心エコー検査(経胸壁心エコー)ってどんな検査?
概要
経胸壁心エコー検査(けいきょうへきしんエコー、TTE)は、胸の上から超音波(人には聞こえない高い音)をあてて、心臓の様子を画像で見る検査です。レントゲンのように放射線を使わず、痛みもありません。心臓の大きさ、心臓の筋肉の動き、血液の流れ、弁(血液の逆流を防ぐドアのような部分)の開き具合などが、その場で動画のように分かります。日本では一般の病院やクリニックでも広く行われている、とても身近な検査です。
重要な事実
- 胸にゼリーをぬり、超音波の出る装置(プローブ)を当てて行います。痛みや熱さは感じません。
- 放射線は使わないため、こどもから高齢の方、妊婦の方まで受けやすい検査です。
- 検査の時間はおおむね20〜40分ほどで、終わったあとは普段どおりに過ごせます。
とてもよく行われる検査です。健康診断で心雑音を指摘されたとき、息切れやむくみの原因を調べるときなど、日常の診療でしばしば使われます。
年齢を問わず、赤ちゃんから高齢の方まで受けることがあります。心臓の病気が疑われる方のほか、すでに心臓の病気で通院している方の経過観察にも使われます。
症状
- 胸を強く締めつけられるような痛みが続く
- 急な強い息苦しさ、呼吸ができない感じ
- 意識を失った、呼びかけへの反応が弱い
- 唇や顔色が明らかに青白い・紫色
- 冷や汗を伴う胸の苦しさ
- ⚠数日前から息切れやむくみが急に悪化している
- ⚠動悸が長く続き、気分が悪い
- ⚠発熱と息苦しさが同時にある
- ⚠体重が数日で急に増え、体がむくんでいる
一般的な症状
- 階段や坂道での息切れが前より強くなった
- 足や足首、まぶたのむくみ
- 動悸(心臓の鼓動が強く、または速く感じる)
- 疲れやすい、だるさが続く
- 胸の痛みや圧迫感
- 急に意識が遠のく、失神した
- 横になると息苦しく、座ると楽になる
子供の症状
- 心雑音(心臓の音に雑音がある)を指摘された
- 哺乳(母乳やミルク)のときに息が上がる、汗をかく
- 体重が増えにくい、成長がゆっくり
- 顔色や唇の色が青っぽく見える
- 泣いたり動いたりしたあとに息苦しそうにする
高齢者の症状
- 少し動くだけで息が切れる
- 足のすねから足首にかけてのむくみ
- 夜間に何度も起きて息苦しくなる
- 脈が不規則に感じる、動悸がする
- 食欲低下や体重の急な増減
原因
主な原因
- 心雑音を指摘され、原因を調べるため
- 息切れやむくみがあり、心不全が疑われるとき
- 心臓の弁の病気(弁膜症)の有無や程度の確認
- 心筋梗塞や狭心症のあとの心臓の動きの評価
- 心臓の大きさや筋肉の厚さの確認(高血圧などの影響を含む)
- 先天性の心臓の病気の経過観察
- 不整脈の原因や心臓への影響の確認
- 心臓の感染症(心内膜炎など)が疑われるとき
- 心臓まわりの水(心嚢液)の有無の確認
リスク要因
- 高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病がある
- 喫煙の習慣がある
- 心臓の病気の家族歴がある
- 肥満や運動不足、睡眠時無呼吸を指摘されたことがある
- 過去に心臓の病気や手術の既往がある
- 妊娠中で動悸や息切れがある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 安静にしていても息苦しい、横になれない
- 胸の痛みが15分以上続く
- 失神した、意識が遠のいた
- 脈がとても速い、または不規則で気分が悪い
- 足のむくみが急に強くなり、体重が数日で増えた
定期受診を予約すべき場合:
- 以前より息切れしやすくなったと感じる
- 健康診断で心雑音や心電図の異常を指摘された
- 動悸や脈の乱れをときどき感じる
- 足首のむくみが続いている
- 心臓の病気で通院中で、次の検査の予定が来た
診断
この検査自体が「心臓の様子を調べる方法」です。診断は、心エコーの画像に、問診・診察・心電図・血液検査などの結果を合わせて医師が総合的に判断します。1つの検査だけで決まるとは限りません。
行われる可能性のある検査
- 経胸壁心エコー(胸の上から超音波を当てる、今回の検査)
- 心電図(心臓の電気の流れを調べる)
- 胸部レントゲン(心臓の大きさや肺の状態を見る)
- 血液検査(心臓に負担がかかっていないかなどを見る)
- 必要に応じて、経食道心エコー(食道の内側から詳しく見る検査)や負荷エコー(運動などで心臓に負担をかけて調べる検査)
- 24時間心電図(不整脈が疑われるとき)
診察で予想されること
検査着または肌を出しやすい服装で、ベッドに仰向けになります。ときどき左を下にした横向きをお願いすることもあります。胸にゼリーをぬり、超音波の装置を当てます。息を止めてください、と言われることがあります。痛みはありませんが、装置を少し強く当てられる感じや、ゼリーの冷たさを感じることがあります。検査後はゼリーをふき取り、そのまま普段どおりに過ごせます。結果は検査を受けた日に説明されることも、後日になることもあります。
治療
