血中尿素窒素(BUN)検査ってなに?〜腎臓の働きを知る血液検査〜
概要
BUN検査(血中尿素窒素検査)は、血液の中にある「尿素窒素」という物質の量を測る検査です。たんぱく質は体の中で使われたあと、尿素という老廃物になります。その尿素に含まれる窒素の量を見るのがBUNです。ふつう尿素は腎臓でこし取られ、おしっことして体の外へ出ていきます。ですからBUNの値は、腎臓がきちんと働いているか、体の水分が足りているかを知る手がかりになります。ただし、値は食事や水分、体調でも動くので、これひとつで病気を決めることはできません。
重要な事実
- 腕の静脈から少量の血液を採るだけの、よく行われる基本的な検査です。
- 値が高いときは、腎臓の働きの低下や脱水(体の水分不足)などが考えられます。
- 値は食事・水分・体調でも変わるため、クレアチニンや尿検査などと合わせて判断します。
とてもよく行われる検査のひとつです。健康診断や診察のとき、ほかの血液検査と一緒に調べることが多くあります。
誰でも受ける可能性のある検査です。高血圧や糖尿病がある人、腎臓の病気が心配な人、水分が足りないとき、薬の影響を確かめたいときなどに、特に役立ちます。
症状
- おしっこがほとんど出ない(半日以上出ない)
- 意識がぼんやりする、会話がかみ合わない、呼びかけへの反応がおかしい
- けいれんが起きた
- 息苦しい、呼吸が苦しそう
- 胸の痛みや強い動悸がある
- 顔色が悪く、ぐったりして動けない
- このような症状があるときは、ためらわずに119番へ連絡してください。
- ⚠吐き気や嘔吐が続いて水分がとれない
- ⚠むくみが急に強くなった
- ⚠おしっこの量が目に見えて減った
- ⚠強いだるさで日常生活が難しい
- ⚠発熱と一緒に、尿の痛みや頻尿がある
- ⚠検査の結果が大きく外れていて、体調もすぐれない
一般的な症状
- BUNの値が高くても、最初はほとんど症状がないことが多いです。
- 疲れやすい、なんとなくだるい
- 手足やまぶたのむくみ
- おしっこの量が減った気がする
- 口が渇く、のどが渇きやすい
- 頭が重い、すっきりしない
- 食欲がない、吐き気がする
子供の症状
- 子どもは症状が出にくく、検査で初めて気づくこともあります。
- 下痢や嘔吐が続いて脱水になっている
- 元気がなく、ぐったりしている
- おしっこの量が少ない、おむつがぬれにくい
- まぶたや足のむくみ
- 食欲がなく、水分も飲みたがらない
高齢者の症状
- 高齢の方は脱水になりやすく、値が動きやすいです。
- 食欲が落ちた、水分をあまりとれていない
- おしっこの量が減った
- 足のすねや足首のむくみ
- ぼんやりする、反応がいつもと違う
- 飲んでいる薬が増えた・変わったあとの体調変化
原因
主な原因
- 脱水(汗、下痢、嘔吐、水分不足などで体の水分が減ること)
- 腎臓の働きの低下(急に悪くなる場合も、ゆっくり進む場合もあります)
- 尿の通り道が詰まる(尿路結石、前立腺の腫れなど)
- 消化管からの出血
- たんぱく質の多い食事をとった直後
- 薬の影響(ステロイド薬や一部の痛み止めなど。自己判断でやめずに相談してください)
- 心不全やショックなど、体の血液の流れが悪くなる状態
- 逆に値が低いときは、妊娠中、肝臓の働きの低下、たんぱく質が少ない食事、水分が多すぎる状態などが関係します
リスク要因
- 高血圧がある
- 糖尿病がある
- 腎臓の病気の家族歴がある
- 高齢である
- 暑い場所での作業や運動で水分をとりにくい環境にいる
- 痛み止めなどを長期間使っている
- 心臓や肝臓の病気がある
- 尿路の病気や前立腺の症状がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- おしっこが極端に少ない、または出ない
- 意識がぼんやりする、反応がおかしい、けいれんがある
- 息苦しさや胸の痛みがある
- 吐き気が続いて水分がとれない
- むくみが急に強くなった
定期受診を予約すべき場合:
- 健康診断や特定健診でBUNや腎機能の値に印がついた
- むくみやだるさが続いている
- おしっこの量や回数が以前と変わった
- 水分がとりにくい状態が続いている
- 飲んでいる薬が変わり、体調がすぐれない
診断
BUNは血液検査で測ります。結果はBUNだけで判断せず、クレアチニンやeGFR(腎臓のろ過の働きを表す目安)、尿検査、血圧、体の水分の状態などと合わせて、医師が総合的に読み取ります。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(BUN、クレアチニン、eGFR、電解質など)
- 尿検査(たんぱくや血が混じっていないか、濃さはどうか)
- 血圧測定と体重の推移の確認
