休むことが大切です。症状が長引くと気分が落ち込むこともありますが、多くの場合は数日で良くなります。心配なときは、かかりつけ医や保健師に相談してください。
予防
完全に防ぐことはできませんが、以下の方法でリスクを減らせます。
ワクチン
ロタウイルスワクチンが乳幼児に接種されています。厚生労働省の定期接種を確認してください。
検診プログラム
特にありません。症状が出たら早めに受診しましょう。
合併症
治療しない場合
- 脱水症状(特に子どもや高齢者で重くなりやすい)
- 電解質異常(体の中のミネラルバランスが崩れる)
- まれに、細菌感染が重症化して敗血症(はいけつしょう)になることがある
長期的な見通し
ほとんどの胃腸炎は数日から1週間以内に自然に治ります。適切な水分補給と安静で、後遺症が残ることはほとんどありません。重症化リスクの高い方は早めに医療機関を受診することで、安心して回復に向かえます。
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- 厚生労働省 感染症情報 ↗ · 日本
- 日本消化器病学会 ↗ · 日本
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月30日
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