頸動脈造影検査(頸動脈血管造影)
概要
頸動脈造影検査は、首の太い血管である頸動脈(心臓から脳へ血液を送る血管)の形や血流、狭くなっていないかを画像で調べる検査です。血管を写しやすくする造影剤(画像に血管を映すための薬)を使うことがあります。
重要な事実
- 脳へ向かう頸動脈の状態を詳しく調べる検査です。
- 超音波、CT、MRI、カテーテルなど、いくつかの方法があります。
- 目的に合わせて、医師が必要と判断したときに行われます。
頸動脈の動脈硬化は比較的よく見られますが、頸動脈造影検査そのものは、必要と判断された方に行う専門的な検査です。
高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙習慣のある方、脳卒中や一時的な脳虚血発作の既往がある方、健診で頸部血管の異常を指摘された方などが対象になります。年齢だけで決まるものではありません。
症状
- 突然の顔の片側の麻痺
- 突然の片側の手足の脱力やしびれ
- 突然の言葉の出にくさやろれつが回らない
- 突然の視力低下や見えにくさ
- 突然の激しい頭痛
- 意識がもうろうとする、けいれんする
- ⚠数分から数時間で消えた一時的な片麻痺や言葉の出にくさ(TIA:一時性脳虚血発作の可能性)は、当日中に医療機関へ相談してください。
- ⚠首の外傷後に強い痛みや腫れがある。
- ⚠検査後に刺した部位の出血、腫れ、痛みが増す。
一般的な症状
- 多くの場合、頸動脈が狭くなっていても症状はありません。
- 一時的に片側の手足がしびれる、動きにくくなる。
- 一時的に言葉が出にくい、ろれつが回らない。
- 一時的に片目が見えにくくなる。
- めまいやふらつきを感じることがあります。
子供の症状
- 小児では、成人のような動脈硬化の評価として行うことはほとんどありません。
- 先天性の血管の病気、血管の炎症、外傷など、専門医が必要と判断した場合に限って検討されます。
高齢者の症状
- 加齢による動脈硬化で頸動脈が狭くなることがあり、脳卒中の評価や手術前の評価で行われることがあります。
- 持病が多い方は、検査前に医師とよく相談してください。
原因
主な原因
- 頸動脈の動脈硬化(血管の壁に脂肪などがたまること)
- 頸動脈の狭窄や血栓(血のかたまり)
- 頸動脈解離(血管の壁が裂けること)
- 首の外傷や炎症
- まれに腫瘍など
リスク要因
- 脂質異常症(コレステロールや中性脂肪の異常)
- 家族に脳卒中や血管の病気がある
- 肥満、運動不足
- 塩分の多い食事、飲酒過多
- 睡眠時無呼吸
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 突然の片麻痺、言葉の出にくさ、視力障害などがあるときは、すぐに119番へ連絡してください。
- 一時的な症状でも、数分から数時間で消えた場合は当日中に受診してください。
- 首の外傷後の強い痛みや腫れがある。
- 検査後に刺した部位の出血、腫れ、痛みが増す。
定期受診を予約すべき場合:
- 健診で頸部血管の雑音や異常を指摘された。
- 頸部超音波検査で狭いと言われた。
- 脳卒中やTIA(一時性脳虚血発作)の既往がある。
- 手術前の評価が必要と言われた。
- 家族に頸動脈の病気や脳卒中の人がいる。
診断
まず問診、首の血管の音を聞く診察、頸部超音波検査などを行います。脳卒中の原因を詳しく調べたいときや、手術前の評価が必要なときに、頸動脈造影検査が検討されます。
行われる可能性のある検査
- 頸部超音波検査(エコー)
- CT血管造影(CTA)
- MR血管造影(MRA)
- カテーテルによる脳血管造影(DSA)
- 血液検査
診察で予想されること
検査の方法によって違います。カテーテル造影では、腕や足の付け根の血管から細い管を入れ、造影剤を注入してX線で撮影します。事前に絶食、腎機能、アレルギーの確認があります。検査後は刺した部位を安静にし、水分をとるよう指示されることがあります。
治療
治療は、検査で分かった原因によります。頸動脈の狭窄があっても、症状や程度によっては生活習慣の見直しと経過観察でよい場合があります。脳卒中の危険が高い場合は、医師が薬物治療や手術・カテーテル治療を検討します。
自宅でのセルフケア
- 禁煙する。
- 血圧を記録し、医師の指示に従って管理する。
- 処方された薬を自己判断でやめない。
- 塩分を控え、バランスよく食べる。
- 医師の許可を得て、無理のない運動を続ける。
- 定期受診を続ける。
- 検査後の安静や水分などの指示を守る。
医療治療
高血圧、糖尿病、脂質異常症などがある場合は、それぞれの治療を医師が検討します。頸動脈の状態によっては、血液を固まりにくくする薬やコレステロールを下げる薬などが使われることがあります。薬の種類や量は医師が決めますので、自己判断で開始・中止しないでください。
手術が検討される場合
頸動脈が強く狭くなり、症状がある場合や脳卒中の危険が高いと判断された場合は、頸動脈内膜剥離術(血管の内側をきれいにする手術)やカテーテルを使った治療が検討されます。すべての方に必要ではなく、医師が総合的に判断します。
この病気と共に生きる
検査後は刺した部位を安静にし、出血や腫れがないか見ます。水分をとり、指示があるまで運転や激しい運動を控えます。日常の血圧管理を続けることが大切です。
生活習慣のアドバイス
- バランスのよい食事
- 適度な運動
- 十分な睡眠
- ストレス管理
- 定期健診
食事と運動
塩分と加工食品を控えめにし、野菜、果物、全粒穀物、魚、豆類をバランスよく食べましょう。医師の許可を得て、早歩きなどの中等度の運動を無理のない範囲で続けるとよいでしょう。
精神的健康と心の健康
検査や脳卒中の心配で不安になるのは自然なことです。強い不安、眠れない日が続く、気持ちの落ち込みが強いときは、一人で抱えずにかかりつけ医や地域の保健相談窓口に相談してください。自分や周りの人を傷つける恐れがあるなど緊急の場合は119番へ連絡してください。
予防
頸動脈の動脈硬化は、生活習慣を整えることでリスクを下げられます。すべてを防げるわけではありませんが、できることがあります。
ワクチン
頸動脈造影を受けるかどうかを防ぐワクチンはありません。一般的な予防接種についてはかかりつけ医に相談してください。
検診プログラム
血圧、血糖、脂質の定期検査を受け、健診で異常を指摘されたら早めに相談してください。厚生労働省が示す健診の考え方も参考に、自治体の健診を受けるとよいでしょう。
合併症
治療しない場合
- 強い頸動脈狭窄を放置すると、一時的な脳虚血発作(TIA)や脳卒中の危険が高まることがあります。
- 検査を受けないことで、原因不明の症状が続くことがあります。
- カテーテル造影では、まれに造影剤アレルギー、腎臓への負担、刺入部の出血、血管のけがなどがあります。
長期的な見通し
検査結果に応じて生活習慣を整え、必要な治療を続けることで、多くの方は安定した生活を送れます。結果について不安があれば、医師に質問してください。
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最終更新: 2026年11月3日
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