- 腹部の超音波(エコー)検査
- 必要に応じて画像検査や、尿の通り道の検査
診察で予想されること
採血は腕の静脈から行い、数分で終わります。針を刺すときに一瞬ちくっとする程度です。食事の影響を受けることがあるため、検査前に食事や水分について指示があればそれに従ってください。結果は当日から数日でわかることが多く、医師から見方の説明を受けられます。
治療
BUNの値そのものを下げる治療があるわけではありません。大切なのは、値が動いた背景にある原因を見つけ、それに合わせて対処することです。原因が脱水なら水分を整える、腎臓の病気なら生活と体調を管理する、といった具合です。
自宅でのセルフケア
- こまめに水分をとる(医師から水分制限の指示がある場合はそれに従う)
- 食事の内容や量を極端に変えず、指示があればそれに沿う
- 市販の痛み止めなどの使いすぎに注意し、気になる場合は薬剤師や医師に相談する
- 体重を毎日同じ条件で測り、急な増減に気づく
- むくみやおしっこの量の変化をメモしておく
- 睡眠と休養をとり、無理な運動や長時間の暑さを避ける
医療治療
治療は原因に応じて組み立てられます。水分バランスを整える、血圧や血糖を管理する、尿の通り道の詰まりを解除する、体に合わない薬がないか見直す、といった方法があります。使う薬の種類や量は医師が一人ひとりに合わせて決めますので、自己判断で薬を始めたりやめたりせず、必ず相談してください。
手術が検討される場合
尿の通り道が石や前立腺の腫れで詰まっている場合など、原因によっては小さな処置や手術が検討されることがあります。必要かどうかは検査の結果を見て医師が判断します。
この病気と共に生きる
BUNの値と上手につきあうコツは、記録と習慣づくりです。検査結果の紙を保管し、体重・血圧・おしっこの回数を無理のない範囲でメモしておくと、体調の変化に気づきやすくなります。数値だけで一喜一憂せず、主治医と「どう見ていくか」を話し合っておくと安心です。
生活習慣のアドバイス
- 決まった時間に水分をとる習慣をつくる
- 塩分や加工食品をとりすぎないよう意識する
- お酒はほどほどにし、喫煙は避ける
- 睡眠を十分にとり、疲れをためない
- 市販薬やサプリメントを使うときは、薬剤師や医師に伝える
- 健診や受診の予定を忘れずに続ける
食事と運動
食事は極端に減らしたり増やしたりせず、バランスよくとることが基本です。たんぱく質・塩分・水分の量について指示が出ている場合は、それを守ることが大切です。運動は散歩など無理のない範囲から。暑い日や体調がすぐれない日は控えめにして、こまめな水分補給を忘れずに。食事や運動の内容は、腎臓の状態によって変わるので、管理栄養士や医師に相談しながら決めていきましょう。
精神的健康と心の健康
検査の数字を見るたびに不安になるのは自然なことです。特に腎臓の病気と言われたあとは、先のことを考えて気持ちが沈みがちになります。一人で抱え込まず、家族や友人、医療者に気持ちを話してみてください。眠れない日が続く、気分の落ち込みが強い、日常生活がつらいと感じるときは、ためらわずに医療機関に相談を。気持ちのつらさは、体の症状と同じように大切に扱ってよいものです。
予防
BUNの値そのものを完全に防ぐことはできませんが、腎臓にやさしい生活を続けることで、異常な値が出にくくすることはできます。水分をこまめにとる、血圧や血糖を整える、薬を正しく使う、健診を続けることが大切です。
検診プログラム
日本では健康診断や特定健診(40〜74歳の加入者を対象とした健診)で、血液検査や尿検査が行われます。厚生労働省も定期的な健診を受けることを勧めています。健診の結果は毎年保管し、変化を比べられるようにしておくと安心です。
合併症
治療しない場合
- 腎臓の働きの低下に気づかず、進行してしまうことがあります
- 老廃物が体にたまり、だるさ・吐き気・食欲低下などが強くなることがあります
- 体の水分や電解質(ナトリウムやカリウムなど)のバランスが乱れることがあります
- 心臓や血管への負担が大きくなることがあります
- むくみや息苦しさが出て、日常生活がつらくなることがあります
長期的な見通し
BUNはあくまで手がかりのひとつです。異常が見つかったとしても、原因がはっきりして早めに対処すれば、多くは落ち着いて管理していけます。脱水のように一時的な理由で高い値が出て、水分を整えることで戻ることもよくあります。心配な気持ちはよくわかりますが、あせらず、検査と相談を重ねながら一歩ずつ進んでいきましょう。
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最終更新: 2026年11月3日
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