ガリウムシンチグラフィー(ガリウム検査)ってどんな検査?
概要
ガリウムシンチグラフィーは、体の中の「炎症」「感染」「腫瘍(しゅよう=細胞のかたまり)」がある場所を、画像で見つけるための検査です。放射性(ほうしゃせい=ごくわずかに放射線を出す)ガリウムという物質を腕の静脈から注射し、しばらく待ってから体の外から写真を撮ります。ガリウムは、体の中で炎症や感染が起きている場所、または特定の腫瘍のところに集まりやすい性質があります。そのため、写真の上でガリウムが集まっている場所が「何か起きている場所」の手がかりになります。CTやMRIや超音波検査で原因がはっきりしないときに、補助的に使われることがあります。なお、この検査は「病気そのもの」ではなく、体の状態を調べるための検査です。
重要な事実
- 腕の静脈に注射をして、半日から3日ほど待ってから撮影します。日を分けて通院が必要になることがあります。
- 注射するガリウムの量はごくわずかで、放射線の量も体に大きな負担をかけるものではありません。検査後は水分を多めにとると排出が進みます。
- 最近はPET-CTなど他の画像検査が使われることも多くなりましたが、原因不明の熱や炎症の評価などで今も使われることのある検査です。
以前に比べると行われる数は減っています。というのも、PET-CT(ペットシーティー)やCT、MRIなど、より詳しく体の内部を写せる検査が広く使われるようになったからです。ただ、原因のわからない発熱や炎症、特定の腫瘍の評価などで、今でも必要に応じて行われることがあります。特別に珍しい検査というわけではありません。
年齢を問わず、必要と判断された方に行われます。小さなお子さんに行う場合は、じっとしているのが難しいため、検査の進め方を工夫することがあります。妊娠中・妊娠の可能性がある方、授乳中の方は、事前に必ず医師に伝えてください。放射線の影響を考えて、検査の時期や方法が調整されることがあります。
症状
- 高熱に加えて、意識がぼんやりする・呼びかけへの反応が鈍い
- 呼吸が苦しい、息ができない、唇や顔色が青白い
- けいれんが起きた、体が震えて止まらない
- 激しい胸の痛みや、突然の強い腹痛がある
- 血圧が大きく下がっているように見える(ぐったりして反応が弱い)
- ⚠38度以上の発熱が続き、水分もとれない
- ⚠痛みが急に強くなった、腫れが急速に大きくなった
- ⚠検査後に発熱、寒気、じんましん、息苦しさが出た
- ⚠注射した部位が赤く大きく腫れる、痛みが強い
- ⚠だるさが急に強まり、立ち上がるのがつらい
一般的な症状
- 数日から数週間、原因がはっきりしない発熱が続く
- 血液検査で炎症の数値が高いと言われたが、理由がわからない
- リンパ節(首やわきの下など)の腫れが続く
- だるさ、食欲低下、体重が減るなどの全身の不調が続く
- 骨や関節の痛みがあり、他の検査で原因が決められない
- 手術や人工物を入れた後に、感染が疑われるが場所が特定できない
子供の症状
- 長引く発熱で、原因が見つからないと言われた
- 元気がなく、機嫌が悪い状態が続く
- リンパ節の腫れや、体の一部の腫れが続く
- 検査で長時間じっとしているのが難しい場合は、眠るための配慮をすることがあります
高齢者の症状
- 熱が長引くが、はっきりした症状を自分で説明しにくい
- だるさや食欲低下だけが目立ち、原因がわからない
- 持病や内服中の薬が多く、検査の組み立てに配慮が必要になることがある
- 検査のために何度も通院するのが負担になる場合は、家族の付き添いや通院方法の相談が役立ちます
原因
主な原因
- この検査は「原因を探すための検査」です。検査が行われる理由としては、感染症(細菌やウイルスによる炎症)の場所を探すため、
- 炎症性の病気(体の免疫が自分自身を攻撃してしまう病気など)の広がりを調べるため
- 腫瘍(特にリンパの腫瘍など)の評価の一部として
- 骨の感染や、手術後に入れたいわゆる人工物のまわりの感染が疑われるとき
- 他の画像検査では判断が難しいときの補助的な情報を得るため
リスク要因
- 妊娠中、または妊娠の可能性がある(放射線の影響に配慮が必要)
- 授乳中(母乳への影響を考え、一定期間の授乳方法について指示が出ることがある)
- 腎臓(じんぞう)の働きが低下している(ガリウムの排出が遅くなる可能性)
