副甲状腺シンチグラフィ検査(パラサイロイドスキャン)ってどんな検査?
概要
副甲状腺シンチグラフィは、首にある「副甲状腺」という小さな臓器の様子を、画像で調べる検査です。副甲状腺は甲状腺の裏側に4つほどある、米粒ほどの大きさの器官で、血液中のカルシウムの量を整えるホルモン(パラトルモン)を出しています。この検査では、放射性の薬(トレーサーと呼びます)を腕の血管に注射し、専用のカメラで首のあたりを撮影します。薬が集まりやすい場所を写すことで、副甲状腺が腫れていたり、良性のしこり(腺腫=せんしゅ)があったりする場所を、体の外から見つけやすくなります。放射線の量はごく少なく、痛みもほとんどありません。
重要な事実
- 腕に1回注射をして、専用のカメラの前で首のあたりを撮影します。注射から撮影まで待ち時間があり、検査全体で半日ほどかかることがあります。
- 施設によっては、1日目と2日目の2回に分けて撮影することもあります。検査の進め方は病院によって少しずつ違います。
- 検査中の痛みはほとんどありません。撮影の間は、体を動かさずにじっとしていることが大切です。
- 妊娠中・妊娠の可能性がある方、授乳中の方は、事前に必ず医療スタッフに伝えてください。
はい。血液検査でカルシウムの値が高いときや、副甲状腺の働きが活発すぎる状態(副甲状腺機能亢進症)が疑われたときに、よく行われる検査です。特別な検査というより、原因を絞り込むための標準的な検査のひとつです。
血液検査でカルシウムが高いと言われた方、繰り返す腎结石(尿路結石)がある方、骨粗鬆症(こつそしょうしょう=骨が弱くなる状態)がある方、だるさや骨の痛みが続いている方などが、この検査の対象になることがあります。年齢を問わず行われますが、中高年、とくに女性で見つかることが多い傾向があります。
症状
- 意識がもうろうとしている、ぼんやりして呼びかけへの反応が鈍い
- けいれんが起こった
- ひどい脱水(口の渇きが強く、尿がほとんど出ない)、血圧が下がっているように見える
- 息苦しい、胸が痛い、動悸が激しい
- これらは血液中のカルシウムが非常に高くなった状態のおそれがあります。ためらわずに救急車を呼んでください(119番)。
- ⚠激しいのどの渇きと、いつもより多い尿
- ⚠嘔吐が続く、水分がとれない
- ⚠便秘がひどく、おなかの痛みがある
- ⚠強い疲労感で、日常生活がままならない
- ⚠尿路結石による腰・背中の激痛や血尿
一般的な症状
- この検査そのものは症状を起こすものではありません。ここでは、この検査が必要になるきっかけとなる、副甲状腺の働きが活発すぎるとき(高カルシウム血症)によく見られる症状を紹介します。
- なんとなく疲れやすい、体がだるい、力が出ない
- のどが渇きやすい、水をよく飲む、トイレの回数が増える
- 便秘が続く、おなかが張る、食欲がない
- 気分が落ち込む、物忘れが増えた気がする、集中しにくい
- 骨や関節の痛み、腰の痛み
- 腎结石(尿路結石)をくり返す
- 吐き気やむかつき
子供の症状
- 小児ではまれですが、家族に同じ病気の人がいる場合などに起こることがあります。子どもでは、はっきりした症状が出にくく、元気がない、成長がゆっくり、などの形で気づかれることがあります。
- 検査のときにじっとしているのが難しい場合は、撮影の工夫や、スタッフが付き添うなどの対応がとられます。心配なことは事前に小児科の医師に相談してください。
高齢者の症状
- 高齢の方では、症状がはっきり出にくいことがあります。だるさや物忘れ、気分の落ち込みが「年齢のせい」と考えられて見過ごされることもあります。
- 脱水になりやすい時期はとくに注意が必要です。のどの渇きや尿の量の変化に気を配りましょう。
- 持病の薬をいくつも使っている場合は、検査の前に必ずお薬手帳を見せてください。
原因
主な原因
- 副甲状腺が腫れる原因として最も多いのは、良性のしこり(副甲状腺腺腫)です。これはがんではありません。
- 複数の副甲状腺が大きくなる「過形成(かけいせい)」という状態もあります。
- ごくまれに、副甲状腺のがんが原因のことがあります。
