子宮内膜生検(しきゅうないまくせいけん)ってどんな検査?
概要
子宮内膜生検は、子宮の内側を覆っている「子宮内膜(しきゅうないまく)」という組織を、細い器具でほんの少しだけ採取して、顕微鏡で調べる検査です。子宮内膜は月経のたびにはがれ落ち、ホルモンの影響で厚さが変わる場所です。採取した組織を調べることで、細胞に異常がないか、炎症やホルモンの状態に問題がないかなどを確かめられます。多くは外来で行え、採取そのものは数分程度で終わる比較的短い検査です。
重要な事実
- 腟(ちつ)の入り口から細い器具を入れ、子宮内膜の組織を少量だけ採取します。
- 外来で行えることが多く、組織を採る時間は数十秒から数分程度です。
- 結果が出るまでには、通常1〜2週間ほどかかります(医療機関によって異なります)。
- 生理痛に似た下腹部の痛みや、数日間の少量の出血が起こることがあります。
- 重い合併症はまれですが、発熱や多量の出血があれば早めに医療機関に連絡してください。
はい。婦人科でよく行われる検査のひとつです。不正出血(月経以外の出血)の原因を調べる目的などで、必要に応じて行われます。
主に、月経以外の出血(不正出血)がある方、閉経後に出血があった方、月経不順や不妊の原因を調べたい方、子宮体がんが疑われる方などが受けます。妊娠している可能性がある方は、検査の前に必ず医療者へ伝えてください。
症状
- 大量の出血が止まらない(1時間にナプキンを何度も替える必要がある、など)
- ふらついて立てない、意識がもうろうとする
- 高熱と激しい下腹部の痛みが同時にある
- 息苦しさや胸の痛みなど、普段と違う強い症状がある
- 迷ったときは、ためらわずに119番へ連絡してください。
- ⚠38℃以上の発熱がある
- ⚠悪臭のあるおりものが出る
- ⚠強い下腹部の痛みが続く
- ⚠出血が日を追って増えている
- ⚠立っていられないほどのめまいや、強い倦怠感がある
一般的な症状
- 検査を受けるきっかけになる症状:月経以外のときに出血する(不正出血)
- 検査を受けるきっかけになる症状:閉経したのに出血がある
- 検査を受けるきっかけになる症状:月経の量が多い、長く続く、周期が乱れる
- 検査を受けるきっかけになる症状:下腹部の痛みや、おりものの変化がある
- 検査中によくあること:生理痛のような下腹部の痛みや、軽いけいれんのような感覚
- 検査後によくあること:1〜2日ほどの少量の出血や、軽い痛み
原因
主な原因
- 不正出血や閉経後の出血の原因を調べるため
- 子宮内膜の状態(厚さや細胞の変化)を確かめるため
- 子宮体がんや、その前の段階(前がん状態)が疑われるとき
- 月経不順や不妊の原因を探るとき
- ホルモン治療に対する子宮内膜の反応を確認するとき
リスク要因
- 閉経後の出血がある
- 月経不順や、排卵が起きにくい状態が続いている
- 肥満、糖尿病、高血圧などの代謝の状態がある(子宮体がんのリスクと関連することがあります)
- ホルモン補充療法の内容によっては、子宮内膜への影響が考えられる
- 子宮体がんや大腸がんなどの家族歴がある
- 妊娠の可能性がある(検査の前に確認が必要です)
- 血液をサラサラにする薬を使っている(出血しやすくなることがあります)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 発熱がある、または悪臭のあるおりものが出る
- 出血量が多く、止まらない
- 強い下腹部の痛みが続く
- 気を失いそうなほどのめまいがある
定期受診を予約すべき場合:
- 月経以外の出血が続いている
- 閉経したあとに出血があった
- 月経の量や周期の乱れが気になる
- 検査結果の説明を受けたい、内容をもう一度確認したい
- 妊娠を考えていて、子宮の状態を調べておきたい
診断
まず問診と内診、超音波検査などで状態を確かめ、必要に応じて子宮内膜生検を行います。採取した組織は病理の専門家が顕微鏡で調べ、「病理検査(病理診断)」の結果としてまとめられます。この結果と症状や年齢、妊娠の希望などを合わせて、今後の方針を決めていきます。
行われる可能性のある検査
- 問診(月経の記録、出血の様子、服用中の薬の確認)
- 経腟超音波検査(腟から超音波を当てて子宮の様子を見る検査)
- 子宮内膜生検(子宮内膜の組織を少量採取)
- 必要に応じて血液検査、妊娠反応の確認、感染症の検査
- 場合によっては子宮鏡検査(細いカメラで子宮の中を見る検査)や画像検査を追加
診察で予想されること
