腹痛で受診するタイミング
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
腹痛(ふくつう)とは、おなかに痛みを感じる状態のことです。痛みの場所や強さ、続く時間は人によってさまざまです。多くの場合、自然に治ることが多いですが、中には注意が必要なサインの場合もあります。
重要な事実
- 腹痛はよくある症状で、多くの場合、軽い消化器の問題で起こります。
- 痛みの場所や性質(刺すような、焼けるような、鈍いなど)が原因を探る手がかりになります。
- 急に激しい痛みが起こった場合や、発熱、出血を伴う場合はすぐに医療機関を受診する必要があります。
- 日本では、厚生労働省のガイドラインに基づき、症状に応じた適切な受診が推奨されています。
はい。腹痛は非常に一般的な症状で、多くの人が一生に一度は経験します。多くの場合は心配ありませんが、中には緊急の対応が必要なケースもあります。
腹痛は年齢や性別を問わず誰にでも起こり得ます。乳幼児から高齢者まで、年代によって原因や注意すべき点が異なります。
症状
- 突然の激しい痛みでじっとしていられない
- 血を吐く、または便に血が混じる(真っ黒な便も注意)
- おなか全体が板のように硬く張っている
- 事故やけがの後に腹痛が始まった
- 意識がもうろうとする、顔色が悪い、冷や汗が出る
- ⚠痛みがどんどん強くなる、または長く続く(数時間以上)
- ⚠高熱(38度以上)がある
- ⚠嘔吐が続いて水分が取れない
- ⚠おしっこが出にくい、または痛みがある
- ⚠最近腹部の手術を受けた後に痛みが出た
一般的な症状
- みぞおちやおなかの周りが痛む
- 痛みが一定でなく、強くなったり弱くなったりする
- ガスがたまる、げっぷが出る、おならが出る
- 吐き気や嘔吐(おうと)を伴う
- 下痢や便秘を伴う
子供の症状
- 赤ちゃんがいつもより激しく泣く、機嫌が悪い
- 足を曲げて抱え込むような姿勢をとる
- 食欲がなくなる、ミルクや食事を拒否する
- おなかを触ると嫌がる、痛がる
- 発熱や嘔吐を伴う
高齢者の症状
- 痛みの感じ方が若い時と異なり、鈍い痛みや違和感だけの場合がある
- 食欲が落ちる、体重が減る
- 便秘や下痢が続く、または交互に起こる
- 吐き気や嘔吐がある
- 膨満感(おなかが張る感じ)がある
原因
主な原因
- 食べ過ぎや飲み過ぎ、消化不良
- ウイルスや細菌による胃腸炎(感染性胃腸炎)
- 便秘や過敏性腸症候群(腸の動きが敏感になる状態)
- 胃潰瘍や十二指腸潰瘍(胃や腸の壁に傷ができる病気)
- 胆石(胆のうに石ができる)、膵炎(すい臓の炎症)
- 女性の場合、生理痛や子宮内膜症(子宮の内膜が他の場所にできる病気)
- ストレスや不安
リスク要因
- 不規則な食生活や脂っこい食事の摂り過ぎ
- 過度の飲酒や喫煙
- ストレスが多い生活
- 肥満(体重過多)
- 鎮痛薬(痛み止め)の長期間の使用
- 消化器系の病気の家族歴がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の「緊急受診が必要な症状」に該当する場合は、ためらわずに119番に電話して救急車を呼んでください。
- 激しい痛みや出血がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。
定期受診を予約すべき場合:
- 痛みが数日以上続く、または頻繁に繰り返す
- 発熱や吐き気が続く
- 食欲が落ちて体重が減った
- 便の色や形が変わった(黒い、細いなど)
- 市販の薬を試しても改善しない
診断
医師はお話を聞いたり、おなかを触ったりの診察を行います。原因を調べるために、必要に応じて検査をすることもあります。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(炎症や臓器の状態を調べる)
- 尿検査(腎臓や尿路の病気を調べる)
- 腹部エコー(超音波)検査(臓器の形や状態をエコーで見る)
- 腹部X線(レントゲン)検査(腸のガスや異物を調べる)
- CT検査(より詳しく断面画像を見る)
診察で予想されること
診察では、痛みがいつから、どのような痛みか、食べ物との関係、他に症状があるかなどを詳しく聞かれます。おなかを押されて痛みの場所を確認することもあります。検査結果によって原因がわかり、適切な治療方針が決まります。
治療
治療は原因によって異なります。多くの腹痛は自宅で安静にしていれば治りますが、細菌やウイルスが原因の場合は薬が必要になることもあります。医師の指示に従って治療を行いましょう。
自宅でのセルフケア
- 安静にして、楽な姿勢で休む
- 水分をこまめに取る(スポーツドリンクや経口補水液も良い)
- 消化の良い食事(おかゆ、うどんなど)を少量ずつ食べる
- おなかを冷やさないようにする(温めることで痛みが和らぐこともある)
- ストレスをためないようにする
医療治療
原因に応じて、胃酸を抑える薬、腸の動きを整える薬、炎症を抑える薬などが使われることがあります。感染症が原因の場合は抗菌薬(細菌をやっつける薬)が処方されることもあります。痛みが強い場合には鎮痛薬が使われることもありますが、自己判断で服用せず、医師の指示を守ってください。
手術が検討される場合
虫垂炎(もうちょうえん:盲腸)、胆石、腸閉塞(ちょうへいそく:腸が詰まる病気)など、一部の病気では手術が必要になることがあります。手術が必要かどうかは医師が詳しく検査して判断します。
この病気と共に生きる
腹痛の原因によって、日常生活にできることと注意すべきことがあります。慢性の腹痛(長く続く痛み)がある場合は、自分の症状のパターンを把握し、医師と相談しながら無理のない生活を心がけましょう。
生活習慣のアドバイス
- 規則正しい生活リズムを保つ(食事・睡眠・運動)
- ストレスをため込まず、適度に発散する(趣味、軽い運動、人との会話など)
- 過度の飲酒や喫煙を控える
- 市販の痛み止めを頻繁に使わない(症状を隠したり、悪化させることがある)
食事と運動
消化に良い食事を心がけ、刺激の強い食べ物(辛いもの、油っこいもの)は控えめにしましょう。適度な運動(散歩など)は腸の動きを良くし、ストレス解消にも役立ちます。ただし、痛みのあるときは無理をせず安静にしてください。
精神的健康と心の健康
慢性的な腹痛は、日常生活に支障をきたし、不安やストレスを感じることがあります。気分が落ち込んだり、強い不安がある場合は、医師やカウンセラーに相談することも大切です。
予防
すべての腹痛を予防することはできませんが、原因を減らすことで予防できる腹痛もあります。バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠、ストレス管理が基本です。また、手洗いの徹底で感染性胃腸炎の予防にもなります。
合併症
治療しない場合
- 炎症が悪化して虫垂炎(盲腸)が破裂するなど、緊急手術が必要になることがある
- 感染が広がって敗血症(血液中に細菌が入り全身に炎症が起こる重い状態)になるリスクがある
- 慢性的な痛みや栄養不良、体重減少につながることがある
長期的な見通し
多くの腹痛は適切なケアで改善します。原因がはっきりしている場合は、治療によって症状がよくなることがほとんどです。緊急を要する病気でも、早くに対応すれば治療の成功率は高いです。ご自身の症状に注意を払い、気になる時は早めに医師に相談することが大切です。希望を持って治療に取り組みましょう。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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