- 腎臓の病気などがきっかけで、副甲状腺の働きが二次的に活発になることもあります。
リスク要因
- 家族に副甲状腺の病気や、カルシウムの値が高い人がいる
- 女性、とくに閉経後の方
- 高齢であること
- ビタミンDが不足している
- 特定の薬を長期間使っている(お薬手帳を持って主治医に相談してください)
- 長く寝たきりに近い状態が続いている
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 意識がもうろうとする、けいれん、息苦しさ、胸の痛みがあるときは、すぐに119番で救急要請をしてください。
- 嘔吐が続いて水分がとれない、尿が極端に少ないときは、その日のうちに医療機関に連絡してください。
定期受診を予約すべき場合:
- 血液検査でカルシウムが高いと言われた
- 腎结石をくり返している
- 骨粗鬆症と言われた、または骨密度が低いと言われた
- だるさ、のどの渇き、頻尿、便秘が続いている
- 家族に副甲状腺の病気の人がいる
- この検査を受けたあと、結果の説明をまだ受けていない
診断
まず血液検査で、カルシウムや副甲状腺ホルモン(PTH)の値を調べます。そのうえで、原因となっている副甲状腺の場所を画像で確かめるために、このシンチグラフィ検査が行われます。超音波検査と組み合わせて使われることも多くあります。
行われる可能性のある検査
- 血液検査:カルシウム、リン、副甲状腺ホルモン(PTH)、ビタミンD、腎機能などを調べます
- 尿検査:24時間の尿を集めて調べることもあります
- 首の超音波(エコー)検査:副甲状腺の大きさや形を見ます
- 副甲状腺シンチグラフィ:今回のテーマの検査です
- 必要に応じてCTやMRIなどの画像検査
診察で予想されること
検査の流れはおおむね次のとおりです。受付で説明を受け、腕に放射性の薬を注射します。すぐに撮影する場合と、1〜3時間ほど待ってから撮影する場合があります。撮影の間は、あごを少し上げた姿勢で、動かないようにじっとします。撮影は10〜30分ほどです。施設によっては翌日にもう一度撮影します。服装は首もとが楽なものを選び、アクセサリーは外します。検査のあとは普段どおりに過ごせますが、授乳中の場合や小さな子どもと密接に過ごす場合は、施設の指示に従ってください。結果は後日、主治医から説明されます。
治療
この検査で見つかった原因に合わせて、治療の方針を決めていきます。副甲状腺が良性のしこりで腫れている場合は、手術で取り除くことで改善が期待できます。手術が難しい場合や症状が軽い場合は、経過を見ながら生活を整える方法が選ばれることもあります。どの方法が合うかは、年齢や持病、生活の状況をふまえて主治医と相談して決めます。
自宅でのセルフケア
- 水分をこまめにとり、脱水を避けましょう。とくに暑い時期や運動のあとは意識して水分補給を。
- バランスのよい食事を心がけ、カルシウムやビタミンDを食事からとりましょう。
- サプリメントは自己判断で始めず、必ず主治医や薬剤師に相談してください。
- 検査の前に絶食の指示があった場合は、その指示に従ってください。
- 軽い散歩など、無理のない範囲の運動を続けましょう。骨の健康を保つ助けになります。
- 検査のあとは、体調の変化をメモしておくと、診察のときに役立ちます。
医療治療
治療は、原因や症状の強さによって選ばれます。手術が適さない場合には、カルシウムの値や体の状態を見守りながら調整する方法や、生活習慣を整える指導が行われることがあります。薬を使う場合も、種類や量は主治医が体の状態に合わせて決めますので、自己判断で開始・中止をしないでください。治療の内容は必ず主治医の説明を受けてください。
手術が検討される場合
副甲状腺の腫れが原因で症状がある場合や、カルシウムの値が高い状態が続く場合は、腫れている副甲状腺を取り除く手術が検討されます。多くの場合、首の小さな切れ目から行う手術です。手術の適否や方法は、年齢、持病、腎臓の状態などをふまえて、外科の医師とよく相談して決めます。
この病気と共に生きる
