腎臓の超音波検査(腎エコー)ってどんな検査?
概要
腎臓の超音波検査(腎エコー)は、おなかや背中に当てた装置から出る高い音(超音波)を使って、腎臓の大きさ・形・中身を画像で見る検査です。レントゲンのような放射線は使わず、痛みもありません。体の外から見るだけなので、くり返し受けても体への負担が少ないのが特長です。腎臓に石がないか、尿の通り道がふさがって水がたまっていないか(水腎症)、囊肿(のうほう:中に液体がたまった袋)やしこりのようなものがないか、などを調べます。
重要な事実
- 放射線を使わない、痛みのない検査で、妊婦さんや赤ちゃんにも使われることがあります
- 検査の時間はふつう10〜20分ほどで、終わったあとは普段どおり過ごせます
- 腎臓だけでなく、膀胱(ぼうこう)や尿の通り道を一緒に見ることもあります
- 検査そのものが治療をするわけではなく、結果をもとに今後の方針を相談します
とてもよく行われる検査です。健診の尿検査や血液検査で異常を指摘されたとき、脇腹の痛みや血尿があるときなど、日常の診療のなかで気軽に受けられる基本的な画像検査のひとつです。
年齢を問わず、必要があれば誰でも受けられます。腎臓や尿の病気が疑われる人、健診で異常を指摘された人、高血圧や糖尿病で腎臓の状態をときどき確認したい人、小児では尿路感染をくり返すお子さんなどが対象になります。
症状
- 腰や脇腹の激しい痛みで、冷や汗が出て動けない
- 高熱と腰の強い痛みが同時にあり、ぐったりしている
- 尿がまったく出ない状態が続き、顔や手足のむくみが強い
- 息苦しい、意識がもうろうとしている、顔色が悪い
- ⚠尿に血が混じる状態が続く
- ⚠発熱をともなう腰の痛みがある(当日中に受診を)
- ⚠尿が出にくい、おなかが張って苦しい
- ⚠急にむくみが出て、体重が短期間で増えた
一般的な症状
- 背中や脇腹(腰のあたり)の痛みや重い感じ
- 尿に血が混じる(血尿)、尿が赤っぽく見える
- 尿の回数が多い、出にくい、排尿時に痛む
- 尿の量が減った、あるいは夜中に何度もトイレに起きる
- 顔や足のむくみ
- 発熱をともなう腰の痛み
- 健診の尿検査や血液検査(腎機能)で異常を指摘された
- 原因がはっきりしない高血圧の精査
子供の症状
- 尿路感染(膀胱炎や腎盂腎炎)をくり返す
- おねしょが長く続く、排尿の回数が多い
- おなかや腰のあたりを痛がる、元気がない
- 生まれつき腎臓や尿の通り道の形に特徴があると言われた
- 発熱の原因がはっきりせず、尿の感染が疑われる
高齢者の症状
- 前立腺の影響で尿が出にくい、残った感じがある
- 腎臓の働き(血液検査の数値)が少しずつ低下してきた
- むくみや息切れが出やすい
- 持病の経過観察として定期的に画像を確認したい
原因
主な原因
- 腎臓や尿の通り道に石があるのではないかと疑われたとき
- 尿路感染(膀胱炎・腎盂腎炎など)の影響を確認したいとき
- 尿の流れが悪くなって腎臓に水がたまっていないか(水腎症)を見たいとき
- 腎臓の大きさや形に生まれつきの特徴がないか確認するとき
- 囊肿(液体の袋)や、しこりのようなものが見つかったときの詳しい確認
- 健診の尿検査・血液検査で異常を指摘されたとき
- 高血圧や糖尿病などで、腎臓の状態を定期的に見ておきたいとき
リスク要因
- 腎臓や尿路の結石をこれまでに経験したことがある
- 水分をあまりとらない、汗を多くかく生活が続いている
- 尿路感染をくり返している
- 高血圧や糖尿病などの持病がある
- 家族に腎臓の病気の人がいる
- 前立腺の病気や、排尿に関わる治療を受けたことがある
- 年齢を重ねて腎臓の働きがゆるやかに低下している
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 脇腹や腰の激しい痛みが続く、または急に始まった
- 発熱と腰の痛みが同時にある
- 尿に血が混じる状態が続いている
- 尿がほとんど出ない、または強いむくみがある
- 検査の結果について説明を受け、急な症状が出たとき
定期受診を予約すべき場合:
- 健診で尿や血液の腎臓の数値に異常を指摘された
- 最近、尿の回数や色、においが気になる
- 腰のあたりに重い感じが続いている
- 血圧が高いと言われ、原因を調べたい
- 家族やかかりつけ医から検査をすすめられた
診断
腎臓の超音波検査は、診察室や検査室で行われます。ベッドに仰向け(場合によっては横向きやうつ伏せ)になり、おなかや背中にゼリーをぬって、超音波を出す装置(プローブ)を当てます。装置をゆっくり動かしながら、画面に映る腎臓の形や大きさ、石や水のたまりがないかを観察します。痛みや熱さはなく、音も聞こえません。息を止めて撮影することがあります。
行われる可能性のある検査
- 腎臓・尿路の超音波検査(腎エコー)
- 尿検査(血尿やたんぱく、感染の有無を調べる)
- 血液検査(腎臓の働きや炎症の程度を調べる)
- 血圧測定
- 必要に応じてレントゲン、CT、MRIなどの画像検査
- 必要に応じて膀胱や前立腺の超音波検査
