眼科検診(目の検査)
概要
目の検査は、ものがどのくらい見えているか(視力)と、目の組織が健康かどうかを調べる検査です。学校や職場の健診で受ける簡単な視力検査から、眼科で受ける詳しい検査まで、いくつかの種類があります。目の病気は、初期のうちは自覚しにくいことが多いため、症状がなくても定期的に検査を受けることが、見え方を守る第一歩になります。
重要な事実
- 目の検査には、視力検査のほか、眼圧検査(目の硬さを測る)、眼底検査(目の奥の網膜を写真で見る)、視野検査(見える範囲を調べる)などがあります。
- 緑内障や糖尿病網膜症などは、かなり進むまで自覚症状が出にくいことがあり、検査で初めて見つかることがあります。
- ほとんどの検査は痛みがなく、短時間で終わります。瞳孔を広げる目薬を使った場合は、数時間まぶしさや手元の見えにくさが残ることがあります。
はい、とても一般的な検査です。3歳児健診や学校健診、職場健診、自治体の健康診断など、人生のさまざまな場面で受けます。大人になってからは、自覚症状がなくても定期的に眼科で検査を受けることが勧められています。
赤ちゃんから高齢者まで、すべての年代が対象です。子どものころは弱視や斜視(視線のずれ)の早期発見が大切で、働く世代では目の疲れやドライアイ、高齢になると白内障・緑内障・加齢黄斑変性などが増えてきます。年代によって気をつけたいポイントが変わります。
症状
- 急に見えなくなった、視野の広い範囲が急に欠けた(脳卒中などの可能性もあるため、ためらわず119番へ)
- 目に強い痛みと激しい頭痛、吐き気が同時に起こった
- 薬品が目に入った(すぐに流水で洗い流しながら119番へ連絡してください)
- 目を強く打った、ものが刺さった、出血が止まらない
- ⚠急に視力が下がった、カーテンが下りたように見えなくなった
- ⚠急に増える飛蚊症や、光が走るように見える症状
- ⚠目がひどく痛い、充血が強い、涙が止まらない
- ⚠コンタクトレンズをつけたまま目が痛い、白く濁って見える
- ⚠目に異物が入って取れない、違和感が続く
一般的な症状
- 見えにくい、かすむ、ピントが合いにくい
- 目が疲れる、しょぼしょぼする、重い感じがする
- 目がかゆい、痛い、充血する、ゴロゴロする
- 光がまぶしい、夜や暗い場所で見えにくい
- 物が二重に見える
- 視野の一部が欠けた感じがする、視界が狭くなった気がする
- 目の前に糸くずのようなものが浮かぶ(飛蚊症)
- メガネやコンタクトレンズの度数が合わなくなった気がする
子供の症状
- 黒板の字が見えにくい、席を前の方にしてもらいたがる
- 目を細める、顔を近づけて見る、テレビに近づく
- 視線がずれる、片目を隠すと嫌がる(斜視のサインのことがあります)
- まぶしがる、よく目をこする、頭痛や肩こりを訴える
- 乳幼児健診や3歳児健診で見え方の確認をすすめられた
高齢者の症状
- 夕方や夜に見えにくくなる、まぶしさが強い
- 細かい字や新聞が読みにくくなった
- 線が曲がって見える、物の形がゆがむ
- 視野の一部が欠ける、ぶつかることが増えた
- 急に目の前に虫が飛ぶように見える、光が走るように見える
原因
主な原因
- 屈折異常(近視・遠視・乱視)や老視(老眼)でピントが合いにくい
- 白内障(レンズの役割をする水晶体が濁る)
- 緑内障(視神経が傷つき、視野が少しずつ狭くなる)
- 加齢黄斑変性(ものを見る中心の部分が傷つく)
- 糖尿病網膜症(血糖の高い状態が続き、網膜の血管が傷む)
- ドライアイや結膜炎など、目の表面の炎症
- 斜視・弱視など、子どもの視機能の発達に関わる状態
- 長時間の画面作業などによる眼精疲労
リスク要因
- 40歳以上であること(緑内障などが増え始めます)
- 糖尿病・高血圧・脂質異常症などの持病がある
- 家族に緑内障や網膜の病気の人がいる
- 長時間パソコンやスマートフォンを使う
- 紫外線に長くさらされる、喫煙習慣がある
- ステロイド薬の長期使用歴がある
- 目にけがをしたことがある、コンタクトレンズを長時間装用している
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 急に見えにくくなった、視野が急に欠けた
- 目に強い痛みがある、頭痛や吐き気を伴う
- 急に飛蚊症が増えた、光が走って見える
- 目を打った、薬品や異物が入った
定期受診を予約すべき場合:
- 見えにくさや目の疲れが続いている
- メガネやコンタクトレンズの度数が合わない気がする
- 健康診断で目の異常を指摘された
- 40歳を過ぎたので、症状がなくても一度検査を受けたい
- 糖尿病や高血圧と診断されている(定期的な眼底検査が勧められます)
- 子どもが見えにくそうにしている、目を細める、視線が合いにくい
診断
まず問診で、見え方の変化や生活の様子、持病、使っている薬などを確認します。そのうえで、視力検査をはじめとするいくつかの検査を組み合わせて、目の状態を総合的に把握します。検査の内容は、症状や年齢、目的に応じて選ばれます。
行われる可能性のある検査
- 視力検査:専用の表を使って、どのくらいの大きさまで見分けられるかを調べます。
- 屈折検査:近視・遠視・乱視の度数を機械で測ります。
- 眼圧検査:目の中の圧力(目の硬さ)を測ります。緑内障の手がかりになります。
- 細隙灯顕微鏡検査:光を当てて、まぶた・白目・黒目・水晶体などを拡大して観察します。
- 眼底検査:目薬で瞳孔を広げ、目の奥の網膜や視神経を写真やレンズで観察します。
- 視野検査:見える範囲(視野)の広さや欠けを調べます。
