携帯型モニター検査(外来モニター)について
概要
携帯型モニター(外来モニター)は、入院せずに自宅や仕事場で、心臓の電気の動きや血圧などを一定の時間记録し続ける小型の装置です。病院で受ける心電図はほんの数十秒の記録なので、その瞬間に不整脈(心臓のリズムの乱れ)などが出ていないと見つかりません。モニターを一日中身につけておくと、ふだんの生活の中で起きる変化をとらえやすくなります。代表的なものに、二十四〜四十八時間続けて心電図を記録するホルター心電図、症状が出たときだけスイッチを押して記録するイベントレコーダー、腕に巻いて血圧を一日中測る携帯型血圧計などがあります。これは治療ではなく、原因を調べるための検査です。
重要な事実
- 多くは二十四時間から四十八時間、長いもので数週間、装置を身につけて生活します。
- 検査そのものは痛みがなく、装置をつけている間もふだん通りの生活をします(入浴など一部の制限はあります)。
- 検査結果はあとで医師が解析し、ふだんの診察では見つかりにくい不整脈や血圧の変化を見つける手がかりになります。
はい、とてもよく行われる検査です。動悸(心臓がドキドキする感じ)やめまい、失神(気を失うこと)の原因を調べるときや、血圧の評価が必要なときに、一般の診療所でも広く使われています。
動悸や脈の乱れ、めまい、立ちくらみ、失神、息切れなどを感じている人、健康診断で心電図の異常や血圧の高さを指摘された人などが対象になります。子どもから高齢者まで、必要に応じて行われます。
症状
- 胸を強く締めつけられるような痛みが続く、または冷や汗を伴う
- 意識を失った、呼びかけに反応がない、けいれんした
- 息が苦しくて横になれない、顔色が悪い
- 脈が非常に速い、または非常に遅く、意識がもうろうとしている
- 顔の片側が動かない、言葉が出にくい、手足に力が入らない(脳卒中のサインの可能性)
- ⚠動悸が何十分も続いて落ち着かない
- ⚠めまいで立っていられない、歩けない
- ⚠気が遠くなる感じが繰り返す、もう少しで失神しそうだった
- ⚠モニターを装着中に強い症状が出た(装置は外さず、まず医療機関へ連絡を)
一般的な症状
- 動悸(心臓がドキドキする、脈が飛ぶ、脈が速くなる感じ)
- めまい、ふらつき、立ちくらみ
- 息切れや、階段の上り下りが以前よりつらい
- 胸の不快感や軽い痛み
- 説明のつかない強い疲れやすさ
- 気を失う、または気が遠くなる感じ(失神)
- 健康診断で「心電図に異常がある」「血圧が高め」と言われた
子供の症状
- 動悸をうまく言葉にできず、急にぐったりする、機嫌が悪くなる
- 泣き止まない、哺乳(ミルクを飲むこと)が減る、汗をたくさんかく
- 走ったり遊んだりしたときに、すぐ疲れて止まってしまう
- 学校の健康診断で心電図の異常を指摘される
高齢者の症状
- めまいや転倒、気を失うことが増えた
- 動悸を自覚しにくく、疲れや息切れとして現れることがある
- 脈が遅くなり、力が出ない、ぼんやりする
- 持病の薬の影響で脈や血圧が変わることがある
原因
主な原因
- 不整脈(心臓の電気の流れの乱れ)が疑われるとき
- 高血圧の評価や、血圧の日内変動(一日のうちの上がり下がり)を調べたいとき
- 心臓の病気(心筋の病気や弁の病気など)の経過観察
- 貧血や甲状腺(首にあるホルモン腺)の働きの変化による動悸
- 睡眠時無呼吸(寝ている間に呼吸が止まる状態)による心臓への負担
- 強いストレスや不安、カフェインやアルコールのとりすぎ
- 薬の影響で脈や血圧が変化している可能性があるとき
リスク要因
- 高齢であること
- 心臓病や高血圧、糖尿病などを指摘されたことがある
- 睡眠時無呼吸を指摘された、またはいびきが強い
- カフェイン・アルコール・たばこを多くとる習慣
- 強いストレスが続いている、睡眠不足が続いている
- 家族に不整脈や心臓病の人がいる
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 胸の強い痛みや息苦しさがある
- 気を失った、または転倒してけがをした
- 動悸が長時間続き、自分では落ち着かせられない
定期受診を予約すべき場合:
- 動悸や脈の乱れをときどき感じる
- めまいや立ちくらみが繰り返す
- 健康診断で心電図や血圧の異常を指摘された
- 家族や周りから「脈がおかしい」と言われた
診断
まず問診と診察で、症状の出方や回数、生活の様子、持病や服薬を確認します。そのうえで、どの種類のモニターを何日間つけるかが決まります。装着は看護師や臨床検査技師が説明しながら行い、電極(体に貼るシール)の貼り方や注意点を教えてくれます。
行われる可能性のある検査
- 通常の心電図(十二誘導心電図)
- ホルター心電図(二十四〜四十八時間の連続記録)
- イベントレコーダー(症状が出たときだけ記録するタイプ)
- ウェアラブル型の心電図・脈拍記録装置
- 携帯型血圧計(二十四時間の血圧測定)
- 心臓超音波検査(心エコー)や血液検査(貧血・甲状腺の確認など)
診察で予想されること