- これまでに造影剤や薬でアレルギー症状が出たことがある
- じっと横になっているのが難しい、閉所が苦手など、撮影に工夫が必要な状態
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 原因不明の熱が続き、水分がとれない、ぐったりしている
- 急に痛みが強くなった、腫れが急に大きくなった
- 検査の注射のあとに、じんましん・息苦しさ・寒気・発熱が出た
- 意識がぼんやりする、会話がかみ合わない
定期受診を予約すべき場合:
- 数日以上続く発熱があり、原因がはっきりしないと言われた
- 血液検査で炎症の数値が高いと言われた
- リンパ節の腫れや、体重減少、だるさが続いている
- 医師からガリウム検査をすすめられた、または検査の説明を受けたい
- 検査結果の意味がわからず不安がある
診断
この検査は「診断そのもの」ではなく、診断のための情報を集める検査です。まず医師が問診と診察を行い、血液検査やCT・MRI・超音波などの結果をふまえて、ガリウム検査が必要かどうかを判断します。検査では、ガリウムを腕の静脈に注射し、半日から3日ほど待ってから専用のカメラで体の画像を撮ります。ガリウムが集まっている場所の有無と分布を、これまでの検査結果とあわせて総合的に判断します。
行われる可能性のある検査
- 問診と診察(症状の経過、発熱の続き方、体重の変化などを確認)
- 血液検査(炎症の数値、貧血の有無、臓器の働きなど)
- CT検査、MRI検査、超音波検査(体の形の変化を見る)
- PET-CT検査(必要に応じて。より詳しく代謝の様子を見る)
- ガリウムシンチグラフィー(今回の検査。炎症・感染・腫瘍の場所の手がかりを得る)
- 場合により、細胞や組織を採って調べる検査(生検)
診察で予想されること
当日は、まず問診と、妊娠・授乳の有無、アレルギーの確認があります。腕の静脈に細い針でガリウムを注射します。注射そのものは数分で終わります。その後、体にガリウムが行きわたるのを待つために、半日から3日ほど間をあけます。撮影は、ベッドに横になったまま専用のカメラの下で行われ、30分から1時間ほどかかることが多く、何回かに分けて撮る場合もあります。撮影中は動かないことが大切ですが、痛みはありません。検査の前後に、水分を多めにとるように案内されることがあります。授乳中の方には、一定期間の授乳方法について指示が出ることがあります。結果はすぐには出ず、数日から1〜2週間ほどかかることが多いです。
治療
ガリウム検査は体を調べるための検査であり、それ自体が治療になるものではありません。検査で得られた情報をもとに、医師が原因を絞り込み、その方に合った治療の方向性を決めていきます。つまり検査は「より良い治療につなげるための第一歩」です。
自宅でのセルフケア
- 検査の前後は、水分を多めにとるようにしましょう(指示があればそれに従ってください)
- 注射した部位をもんだり温めたりせず、赤みや腫れがないか様子を見る
- 検査後しばらくは、妊娠中の方や小さなお子さんと長時間密着する時間を減らすよう案内されることがあります。具体的な期間は医師や放射線技師の指示に従ってください
- 授乳中の場合、授乳の方法や再開の時期について必ず事前に相談する
- 結果を待つ間に症状の変化を記録しておく(体温、食事量、痛みの強さなど)
- 不安が強いときは、一人で抱え込まずに家族や医療者に話す
医療治療
検査の結果をもとに、原因に応じた治療が検討されます。感染症が疑われればその治療、炎症性の病気であれば炎症を抑える治療、腫瘍が疑われれば専門の科での詳しい検査と治療、といった流れになります。治療の内容は原因や体の状態によって大きく異なるため、具体的な方針は担当医から説明を受け、納得したうえで進めてください。この記事では特定の薬の名前や量についての情報はお伝えしません。
手術が検討される場合
この検査自体で手術を行うことはありません。ただし、検査の結果から手術が必要かどうかが検討されることはあります。その場合の判断は、担当医と専門の科が総合的に行います。
この病気と共に生きる
検査は何日かにわたることがあるため、仕事や家事、育児の予定を調整しておくと安心です。注射した日と撮影の日が別になることも多いので、通院のスケジュールを前もって確認しておきましょう。結果が出るまでは、症状の記録をつけておくと診察のときに役立ちます。
