臍帯血バンク検査の概要
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
臍帯血バンク検査とは、赤ちゃんが生まれた後にへその緒(臍帯)から取った血液(臍帯血)を、将来医療で使えるように保存する前に、その血液が安全で質が良いかを調べる一連の検査のことです。この検査では、感染症がないか、細胞の数が十分か、血液型は何かなどを確認します。
重要な事実
- 臍帯血には、いろいろな血液や免疫の細胞に成長できる「造血幹細胞」が含まれています。
- 検査で問題がなければ、臍帯血は-196℃の液体窒素で長期保存されます。
- 保存された臍帯血は、白血病や再生不良性貧血など、特定の病気の治療に使われることがあります。
- 検査には、母体の血液検査と臍帯血の直接検査が含まれます。
日本では、臍帯血バンクに個人で保管する「民間バンク」と、本人や他の人の治療のために提供する「公的バンク」があります。民間バンクの利用は年々増えていますが、すべてのご家族が利用しているわけではありません。
主に、これから赤ちゃんを出産する予定のご家族が対象です。病気の治療に備えたい方や、家族に移植が必要な病気の方がいる場合に検討されることが多いです。
症状
原因
主な原因
- 家族に血液の病気や免疫の病気の方がいる場合、将来の治療のために臍帯血を保存することを検討します。
- きょうだいの治療のために、ドナーとなる赤ちゃんの臍帯血を保存する場合があります。
- 一般的な健康保険として、臍帯血を将来の可能性に備えて保存する方もいます。
リスク要因
- 採血のタイミングや方法によっては、臍帯血の量が少なかったり、細胞がうまく取れないことがあります。
- 母体に感染症がある場合(例:B型肝炎、HIVなど)、臍帯血の保存ができないことがあります。
- 妊娠中の合併症(例:早産、多胎妊娠など)により、臍帯血の採取が難しいことがあります。
受診の目安
定期受診を予約すべき場合:
- 妊娠中に、かかりつけの産婦人科医に臍帯血バンクについて相談しましょう。
- 出産予定の病院で、臍帯血の採取が可能かどうか確認しましょう。
診断
臍帯血を採取した後、専用の検査機関で詳しい分析が行われます。
行われる可能性のある検査
- 細胞数検査:臍帯血に含まれる有核細胞数やCD34陽性細胞数を調べます。
- 感染症検査:B型肝炎、C型肝炎、HIV、HTLV-1など、感染の有無を調べます。
- 血液型検査:ABO血液型とRh型を調べます。
- 無菌検査:細菌やカビがいないかを確認します。
- 生着能検査:幹細胞が正常に働くかどうかを調べる(一部のバンクで実施)。
診察で予想されること
臍帯血の採取は、赤ちゃんのへその緒を切った後、数分で行われます。痛みはなく、赤ちゃんにもお母さんにも影響はありません。検査結果が出るまでに数週間かかる場合があります。
治療
臍帯血バンク自体は治療ではなく、将来の治療に備えた保存手段です。保存された臍帯血が必要になった場合、医師の判断で移植治療などに使われます。
自宅でのセルフケア
- 妊娠中は健康的な生活を心がけ、感染症予防に努めましょう。
- 臍帯血バンクの種類(民間か公的か)をよく理解し、費用や保存期間を確認しましょう。
- 保存後は、バンクからの連絡に備えて、連絡先を変更しないようにしましょう。
医療治療
保存された臍帯血は、造血幹細胞移植という治療で使われることがあります。これは、白血病やリンパ腫などの血液のがんや、再生不良性貧血、免疫不全症などの治療法の一つです。移植は、がん治療などでダメージを受けた骨髄を修復する目的で行われます。具体的な治療内容は、担当の医師が患者さんの状態に合わせて決めます。
この病気と共に生きる
臍帯血を保存した後は、日常生活で特別な注意は必要ありません。保存した臍帯血は、医療上の必要が生じるまでは保管されたままになります。
生活習慣のアドバイス
- 保存していることを忘れず、家族で情報を共有しておきましょう。
- バンクの利用条件(保存期間、更新手続きなど)を定期的に確認しましょう。
食事と運動
特別な食事や運動の制限はありません。通常の健康的な生活を続けてください。
精神的健康と心の健康
臍帯血を保存すること自体が心理的な安心感をもたらす一方で、万が一将来使う場面を考えると不安を感じる方もいるかもしれません。ご家族や医師と気軽に話し合うことが大切です。
予防
臍帯血バンク検査は予防策ではありません。将来の病気の治療に備えるための準備です。ただし、赤ちゃんの臍帯血を公的バンクに提供することで、他の患者さんの治療に役立てることができます。
ワクチン
通常の妊娠中に推奨されるワクチン(インフルエンザ、百日咳など)は、お母さんの健康を守り、臍帯血の質にも良い影響を与える可能性があります。ワクチンについては医師と相談してください。
合併症
治療しない場合
- 臍帯血バンク検査は治療ではなく保存のためのものなので、検査をしないことによる直接的で深刻な合併症はありません。ただし、検査をしないまま保存しても、将来使いたいときに細胞数が足りなかったり、感染症があったりして使えない可能性があります。
長期的な見通し
臍帯血バンク検査は、将来の医療の選択肢を広げるものです。保存された臍帯血が実際に使われる可能性は高くありませんが、いざというときに役立つかもしれません。技術の進歩により、保存方法や検査の精度は向上しています。希望を持ってご家族で検討されることをおすすめします。
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- 日本臍帯血バンクネットワーク · 日本全国
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最終更新: 2026年7月31日
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