- OCT(光干渉断層計):網膜の断面を画像にして、ごく細かい変化を調べます。
- そのほか:色覚検査、涙の量を調べる検査、目の超音波検査などが必要に応じて行われます。
診察で予想されること
検査は30分から1時間ほどで終わることが多いですが、瞳孔を広げる検査がある日は半日ほどみておくと安心です。検査の後は数時間まぶしく感じたり、手元が見えにくくなったりするため、自分で車や自転車を運転して帰るのは控え、必要なら家族に送迎を頼みましょう。コンタクトレンズは検査の前に外すよう案内されることがあります。費用は健康保険が使える診察と、健診として自費になる場合があります。事前に受付で確認しておくと安心です。
治療
治療は検査の結果によって変わります。見え方の矯正だけでよい場合もあれば、目薬やレーザー、手術が必要な場合もあります。大切なのは、検査で状態を知り、自分に合った付き合い方を一緒に考えていくことです。
自宅でのセルフケア
- 画面を見るときは30分に一度は目を休め、遠くを20秒ほど眺める
- 画面と目の距離を40センチ以上とり、部屋の照明を明るくする
- 意識してまばたきをし、部屋を加湿してドライアイを防ぐ
- 紫外線の強い季節や場所では帽子やサングラスを使う
- 禁煙する。血糖値や血圧をよい状態に保つ
- コンタクトレンズは使用時間とケアのルールを守る
- 睡眠を十分にとり、目の疲れをためない
医療治療
状態に応じて、メガネやコンタクトレンズでの見え方の矯正、点眼薬による治療、レーザー治療、手術などが選ばれます。点眼薬には、目の表面を潤すもの、眼圧を下げるもの、炎症を抑えるものなどいくつかの種類があり、医師が状態に合わせて選びます。どの治療も、自己判断で中断せず、指示どおりに続けることが大切です。具体的な薬や使い方については、必ず眼科医や薬剤師の説明を受けてください。
手術が検討される場合
白内障で見えにくさが生活に支障をきたす場合、緑内障で点眼薬だけでは眼圧が下がらない場合、網膜がはがれた場合、斜視の矯正が必要な場合などに、手術が検討されます。手術が必要かどうかは、検査結果と生活への影響をふまえて医師と相談して決めていきます。
この病気と共に生きる
見え方に変化があっても、明るい照明を使う、文字を大きくする、音声機能を活用する、物の置き場所を決めておくなどの工夫で、日常生活は十分に続けられます。定期的な検査を続けることが、今の見え方を保つ助けになります。
生活習慣のアドバイス
- 無理のない範囲でウォーキングなどの運動を習慣にする
- 長時間の画面作業のあいだにこまめな休憩を入れる
- 睡眠を十分にとり、目の疲れを持ち越さない
- つまずきにくいように、家の中の照明や物の配置を整える
- 健診や通院の予定をカレンダーに記録して忘れないようにする
食事と運動
特別な食べ物だけで目がよくなるわけではありませんが、バランスのよい食事は血管と目の健康を支えます。緑黄色野菜や魚、大豆製品などを取り入れ、塩分や糖分のとりすぎに気をつけましょう。糖尿病のある方は、食事と運動で血糖値をよい状態に保つことが、目の合併症を防ぐうえで特に大切です。運動は無理のない範囲で、かかりつけ医に相談しながら続けましょう。
精神的健康と心の健康
見えにくさが続くと、不安や落ち込み、人と会うことへのためらいが生じることがあります。それは特別なことではなく、誰にでも起こりうる気持ちです。一人で抱え込まず、家族や友人、かかりつけ医に話してみてください。つらさが続くときは、自治体のこころの健康相談や医療機関の相談窓口も利用できます。
予防
すべての目の病気を防ぐことはできませんが、リスクを下げることはできます。定期的に検査を受けて早期に見つけること、血糖値や血圧を整えること、紫外線や喫煙を避けること、目を休める習慣をつけることが助けになります。
ワクチン
目の検査そのものにワクチンは関係しませんが、風疹など妊娠中にかかると赤ちゃんの目に影響することがある感染症については、妊娠前の予防接種が勧められることがあります。詳しくはかかりつけ医にご相談ください。
検診プログラム
日本では、3歳児健診での視力確認、学校での定期健康診断、職場健診、自治体の健康診断などで目の検査の機会があります。40歳以上の方では、症状がなくても眼科での定期検査が勧められています。糖尿病のある方は、眼底検査を定期的に受けることが大切です。健診の内容や受け方は、お住まいの自治体や勤務先の案内をご確認ください。
合併症
治療しない場合
- 緑内障が進み、視野が少しずつ欠けて元に戻らなくなる
- 糖尿病網膜症が進み、視力が大きく下がることがある
- 白内障が進み、日常生活で見えにくさが強くなる
- 加齢黄斑変性が進み、中心の見え方が損なわれる
- 網膜剥離など、急を要する状態の発見が遅れる
- 子どもの弱視や斜視の治療の機会を逃し、視機能の発達に影響する
長期的な見通し
多くの目の病気は、早い段階で見つけて適切に対応すれば、進行をゆるやかにしたり、見え方を保ったりできます。検査を受けることは、不安を大きくするためではなく、今の状態を知って安心につなげるためのものです。見えにくさがあっても、補助具や生活の工夫でできることはたくさんあります。気になることがあれば、早めにかかりつけの眼科医に相談してください。
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最終更新: 2026年11月3日
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