装置をつけたら、ふだん通りの生活をしながら、症状が出た時刻と内容を記録用紙やアプリにメモします。入浴やシャワーなど、装置をぬらせない制限がある場合があります。期間が終わったら装置を返却し、解析結果は数日から一〜二週間ほどで医師から説明されます。装着中は少し気になったり、コードが服に当たって気になったりすることがありますが、多くの人は普段どおりに過ごせています。
治療
モニター検査は診断のための道具で、それ自体が治療ではありません。結果をもとに、症状の原因が何か、治療が必要かどうかを医師が判断します。多くは「特に問題なし」と確認できるだけでも安心につながります。
自宅でのセルフケア
- 装着中は、症状が出た時刻と内容(動悸、めまい、息切れなど)をこまめにメモする
- 電極がはがれたときは、説明された方法で貼り直す。わからなければ医療機関に電話で相談する
- 入浴やシャワー、プールなど、装置を水につける行為は指示に従って控える
- 激しい運動や、装置に強い衝撃を与える行為は、指示があるまで控える
- 装着期間中はいつもどおりの生活をこころがける(特別に安静にする必要はないことが多い)
- 睡眠や食事、カフェインの量などもあわせて記録すると、判断の助けになる
医療治療
検査の結果に応じて、生活習慣の見直しや、症状を引き起こしている別の病気の治療が検討されます。医師が必要と判断した場合は薬による治療が行われることもありますが、薬の種類や量は検査結果と体の状態に合わせて医師が決めます。自分で判断して薬を始めたりやめたりせず、医師や薬剤師の指示に従ってください。必要に応じて心臓の専門医(循環器内科)への紹介が行われます。
手術が検討される場合
モニター検査そのものに手術は必要ありません。検査で見つかった不整脈の種類によっては、カテーテルという細い管を使った処置や、心臓のリズムを助ける小型の装置を体内に埋め込む治療が検討されることがありますが、それはごく一部の場合です。
この病気と共に生きる
装着中は、コードが服にひっかからないよう、ゆったりした服を選ぶと過ごしやすくなります。電極の周りがかゆくなったり赤くなったりしたら、無理に我慢せず医療機関に相談してください。神経質になりすぎず、ふだんの生活を続けることが検査の精度を上げることにつながります。
生活習慣のアドバイス
- 睡眠を十分にとり、生活のリズムを整える
- カフェイン(コーヒー・濃いお茶・エナジードリンク)やアルコールをとりすぎない
- たばこを吸う人は、減らす・やめることを考えてみる
- ストレスをためこまず、自分に合った息抜きの時間をつくる
- 適度な運動を習慣にし、急に激しい運動を始める場合は医師に相談する
食事と運動
食事は、塩分を控えめにして野菜や魚をバランスよくとることが、血圧や心臓の負担を減らす助けになります。運動は、ウォーキングなど無理のない範囲から始めると続けやすくなります。ただし、モニター装着中や、運動で症状が出たことがある場合は、どの程度動いてよいかを事前に医師に確認してください。
精神的健康と心の健康
「結果が出るまで不安」「また動悸が来るのでは」と感じるのは自然なことです。不安が強いと動悸が余計に気になることもあります。深呼吸や軽いストレッチなどで気持ちを落ち着ける方法を試してみてください。不安や眠れない状態が続くとき、気持ちがつらいときは、ひとりで抱えこまず医師や身近な人に話してください。つらさが強い場合は、地域の相談窓口や医療機関に相談することが大切です。
予防
モニター検査そのものを「予防する」という考え方はあまりなじみませんが、検査が必要になる背景にある不整脈や高血圧は、生活習慣を整えることでリスクを下げられる場合があります。塩分を控える、適度に体を動かす、禁煙する、睡眠を十分にとる、といった積み重ねが心臓を守る助けになります。
検診プログラム
健康診断や特定健診(メタボ健診)での心電図・血圧測定は、自覚のない変化を見つける大切な機会です。厚生労働省も定期的な健診を受けることを勧めています。健診で指摘された場合は、放置せずにかかりつけ医に相談してください。
合併症
治療しない場合
- 不整脈(心臓のリズムの乱れ)が見逃され、症状が繰り返す
- 失神による転倒やけが、交通事故などの危険
- 心臓の働きが弱まる状態(心不全)の悪化に気づくのが遅れる
- 心房細動(心臓の上の部屋が細かく震える不整脈)が見逃され、脳卒中のリスクに気づかない
- 血圧の変化が把握できず、治療方針が決めにくくなる
長期的な見通し
携帯型モニターは、ふだんの生活の中での変化をとらえられる、とても有用な検査です。多くは数日で終わり、結果がわかることで安心につながったり、適切な対処につながったりします。異常が見つかった場合も、多くの場合は生活の工夫や通院での経過観察で対応できます。気になることは医師に遠慮なく相談しながら、前向きに進めていきましょう。
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最終更新: 2026年11月3日
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