診察で予想されること
検査の時間は10〜20分ほどです。多くの場合、特に食事や水分の制限はありませんが、ほかの検査と組み合わせるときは指示があることがあります。検査中は痛みも熱さもなく、終わったらゼリーをふき取って普段どおりに過ごせます。結果はその日のうちに説明されることもあれば、あとでゆっくり説明を受けることもあります。検査の前に「気になっている症状」や「聞きたいこと」をメモしておくと、説明がわかりやすくなります。
治療
超音波検査は「調べる検査」であり、それ自体が治療になるわけではありません。大切なのは、検査でわかったことをもとに、今後の方針を主治医と一緒に決めることです。何も見つからなければ、安心して様子を見ていくことになります。何か見つかった場合は、その内容に合わせた治療や経過観察が提案されます。
自宅でのセルフケア
- 検査前に気になる症状や既往歴をメモして持っていく
- 検査の結果と、次にいつ受診すればよいかを必ず確認する
- 結果を待つ間も、症状があれば日付と内容を記録しておく
- 水分をこまめにとり、尿を我慢しすぎないようにする
- 指示された受診や再検査の予定を先延ばしにしない
- わからない言葉や数値は、遠慮せずにその場で質問する
医療治療
検査で見つかった内容によって方針は変わります。たとえば、尿路の感染であれば原因に合わせた治療が行われ、石であれば大きさや位置に応じて水分や生活面の工夫、必要なら専門的な処置が検討されます。水がたまっている場合や腎臓の働きに変化がある場合は、専門の科(泌尿器科や腎臓内科)で詳しく調べることになります。具体的な治療の内容や薬については、主治医や薬剤師にご相談ください。
手術が検討される場合
手術が必要かどうかは、検査でわかった病気の種類や大きさ、症状の強さによって決まります。超音波検査の結果だけで手術が決まることはなく、追加の検査をしたうえで、専門の医師とよく相談して判断します。
この病気と共に生きる
超音波検査を受けたあとは、普段どおりの生活で問題ありません。結果の説明を受ける日まで、気になる症状があれば簡単にメモしておくと、診察のときに役立ちます。結果待ちの間は、必要以上に悪い方向へ考えすぎず、日常のリズムを保つことが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 水分をこまめにとり、汗をかいたらしっかり補う
- 尿を長時間我慢しない
- 塩分をとりすぎないよう、味つけは薄めを意識する
- 禁煙を心がけ、飲酒はほどほどにする
- 適正体重を保ち、血圧を気にかける
- 睡眠と休息をしっかりとる
- 健診や定期的な受診の予定を守る
食事と運動
腎臓の健康のためには、減塩を意識したバランスのよい食事と、無理のない範囲の運動(散歩や軽い体操など)が役立つと言われています。ただし、腎臓の働きに応じて水分やたんぱく質、カリウムなどの調整が必要な場合があります。自分だけで決めず、主治医や管理栄養士、薬剤師に相談しながら進めてください。
精神的健康と心の健康
検査を受ける前や結果を待つ間は、誰でも不安になるものです。「悪い結果だったらどうしよう」と考えるのは自然なことです。不安が強いときや眠れないときは、一人で抱え込まず、家族や友人、かかりつけ医に話してみてください。つらい気持ちが続く場合は、お住まいの地域の保健所や、かかりつけ医に相談する窓口があります。気持ちが追い詰められていると感じたら、すぐに誰かに助けを求めてください。
予防
超音波検査という検査そのものを「予防する」という考え方はありませんが、腎臓や尿の病気を早めに見つけ、悪化を防ぐことはできます。健診を毎年受け、気になる症状を放置しないことが、いちばんの近道です。
検診プログラム
特定健診や職場の健康診断では、尿検査・血液検査・血圧測定が行われます。尿の異常や腎臓の数値の変化は、症状が出る前に見つかることが多いため、毎年の健診を続けることが大切です。健診で異常を指摘されたら、症状がなくても早めに医療機関に相談してください。
合併症
治療しない場合
- 腎臓や尿路の病気が、症状のないまま進んでしまう可能性がある
- 尿の流れが悪い状態を放置すると、腎臓の働きが低下することがある
- 感染が広がり、高熱や強い痛みが出ることがある
- 石や水のたまりが大きくなり、治療が大がかりになることがある
- 高血圧や糖尿病による腎臓の変化に気づくのが遅れる
長期的な見通し
超音波検査は、体にやさしく、しかも多くの情報が得られる優れた検査です。早期に見つけて適切に対応すれば、多くの場合は落ち着いて経過を見ていくことができます。検査を受けること自体が、今後の健康を守るための前向きな一歩です。結果について気になることがあれば、遠慮なく主治医に相談してください。
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最終更新: 2026年11月3日
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