PET検査(ペット検査)ってどんな検査?
概要
PET検査は、体の細胞がエネルギーとして使うブドウ糖(血液中の糖)に注目した画像検査です。ごく微量の放射線を出す検査薬を腕の血管から注射し、専用の機械で体のなかの様子を写し出します。がん細胞などはブドウ糖をたくさん取り込むことが多いため、画像の上で「熱い場所(集積)」として見えることがあります。CT検査やMRI検査が体の「かたち」を見るのに対して、PET検査は体の「はたらき」を見る検査だと考えるとわかりやすいです。
重要な事実
- 検査そのものによる痛みはほとんどありません。注射のときに少しチクッとする程度です。
- 使う放射線の量は少なく、安全に配慮して行われます。
- 注射から撮影終了まで、全体でおおよそ2〜3時間かかることが多いです。
- 結果はその日のうちに出ることは少なく、数日〜2週間ほどで主治医から説明されるのがふつうです。
PET検査は日本でも広く行われている検査です。がんが疑われるときの詳しい検査、治療の効果の確認、再発がないかを見守るときなどに使われます。ただし、すべての人に必要な検査ではなく、症状や目的に合わせて選ばれます。
症状
- 息苦しさ、のどの腫れ、全身の発疹など、アレルギー反応を思わせる症状が出たとき(119番に連絡してください)
- 意識がもうろうとする、けいれんする、呼びかけへの反応が弱い
- 注射した部位が大きく腫れる、激しく痛む、皮膚の色が変わる
- ⚠38度以上の発熱が続く
- ⚠注射した部位の赤みや腫れが広がる、痛みが強くなっていく
- ⚠強いだるさや吐き気が続き、水分がとれない
一般的な症状
- PET検査そのものは症状を起こす検査ではありません。ここでは「PET検査が勧められるきっかけ」を紹介します。
- 原因がはっきりしない体重減少、長引く痛み、微熱などが続くとき
- CT・MRI・超音波検査で見つかった病変の性質を、より詳しく調べたいとき
- 血液検査の腫瘍マーカー(がんがあると変化することがある物質)の値が高いとき
- がんでの治療が効いているか、再発や転移がないかを確認したいとき
- 注射した部位の軽い痛みや、検査後に少し強い尿のにおいを感じることがあります(検査薬が体の外に出るまでの間です)
原因
主な原因
- PET検査は病気ではなく検査なので「原因」はありません。ここでは、PET検査が必要になる主な目的を紹介します。
- 見つかった病変が良性か悪性かを、より詳しく知りたいとき
- がんが体のどの範囲にあるか(広がり)を知りたいとき
- 治療の効果を早めに確かめたいとき
- 治療後の再発や転移がないかを確認したいとき
- 心臓や脳の病気の一部で、血流や代謝(体の働き)を調べたいとき
リスク要因
- PET検査を受けること自体に、特別な「危険因子」があるわけではありません。ただし、次の場合は必ず事前に医師へ伝えてください。
- 妊娠中、または妊娠の可能性がある、授乳中である
- 糖尿病があり、血糖値のコントロールが必要な場合
- 閉所が苦手、じっとしているのがつらい
- 過去に検査薬でアレルギーが出たことがある
- 腎臓や肝臓に病気がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 検査後に息苦しさ、の発疹、のどの違和感が出たとき
- 高い熱が出た、強い痛みや腫れが出たとき
- 気分がひどく落ち込む、眠れない状態が続くとき
定期受診を予約すべき場合:
- 検査結果の説明を受ける予定の日
- 検査前の食事や薬、水分について確認したいとき
- 検査後に体調で気になることがあるとき
- 結果を待つ間の不安が強く、話を聞いてほしいとき
診断
PET検査は「診断のための材料を集める検査」であり、それだけで病気が決まるものではありません。画像に加えて、症状、診察、血液検査、ほかの画像検査(CT・MRIなど)、必要に応じて組織の一部を採って調べる検査などを組み合わせて、総合的に判断します。
行われる可能性のある検査
- PET検査(ブドウ糖に似た性質の検査薬を使うもの)
- PET/CT検査(CTと同時に撮影し、位置を詳しく見る方法)
- 血液検査(血糖値や腫瘍マーカーなど)
- CT検査、MRI検査、超音波検査
- 生検(組織の一部を採って顕微鏡で調べる検査)
診察で予想されること
検査の数時間前から食事を控えることが多いです(水やお茶はとってよいことが多いですが、必ず施設の指示に従ってください)。当日は血糖値を測り、検査薬を注射します。その後しばらく静かに休んで薬が体になじむのを待ち、撮影台に横になって15〜30分ほど撮影します。全体で2〜3時間ほどかかります。撮影中は動かないことが大切です。結果は後日、主治医から説明されます。