検査のあとは、ふだんどおりの生活に戻れます。結果が出るまでの数日から数週間は、気になってしまうもの。そんなときは、検査の目的や今後の流れを主治医にあらかじめ聞いておくと、気持ちが落ち着きやすくなります。
生活習慣のアドバイス
- 水分をとる習慣をつけ、脱水を防ぎましょう。
- 食事は偏らず、野菜や乳製品なども取り入れたバランスのよい内容に。
- たばこは骨や血管にも負担をかけます。禁煙を考えてみましょう。
- お酒はほどほどに。飲みすぎは脱水につながります。
- 睡眠をしっかりとり、疲れをためないようにしましょう。
- 新しいサプリや健康食品は、始める前に主治医に相談してください。
食事と運動
食事は、カルシウムを多く含む食品(乳製品、小魚、大豆製品、青菜など)と、ビタミンDを助ける適度な日光浴を意識するとよいでしょう。ただし、サプリメントで大量にとることは避け、必ず相談してください。運動は、ウォーキングや軽い筋力運動など、無理なく続けられるものを。骨を丈夫に保つ助けになります。痛みがあるときは中止し、医師に相談してください。
精神的健康と心の健康
検査の結果を待つ時間は、誰でも不安なものです。「悪い結果だったらどうしよう」と考えるのは自然なことです。眠れない、気持ちが落ち込む、考えがぐるぐる回るといった状態が続くときは、一人で抱え込まず、主治医や看護師、家族に話してください。つらい気持ちが強いときは、地域のこころの相談窓口や、医療機関の相談室を利用することもできます。気持ちのつらさは、体の病気とは別に、きちんと支えてもらえるものです。
予防
副甲状腺の腫れそのものを確実に防ぐ方法は、今のところ分かっていません。ただ、脱水を避けること、サプリメントのとりすぎに気をつけること、ビタミンD不足を放置しないことは、体の状態を整える助けになります。
検診プログラム
症状がなくても、家族に副甲状腺の病気の人がいる場合や、血液検査でカルシウムが高いと言われたことがある場合は、かかりつけ医に相談してみましょう。症状がないうちから気にしすぎる必要はありません。
合併症
治療しない場合
- 腎结石(尿路結石)をくり返し、痛みや血尿が起こることがあります。
- 骨が弱くなり、骨折しやすくなることがあります。
- 腎臓の働きが少しずつ低下することがあります。
- 血圧が上がる、心臓や血管に負担がかかることがあります。
- 気分の落ち込みや、集中しにくさが続くことがあります。
長期的な見通し
多くの場合、原因は良性の変化で、適切に対応すれば状態は改善します。検査で場所がはっきりすれば、治療の計画が立てやすくなります。心配な点は、远慮なく主治医に相談しながら、一歩ずつ進めていきましょう。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康に関する案内は国や地域によって異なります。このページは一般的な教育情報であり、お住まいの地域の指針、薬、診療と一致しない場合があります。心配な点はご自身の医師または医療提供者に相談し、地域の案内がある場合はそれに従ってください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
このトピックを名指しする指針はありません
このページには、このトピックそのものを名指しする健康ガイドラインや臨床の章は引用されていません。このページは一般的な教育と情報のみを目的としています。診断、治療計画、個人への医学的助言ではありません。ご自身の医師に確認し、その指示に従ってください。症状が重い、突然である、または心配な場合は速やかに受診し、緊急時は地域の緊急番号に電話してください。Ruqelo LLC は、この情報に基づく判断から生じる医学上または法律上の結果について責任を負いません。
最終更新: 2026年11月3日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。
Guidance may differ by country or region. Confirm local recommendations with a qualified healthcare provider.