心エコーは「調べる検査」であり、それ自体が治療ではありません。検査で分かった内容をもとに、治療が必要かどうか、どのような方針にするかを医師と相談します。異常が見つからない場合も多く、その場合は安心材料になります。
自宅でのセルフケア
- 検査前は特に食事制限はありませんが、指示があればそれに従う
- 普段どおりの服で大丈夫。首元や胸元が開く服だとスムーズ
- ふだんの症状(息切れ、動悸、むくみ)をメモしておくと説明しやすい
- 飲んでいる薬の名前が分かるもの(お薬手帳など)を持参する
- 検査後に体調の変化があれば、遠慮なく医療者に伝える
医療治療
検査の結果に応じて、生活習慣の見直しや、心臓の働きを助ける治療などが検討されます。治療の内容は病状によって大きく異なり、自己判断で始めたりやめたりせず、必ず医師や薬剤師の指示に従ってください。具体的な薬の名前や量は、ここではお伝えしません。主治医に直接たずねてください。
手術が検討される場合
弁の病気や先天性の心臓の病気などで、心臓の働きに大きな負担がかかっている場合には、手術やカテーテル治療が検討されることがあります。ただし、多くの方はまず経過観察や生活の見直しから始まります。必要かどうかは検査結果と症状を合わせて医師が判断します。
この病気と共に生きる
検査を受けたあとは、結果の説明を落ち着いて聞き、分からない言葉はその場で確認しましょう。通院が必要な場合は、次回の検査の時期や、症状が悪化したときの連絡先を聞いておくと安心です。
生活習慣のアドバイス
- 血圧を測る習慣をつけ、記録しておく
- 禁煙を心がける(必要なら禁煙外来について相談する)
- 適正な体重を保つ
- 睡眠を十分にとり、いびきや日中の眠気があれば相談する
- ストレスをためこまず、リラックスする時間をつくる
- アルコールはほどほどにする
食事と運動
食事は減塩を意識し、野菜・魚・大豆製品などをバランスよくとりましょう。運動は、散歩など無理のない範囲から始めるのがおすすめです。ただし、息苦しさや胸の痛みがある場合は運動を中止し、主治医に相談してから内容を決めてください。
精神的健康と心の健康
検査結果を待つ間や、心臓の病気と言われたときは、不安や落ち込みを感じるのは自然なことです。眠れない、食欲がない、気持ちが晴れない状態が続くときは、ひとりで抱えこまずに医療者に話してください。つらい気持ちが強いときは、地域の相談窓口や医療機関の精神科・心療内科、かかりつけ医に相談することができます。日本の場合、差し迫った危機では119番、またはお住まいの自治体の相談窓口に連絡してください。
予防
心エコー検査そのものを「予防する」という考え方はありませんが、心臓の病気にかかるリスクを下げることはできます。血圧・血糖・脂質を整え、禁煙し、適正体重を保つことが、心臓を守る近道です。
検診プログラム
日本では、職場や自治体の健康診断(特定健診など)で血圧測定や心電図、血液検査が行われます。心雑音や心電図の異常、息切れなどを指摘されたら、早めに医療機関で相談しましょう。厚生労働省も生活習慣病の予防と早期発見をすすめています。
合併症
治療しない場合
- 心臓の病気が気づかれないまま進み、息切れやむくみが悪化することがある
- 心不全(心臓が血液を十分に送り出せない状態)に進むことがある
- 弁の病気が進行し、治療の選択肢が限られることがある
- 不整脈が起こりやすくなる
- 心臓の感染症や心臓まわりの水がたまる病気を見逃すことがある
長期的な見通し
心エコーは、心臓の状態を早く正確につかむための頼れる検査です。早期に分かれば、生活の見直しや適切な治療につなげられます。多くの方は検査を受けたことで安心でき、必要な対応を早めに始められます。心配なことは医師に相談しながら、一歩ずつ進めていきましょう。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康に関する案内は国や地域によって異なります。このページは一般的な教育情報であり、お住まいの地域の指針、薬、診療と一致しない場合があります。心配な点はご自身の医師または医療提供者に相談し、地域の案内がある場合はそれに従ってください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
このトピックを名指しする指針はありません
このページには、このトピックそのものを名指しする健康ガイドラインや臨床の章は引用されていません。このページは一般的な教育と情報のみを目的としています。診断、治療計画、個人への医学的助言ではありません。ご自身の医師に確認し、その指示に従ってください。症状が重い、突然である、または心配な場合は速やかに受診し、緊急時は地域の緊急番号に電話してください。Ruqelo LLC は、この情報に基づく判断から生じる医学上または法律上の結果について責任を負いません。
最終更新: 2026年11月3日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。
Guidance may differ by country or region. Confirm local recommendations with a qualified healthcare provider.