生活習慣のアドバイス
- 検査の前後は、普段どおりの生活でかまいませんが、指示があればそれに従う
- 水分をこまめにとり、トイレを我慢しない
- 睡眠と食事をできるだけ整え、体調の変化に気づきやすくする
- 検査後、人ごみや妊娠中の方との長時間の接触について指示があれば守る
- 気になる症状はメモに残し、次の診察で伝える
食事と運動
特別な食事制限が必要になることは多くありません。検査の前に食事を抜く必要があるかどうかは施設によって違うため、事前の案内を確認してください。体調が許す範囲で、軽い散歩など無理のない運動を続けることは、気分転換にもなり体調管理にも役立ちます。ただし発熱やだるさが強いときは無理をせず、休むことを優先しましょう。
精神的健康と心の健康
「原因がわからない」と言われたまま検査を待つ時間は、不安やもやもやした気持ちが続きやすいものです。結果を待つ間は、つい悪い方向に考えてしまいがちですが、それは自然な反応です。検査は原因を見つけるための前向きな一歩であり、結果が出れば次の判断に進めます。眠れない、気持ちが落ち着かない状態が続くときは、医療者に遠慮なく相談してください。つらい気持ちが強いときは、地域の相談窓口や医療機関の相談支援を利用することも大切です。
予防
この検査は「必要なときに必要な人に行うもの」であり、受ける・受けないを予防するという性質のものではありません。大切なのは、気になる症状を我慢せずに早めに相談すること、そして妊娠の可能性や授乳中であることを検査前にきちんと伝えることです。
検診プログラム
ガリウム検査は、症状のない方を対象にした一般的な「検診」として行われるものではありません。症状や他の検査結果をもとに、医師が必要と判断した場合に行われます。厚生労働省や自治体が案内している各種のがん検診など、根拠のある検診については、お住まいの自治体の案内をご確認ください。
合併症
治療しない場合
- 検査を受けずに原因がわからないままだと、治療の開始が遅れることがあります
- 感染症が広がり、重症化するおそれがあります
- 炎症性の病気や腫瘍の評価が進まず、方針を決められないままになることがあります
- 症状が続くことで、体力や気力が落ちていくことがあります
長期的な見通し
ガリウム検査は、原因を探るための数ある手段の一つです。検査を受けることで情報が増え、より適切な治療へ進みやすくなります。最近は他の画像検査が中心になっている部分もありますが、必要な場面では今も役立つ検査です。結果について不安なことがあれば、担当医に遠慮なく尋ねてください。あなたの状況に合わせた次の一歩を、医療者と一緒に考えていくことができます。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康に関する案内は国や地域によって異なります。このページは一般的な教育情報であり、お住まいの地域の指針、薬、診療と一致しない場合があります。心配な点はご自身の医師または医療提供者に相談し、地域の案内がある場合はそれに従ってください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
このトピックを名指しする指針はありません
このページには、このトピックそのものを名指しする健康ガイドラインや臨床の章は引用されていません。このページは一般的な教育と情報のみを目的としています。診断、治療計画、個人への医学的助言ではありません。ご自身の医師に確認し、その指示に従ってください。症状が重い、突然である、または心配な場合は速やかに受診し、緊急時は地域の緊急番号に電話してください。Ruqelo LLC は、この情報に基づく判断から生じる医学上または法律上の結果について責任を負いません。
最終更新: 2026年11月3日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。
Guidance may differ by country or region. Confirm local recommendations with a qualified healthcare provider.