絨毛採取検査の準備
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
絨毛検査(chorionic villus sampling, CVS)は、妊娠初期にお腹の中の赤ちゃんの遺伝子や染色体を調べるための検査です。お腹の壁から細い針を刺して、胎盤の一部(絨毛)を少しだけ採取して調べます。この検査でダウン症などの染色体異常や一部の遺伝性の病気がわかることがあります。
重要な事実
- 妊娠11週から14週の間に行われることが多いです。
- 検査の結果が出るまでに約1~2週間かかることがあります。
- 流産のリスクがごくわずか(約0.1~0.3%)あります。
この検査は、すべての妊婦さんに行われるわけではありません。赤ちゃんに遺伝子や染色体の異常が疑われる場合や、高齢での妊娠など、リスクが高いと考えられる方にすすめられることが多いです。
主に、妊娠中の方で次のような理由で検査を検討される方に影響します:高齢妊娠(35歳以上)、家族に遺伝性の病気がある、超音波検査で異常が見つかった、など。
症状
- 検査後、お腹の強い痛みや大量の出血がある場合
- 38度以上の発熱や悪寒(寒気)がある場合
- 破水したような液体が漏れる感じがある場合
- ⚠軽いお腹の張りや少量の出血が続く場合(検査当日~数日以内)
- ⚠検査部位の痛みが強くなる場合
一般的な症状
- 絨毛検査自体は症状を調べる検査ではなく、診断のための手技です。検査前に特別な症状はありません。
子供の症状
- この検査は胎児(お腹の中の赤ちゃん)に対して行われるため、子ども自身に症状があるわけではありません。
高齢者の症状
- この検査は妊娠中の方のみ対象で、高齢者には関係ありません。
原因
主な原因
- 絨毛検査は、赤ちゃんの染色体や遺伝子の病気を調べるために行われます。主な理由としては、母親の年齢が高い(35歳以上)、家族に遺伝性の病気がある、超音波検査で異常が疑われる、などがあります。
リスク要因
- 母親の年齢(35歳以上)
- 染色体異常のある子どもを妊娠したことがある
- 両親のどちらかに染色体の構造異常がある
- 家族に遺伝性の病気がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 検査後に上記の緊急症状(強い腹痛、大量出血、発熱など)が現れたら、すぐに担当の産科医に連絡するか、救急(119番)を呼んでください。
- 検査結果の説明がある予約日を必ず守ってください。
定期受診を予約すべき場合:
- 検査前には必ず遺伝カウンセリングを受け、検査の意味やリスクについてしっかり話し合いましょう。
- 検査後は指定された日時に結果を聞きに行き、医師の説明を受けましょう。
診断
絨毛検査自体が診断のための手技です。医師が超音波で赤ちゃんの位置を確認しながら、お腹の壁から細い針を刺して胎盤の一部(絨毛)を採取します。この組織を遺伝子・染色体の専門施設で分析します。
行われる可能性のある検査
- 絨毛検査(CVS)
- 場合によっては、後日羊水検査(羊水穿刺)がすすめられることもあります。
診察で予想されること
検査の前に、医師や遺伝カウンセラーから検査の目的、方法、リスク、結果の解釈について詳しい説明があります。同意書にサインをします。検査時は、リラックスして横になり、医師の指示に従ってください。検査後は30分~1時間程度安静にしてから帰宅できます。当日は激しい運動や長距離の移動は控えましょう。
治療
絨毛検査は診断のための手技であり、治療ではありません。検査の結果、何らかの異常が見つかった場合には、その後の対応について医師とよく話し合うことになります。妊娠を継続するか、特別な医療ケアが必要かなど、選択肢をサポートするためのカウンセリングも受けることができます。
自宅でのセルフケア
- 検査前日はしっかり休息をとり、アルコールは控えましょう。
- 検査当日は、膀胱を適度にためた状態(排尿を我慢しすぎない)で受けることが多いです。医師の指示に従ってください。
- 検査後は無理をせず、当日は安静に過ごしましょう。入浴やシャワーは医師の許可が出てからにしてください。
医療治療
異常が疑われる場合、遺伝カウンセリングや専門医との相談を通じて、妊娠の継続や出産後の医療ケアの準備など、個別の対応が検討されます。特定の薬や手術が一律にすすめられるわけではありません。
手術が検討される場合
絨毛検査に対して外科手術はありません。検査後の合併症(感染など)がまれに起こることがありますが、その場合は医師の判断で適切な処置が行われます。
この病気と共に生きる
絨毛検査は妊娠初期の一過性の検査です。検査後、特別な指示がない限り普段通りの生活に戻れます。ただし、検査結果が出るまでの間は不安になることもあるので、家族や医療者に相談しながら過ごしましょう。
生活習慣のアドバイス
- 検査結果を待つ間はストレスをためすぎないように、軽い散歩や好きなことをして気を紛らわせましょう。
- パートナーや家族と気持ちを共有し、一人で抱え込まないようにしましょう。
食事と運動
検査後に食事制限はありません。バランスの良い食事をとり、妊娠中に適した軽い運動(ウォーキングなど)を続けて結構です。
精神的健康と心の健康
遺伝子検査の結果を待つ間や結果を知った後は、強い不安や悲しみ、罪悪感を感じることがあります。これは自然な感情です。自分の気持ちを認め、必要であれば心理カウンセリングや遺伝カウンセリングを受けることも検討してみてください。
予防
絨毛検査は予防ではなく、診断を目的としています。遺伝性の病気や染色体異常そのものを予防することはできませんが、検査により事前に情報を得ることで、妊娠や出産の準備を整えることができます。
検診プログラム
絨毛検査の前に、超音波検査や血液検査(母体血清マーカー検査)などのスクリーニング検査が行われることがあります。これらは絨毛検査が必要かどうかを判断するために役立ちます。
合併症
治療しない場合
- 絨毛検査による合併症はまれですが、以下のようなリスクがあります:
- 流産(約0.1~0.3%)
- 出血や羊水漏れ
- 胎児への影響(ごくまれ)
長期的な見通し
絨毛検査は非常に精度の高い検査で、多くの場合、結果は正常で赤ちゃんの健康が確認されます。もし異常が見つかっても、早期に情報を得ることで、最適な医療ケアやサポートを受ける準備ができます。希望を持って前に進むために、医師やカウンセラーとしっかり話し合ってください。
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最終更新: 2026年7月31日
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