頸動脈デュプレックス超音波検査
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
頸動脈(けいどうみゃく)とは、首の中を通って脳に血液を送る大切な血管です。頸動脈超音波検査(けいどうみゃくちょうおんぱけんさ)は、この血管に脂肪のかたまり(プラーク)がたまって狭くなっていないかを、音波を使って調べる検査です。痛みはなく、ベッドに横になった状態で行われます。
重要な事実
- 脳卒中(のうそっちゅう)のリスクを調べるために行われることが多いです。
- 検査時間は30分から60分程度で、外来で受けられます。
- 音波を使って血管の状態を画像にするため、放射線の被ばくはありません。
日本では脳卒中は大きな健康問題のひとつであり、その原因となる頸動脈の狭窄(きょうさく)を調べるこの検査は、よく行われています。特に、高血圧や糖尿病、脂質異常症(ししついじょうしょう)がある方には大切な検査です。
主に50歳以上の方や、高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙習慣がある方に推奨されることが多いです。また、過去に一過性脳虚血発作(いっかせいのうきょけつほっさ)(TIA)や軽い脳卒中を起こしたことがある方にも行われます。
症状
- 突然、片側の手足や顔が動かない、しびれる
- 突然、言葉が話せない、相手の言うことが理解できない
- 突然、片方の目が見えない、視野が半分欠ける
- 突然、理由もなく激しい頭痛がする
- これらの症状がある場合は、すぐに119番に電話してください。
- ⚠一時的に上記のような症状が数分から1時間以内に消えた場合(一過性脳虚血発作の可能性があります)
- ⚠同じような症状が繰り返し起こる場合
- ⚠その日のうちに医療機関を受診してください。
一般的な症状
- この検査は症状がない方にも行われることがあります。
- 症状がある場合、一時的な片方の手足のまひやしびれ
- 一時的な言葉がうまく出てこない、他人の言葉が理解できない
- 一時的な片方の目が見えにくくなる
子供の症状
- 子どもの頸動脈に問題が生じることは非常にまれです。
- もし検査が必要な場合は、生まれつきの血管の形の異常や、特定の病気が疑われるときです。
高齢者の症状
- 高齢者では、頸動脈の狭窄は脳卒中の重要なリスクです。
- めまいやふらつき、転びやすくなったという症状も、検査のきっかけになることがあります。
原因
主な原因
- 頸動脈の内側に脂肪やコレステロール、カルシウムなどがたまったプラークが大きくなることが原因です(動脈硬化)。
- プラークが破れたり、表面に血のかたまり(血栓)ができると、脳の血管に流れて脳卒中を起こすことがあります。
リスク要因
- 脂質異常症(悪玉コレステロールが高いなど)
- 運動不足
- 家族に動脈硬化や脳卒中になった人がいる
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 突然、手足のまひやしびれ、言葉の障害、片方の視力障害が出た場合はすぐに救急車を呼んでください。
- 一過性脳虚血発作の疑いがある症状が一時的に消えても、その日のうちに医療機関を受診してください。
定期受診を予約すべき場合:
- 高血圧、糖尿病、脂質異常症がある方は、定期的に頸動脈の状態を調べることを検討しましょう。
- 50歳以上の方で、上記のリスクがある場合は、健康診断などで相談してみてください。
- 医師から「頸動脈エコー(超音波)検査をしましょう」と言われたら、積極的に受けてください。
診断
頸動脈超音波検査(超音波ドプラ法)は、首にゼリーをつけて、探触子(たんしょくし)という機器をあてて行います。血管の画像と血流の速さを同時に測定し、狭窄の程度を評価します。
行われる可能性のある検査
- 頸動脈超音波検査(超音波ドプラ法)
- 必要に応じて、CTやMRI(磁気共鳴画像)による血管検査
- 血液検査(コレステロールや血糖値など)
診察で予想されること
検査は外来で行います。首の周りにゼリーを塗り、探触子を軽く押し当てられます。画像がすぐにモニターに映ります。特に前後の準備は必要ありませんが、タートルネックなど首を締め付ける服は避けてください。検査後はすぐに普段の生活に戻れます。
治療
頸動脈狭窄が見つかっても、全ての方が治療を必要とするわけではありません。狭窄の程度や症状、全身の状態によって、医師が最適な治療法を提案します。
自宅でのセルフケア
- 禁煙する(最も効果的な予防です)
- 血圧をコントロールする(減塩を心がける)
- 血糖値をコントロールする(糖尿病がある場合)
- コレステロール値を下げる(脂質の多い食事を控える)
- 適度な運動を続ける(医師の許可を得てから)
医療治療
狭窄が中等度以上の場合や、症状がある場合は、血液をさらさらにする薬や、コレステロールを下げる薬、血圧を下げる薬などを医師が処方します。それぞれの薬には目的と副作用があるので、医師の指示を必ず守ってください。
手術が検討される場合
高度な狭窄(70%以上)がある場合や、薬での治療が効かない場合、症状が繰り返す場合などに、血管を広げる手術やステント(細い網目状の筒)を入れる治療が検討されることがあります。手術を勧められた場合は、医師から詳しい説明を受けてから決めてください。
この病気と共に生きる
頸動脈狭窄があると診断されたら、日常生活の中で血管の健康を守る意識を持ちましょう。血圧やコレステロールの値が正常範囲にあるか、定期的にチェックすることが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 禁煙を徹底する
- 塩分を控えめにしたバランスの良い食事をとる
- 週に2回以上、30分程度の有酸素運動(ウォーキングなど)をする
- ストレスをためず、十分な睡眠をとる
- 医師から処方された薬は、自己判断でやめない
食事と運動
野菜や果物、魚を多くとり、脂質や塩分を控えめにした食事が役立ちます。運動は、医師に相談してから始めましょう。ウォーキングや水中運動など、無理のない範囲で続けることが大切です。
精神的健康と心の健康
脳卒中への不安を感じることは自然なことです。しかし、適切な治療と生活習慣の見直しでリスクを大きく減らせます。不安が強い場合は、医師やカウンセラーに相談してください。
予防
頸動脈狭窄の原因となる動脈硬化は、生活習慣の改善である程度予防できます。特に、禁煙、適度な運動、バランスの良い食事、血圧や血糖値のコントロールが重要です。
検診プログラム
高リスクの方(高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙者、脳卒中の既往がある方など)は、定期的な頸動脈超音波検査が勧められることがあります。健康診断で相談してみてください。
合併症
治療しない場合
- 脳卒中(のうそっちゅう)を起こすリスクが高まります。
- 一過性脳虚血発作(TIA)を繰り返す可能性があります。
- 狭窄が進むと、脳への血流が不足し、認知機能の低下を招くこともあります。
長期的な見通し
頸動脈狭窄は、早期に発見すれば、生活改善や薬、必要に応じて手術などで、脳卒中をかなりの確率で予防できます。こまめに検査を受け、医師のアドバイスに従うことで、多くの方は安心して日常生活を送ることができます。希望を持って取り組みましょう。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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