検査の流れはおおむね次のとおりです。妊娠の可能性や服用中の薬を確認し、診察台で体位をとり、細い器具を腟から入れて子宮内膜を少量採取します。採取は数十秒から数分程度です。痛みは生理痛に近いことが多く、希望すれば事前に痛みをやわらげる方法を相談できます。帰り道に備えて生理用品を持っていくと安心です。結果は1〜2週間ほどで説明されるのが一般的です。
治療
子宮内膜生検は「検査」であり、それ自体が治療ではありません。結果によって、経過観察でよい場合もあれば、ホルモンのバランスを整える治療や追加の検査、手術が検討される場合もあります。大切なのは、結果を医療者と一緒に確認し、次のステップを決めることです。
自宅でのセルフケア
- 検査の日程は、医療者の指示に従って決める(生理中を避けることが多い)
- 検査当日は生理用品を持参する
- 検査前や検査後に痛み止めを使うかどうか、医療者に相談する
- 検査後1〜2日は激しい運動や長時間の入浴(湯船)を避け、医師の指示に従う
- 出血の量や痛みの経過をメモしておく
- 発熱や多量の出血があれば、自己判断せず医療機関に連絡する
- 血液をサラサラにする薬など、服用中の薬はすべて伝える
医療治療
生検の結果に応じて治療方針が決まります。たとえば、ホルモンのバランスを整える治療、子宮内膜が異常に厚くなる状態に対する治療、炎症に対する治療などが検討されます。治療の内容は結果や年齢、妊娠の希望などによって変わるため、医療者と相談して決めていきます。
手術が検討される場合
生検で前がん状態やがんが疑われる場合、または組織が十分に取れずに診断が確定しない場合には、子宮鏡を使った組織採取や、手術(子宮内膜の切除や子宮の摘出など)が検討されることがあります。手術が必要かどうかは、結果と全身の状態をふまえて医師と話し合います。
この病気と共に生きる
検査のあとはふだんどおり過ごせますが、その日は少しゆっくり休むと安心です。結果を待つ間は不安になりやすいので、疑問や気になることをメモしておき、診察のときにまとめて聞くとよいでしょう。
生活習慣のアドバイス
- 月経の周期や出血量を記録しておく
- 気になる症状はメモして診察に持参する
- 喫煙は血管やホルモンに影響するため、禁煙を考える
- 適正な体重を保つことを意識する
- 睡眠と休息を十分にとる
食事と運動
特別な食事制限は必要ありません。バランスのよい食事と、無理のない範囲の運動(散歩など)は、ホルモンや代謝の状態を整える助けになります。検査当日の激しい運動は控え、翌日以降は体調を見ながら少しずつ再開しましょう。
精神的健康と心の健康
「結果が心配」「痛みが怖い」と感じるのは自然なことです。不安が強いと眠れなくなったり、気分が落ち込んだりすることがあります。一人で抱え込まず、家族や友人、医療者に話してください。つらい状態が続くときは、地域の保健所や医療機関の相談窓口、こころの健康に関する相談を利用してください。
予防
生検そのものを防ぐという考え方はありませんが、検査が必要になる原因(不正出血やホルモンの乱れ)に早く気づいて相談することが大切です。気になる出血があっても「様子を見よう」と先延ばしにせず、婦人科に相談してください。
検診プログラム
日本では、子宮体がんの検診は主に症状のある方やリスクの高い方に対して行われます(厚生労働省の指針では、症状を有する女性などが対象とされています)。子宮頸がん検診は20歳以上を対象に2年に1回が推奨されています。自分がどの検診を受けるべきかは、お住まいの自治体の案内やかかりつけの医療機関に確認してください。
合併症
治療しない場合
- 不正出血の原因がわからないままになり、治療の機会を逃すことがある
- 子宮内膜の異常な増殖や前がん状態を見逃す可能性がある
- 出血が続いて貧血が進むことがある
- 不安が続き、日常生活の質が下がることがある
- 検査そのものによる合併症としては、軽い出血や痛み(よくある)、感染(まれ)、器具が子宮に当たって穴が開くこと(子宮穿孔、まれ)、組織が十分に取れず再検査になること(ときどき)があります
長期的な見通し
多くの方にとって、子宮内膜生検は短時間で終わる安全な検査です。結果の多くは良性で、必要な治療や経過観察につなげられます。結果が出るまでは落ち着かないかもしれませんが、状態がわかったうえで次の一歩を選べることが、この検査の大きな意味です。
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最終更新: 2026年11月3日
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