チャイルド・ピュー(Child-Pugh)スコアって何?
概要
チャイルド・ピュー(Child-Pugh)スコアは、肝臓の病気、とくに肝硬変(かんこうへん)の重症度を、医師が把握するための点数式の目安です。病気そのものの名前ではなく、肝臓の働きがどれくらい保たれているかを5つの項目から見ます。
重要な事実
- 5つの項目(血液検査の値、腹水、意識の状態など)を組み合わせて計算します。
- 点数によってA・B・Cの3つのクラスに分け、治療の組み立てや経過の見通しに役立てます。
- 自分で診断するためのものではなく、医師が総合的に判断する材料の一つです。
肝硬変の患者さんの診療でよく使われる、標準的な評価法の一つです。
主に肝硬変や慢性の肝臓病がある成人に使われます。小児では別の評価が使われることが多く、担当の専門医が判断します。
症状
- 意識がもうろうとしている、呼びかけへの反応がいつもと違う
- 吐血やコーヒー色の嘔吐、黒いタール状の便
- 息苦しさが強い、冷汗とともに具合が急に悪くなる
- けいれん、激しい腹痛で動けない
- ⚠発熱がある、とくにおなかの張りや痛みを伴う
- ⚠黄疸が急に強くなる
- ⚠おなかのむくみや足のむくみが急に増える
- ⚠水分がとれない、尿が極端に少ない
- ⚠いつもより強くだるい、日常生活が難しい
一般的な症状
- スコアそのもので新しい症状が出るわけではありません。
- 肝臓の病気による疲れやすさ、だるさ。
- 皮膚や白目が黄色くなる黄疸(おうだん)。
- おなかのむくみ(腹水)や足のむくみ。
- 出血しやすい、あざができやすい。
- 意識がぼんやりする、忘れっぽくなるなど。
原因
主な原因
- スコアは肝硬変など肝臓の病気の重症度を表す目安です。点数が高くなる背景には、肝臓の線維化(こうか)が進む病気があります。
- ウイルス性肝炎(B型・C型など)
- 長期間の飲酒による肝障害
- 脂肪肝から進む肝障害
- 自己免疫や遺伝性の肝臓病
- 原因がはっきりしない肝硬変
リスク要因
- 肝硬変と診断されている
- 長期間の大量飲酒
- 肝炎ウイルスへの感染
- 肥満・糖尿病・脂質異常症
- 肝臓に負担をかけるサプリや健康食品の不適切な使用
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 意識の変化、吐血・黒い便、強い息苦しさ、激しい腹痛があるときは、すぐに119番を呼ぶか救急外来へ。
定期受診を予約すべき場合:
- 肝機能の異常を指摘された
- 肝硬変の経過観察中
- むくみや黄疸、疲れやすさが続く
- 薬やサプリの肝臓への影響が心配
診断
医師が診察と血液検査の結果を組み合わせ、5つの項目を確認して計算します。腹水や意識の状態も含めて総合的に判断します。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(ビリルビン、アルブミン、血液を固める力の指標など)
- 腹部の超音波検査やCT検査
- 腹水の有無をみる診察や画像検査
- 意識の状態をみる問診・簡単な検査
- 必要に応じて内視鏡検査
診察で予想されること
特別な痛みを伴う検査ばかりではありません。点数は治療や食事の相談、経過観察の頻度を決めるために使われます。点数は一度で決まりきらず、体調で変わることがあります。
治療
治療の中心は、肝臓の病気の原因に応じたケアと、腹水や意識の変化などの合併症を早めにみつけて整えることです。スコアは治療の強さを考える材料になります。
自宅でのセルフケア
- 決められた通院を続ける
- 飲酒を避ける(医師の指示に従う)
- 体重やおなかの張り、足のむくみを毎日記録する
- 市販薬・サプリ・健康食品は勝手に増やさず、医師や薬剤師に相談する
- バランスのよい食事と十分な休養を心がける
- 発熱や意識の変化など、いつもと違う症状を早めに連絡する
医療治療
担当医は、肝臓の病気の原因に応じた治療、栄養の支援、腹水やむくみ・意識の変化などの合併症への対応を組み合わせます。具体的な治療方針は、点数だけでなく全身状態や生活背景をみて決めます。
手術が検討される場合
肝臓の状態が進んでいる場合には、肝移植(かんいしょく)の評価を専門施設で受けることがあります。すべての人に必要というわけではなく、担当医と専門チームが総合的に判断します。
この病気と共に生きる
毎日の体重・むくみ・おなかの張りを記録し、体調の変化を早めに気づけるようにしましょう。通院日を守り、処方以外の薬やサプリを自己判断で始めないことが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 飲酒を避ける
- 十分な睡眠と休養
- 感染予防のための手洗い・口腔ケア
- 医師の指示に沿ったワクチン接種
- ストレスをためず、家族や支援者に相談する
食事と運動
食事は塩分やたんぱく質の量について、医師や管理栄養士の指示に従いましょう。急な食事制限は避け、体力に合わせた散歩などの軽い運動を無理なく続けるのがよいです。
精神的健康と心の健康
肝臓の病気は通院や生活の制限が多く、不安や落ち込みを感じることがあります。気持ちのつらさは我慢せず、担当医や相談窓口に話してください。
予防
スコアを下げることを直接目的にした予防法はありませんが、肝臓の病気を悪化させないことが大切です。原因に応じた治療と生活の見直しで、進行をゆるやかにできる場合があります。
ワクチン
B型肝炎など、医師が勧めるワクチンについて相談してください。ワクチンの種類や接種歴は地域や年齢で異なります。
検診プログラム
肝機能の血液検査や腹部超音波検査など、医師が勧める定期的な検査を受けましょう。厚生労働省や自治体の肝炎ウイルス検査の案内も参考になります。
合併症
治療しない場合
- 腹水(おなかに水がたまる)
- 肝性脳症(意識や手のふるえなどの変化)
- 食道や胃の静脈瘤(りゅう)からの出血
- 腎臓の働きの悪化
長期的な見通し
スコアは今の状態を知り、これからのケアを考えるための目安です。合併症を早めに見つけて対応し、生活を整えることで、穏やかに過ごせる方も多くいます。不安なときは一人で抱えず、担当医に相談してください。
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最終更新: 2026年11月3日
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