治療
PET検査は治療そのものではなく、これからの治療方針を決めるための情報を集める検査です。結果をもとに、担当医と一緒に次のステップを考えていきます。
自宅でのセルフケア
- 検査前の食事制限(絶食)や飲み物について、施設の指示を守る
- 検査の前日から当日は、激しい運動や長時間の運動を控える
- 糖尿病の方は、血糖値と使っている薬のことを事前に主治医・放射線科に相談する
- 検査後は水分を多めにとり、トイレを我慢しない
- 検査後しばらく(数時間〜半日程度)は、授乳や小さな子どもとの密接な接触について施設の指示に従う
- 結果を待つ間に気になったことはメモしておき、診察のときに聞く
医療治療
PET検査の結果をもとに、治療が必要かどうか、どのような方法が合っているかを検討します。治療の選択肢には、手術、放射線を用いた治療、薬による治療などがあり、病気の種類や進行の程度、体の状態、そして本人の希望を合わせて決めていきます。具体的な内容は担当医から説明されます。この記事では特定の薬の名前や量には触れません。治療についての疑問は、必ず主治医や薬剤師に確認してください。
手術が検討される場合
PET検査の結果そのものが手術を決めるわけではありません。手術が検討されるのは、病気の種類や広がり、体の状態などを総合的に見て、本人にとって良い選択と判断された場合です。担当医から、メリットとリスクの両方の説明を受けたうえで、納得して決めることが大切です。
この病気と共に生きる
検査の前は、指示された時間から食事を控え、静かに過ごします。検査のあとは、ふだんの生活に戻して問題ありません。結果を待つ期間は、いつもどおりの生活リズムを保ち、気になることを紙に書き留めておくと、診察のときに話しやすくなります。
生活習慣のアドバイス
- 検査の前は、指示された時間から食事を控える
- 検査後は水分をとって、体から検査薬が抜けやすくする
- 結果を待つ間も、睡眠や食事のリズムを大きく崩さない
- 気になる症状があれば、次の診察を待たずに相談する
- 検査の説明や結果の説明には、できれば家族や友人に同席してもらう
食事と運動
検査前の食事制限は、画像をきれいに撮るために大切です。指示された時間からは、あめやジュース、ガムなども控えるよう言われることがあります。水やお茶はとってよいことが多いですが、必ず施設の指示に従ってください。検査直前の激しい運動は画像に影響することがあるため控えましょう。検査後は、体調がふだんどおりであれば運動を含めて日常生活に戻して問題ありません。
精神的健康と心の健康
「結果が出るまでがとても長い」と感じる方は少なくありません。不安で眠れない、気持ちが落ち着かない状態が続くときは、ひとりで抱え込まず、家族や友人、医療者に話してください。つらい気持ちが強く、自分を傷つけたい気持ちがわいたときは、すぐに119番、またはお住まいの救急・相談窓口に連絡してください。
予防
PET検査は病気を予防するためのものではありません。ただし、気になる症状を早めに医療機関へ相談すること、必要に応じて健診やがん検診を受けることは、病気を早く見つけることにつながります。検査を受けるかどうかは、症状や目的に応じて医師と相談して決めましょう。
検診プログラム
厚生労働省の指針では、症状のない方が受ける「がん検診」としてPET検査は広く推奨されていません。年齢や性別に応じて推奨される検診の内容は決まっています。健診や検診について迷ったら、お住まいの自治体の案内や、かかりつけ医に相談してください。
合併症
治療しない場合
- PET検査を受けないこと自体が体を悪くするわけではありません。
- ただし、必要な検査を受けないままだと、病気の状態がわからないまま不安が続いたり、診断や治療の開始が遅れたりする可能性があります。
- 検査薬によるアレルギー反応はまれですが、起こることがあります。検査後しばらくは体調の変化に気を配りましょう。
- 放射線による影響はごくわずかで、検査で得られる利益が上回ると考えられる場合に行われます。
長期的な見通し
PET検査は、多くの方にとって安全で、これからの治療方針を決める助けになる検査です。結果が思わしくない場合でも、そこから始まる治療や支援はたくさんあります。わからないこと、不安なことは、担当医に何度でも聞いてください。
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最終更新: 2026年11月3日
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