非侵襲的出生前検査(NIPT)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
非侵襲的出生前遺伝学的検査(NIPT)は、妊婦さんの血液を採って、赤ちゃんの染色体の数や構造に異常がないかを調べる検査です。この検査は、赤ちゃんに害を加えずに行えるため「非侵襲的」と呼ばれています。※「非侵襲的」とは、体に針を刺したり切ったりしない方法のことです。
重要な事実
- 妊婦さんの血液中にごく少量含まれる赤ちゃんのDNAを分析します。
- 妊娠10週以降から受けることができます(日本では多くの施設で10~14週が推奨されています)。
- 99%以上の確率でダウン症(21トリソミー)などの染色体異常を検出できますが、確定診断ではありません。
- 陽性(異常あり)という結果が出ても、実際に赤ちゃんに異常があるとは限りません。確定診断には羊水検査などさらに詳しい検査が必要です。
日本では、2013年に保険診療として認められて以来、多くの産婦人科で実施されています。特に35歳以上の高齢妊娠や、染色体異常のリスクが気になる方に広く利用されています。海外でも50か国以上で行われています。
この検査は妊婦さんに対して行われます。特に35歳以上の方、超音波検査で異常が疑われた方、以前に染色体異常のある赤ちゃんを妊娠したことがある方などが対象となることが多いです。しかし、希望すれば年齢にかかわらず誰でも受けることができます。
症状
- NIPTは緊急を要する検査ではありません。しかし、検査後に激しい腹痛や大量の出血がある場合は、すぐに救急車(119番)を呼んでください。
- 胎動がまったく感じられなくなった場合も緊急です。
- ⚠検査結果が陽性(高リスク)と出た場合、すぐに担当医や遺伝カウンセラーに相談してください。
- ⚠検査後、発熱や採血部位の腫れ・痛みが続く場合は、翌日までに産科を受診しましょう。
一般的な症状
- NIPTは症状を調べる検査ではありません。染色体異常がある場合、赤ちゃんに特有の症状が現れることはほとんどありません。
- 例えば、ダウン症の赤ちゃんは生まれた後に顔つきや発達の特徴が見られることがあります。
原因
主な原因
- NIPTは染色体異常を調べるための検査であり、特定の原因によって異常が起こるわけではありません。染色体異常は、卵子や精子ができるときの偶然の誤りによって起こります。
- 年齢が上がるほど、染色体異常のリスクは高まります。
リスク要因
- 母親の年齢が35歳以上
- 以前に染色体異常のある赤ちゃんを妊娠したことがある
- 両親のどちらかに染色体の構造異常(均衡型転座など)がある
- 超音波検査で胎児に異常が疑われる
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 検査結果が高リスク(陽性)と出た場合は、早めに医師または遺伝カウンセラーに相談してください。
- 検査後に異常な出血や腹痛がある場合も、すぐに医師に連絡しましょう。
定期受診を予約すべき場合:
- NIPTを受けるかどうか迷っている場合は、かかりつけの産科医に相談してください。
- 検査結果が低リスク(陰性)でも、妊娠中の定期健診は必ず受けてください。
診断
NIPTは、妊婦さんの腕の静脈から約10mlの血液を採取し、その血液中に含まれる赤ちゃんのDNAを解析します。解析結果は、染色体異常のリスクが高いか低いかを確率で示します。確定診断ではありません。
行われる可能性のある検査
- NIPT(非侵襲的出生前遺伝学的検査)
- 確定診断が必要な場合:羊水検査(穿刺して羊水を採取)または絨毛検査(胎盤の組織を採取)
診察で予想されること
検査は通常の採血と同じで痛みはほとんどありません。結果が出るまでに1~2週間かかります。結果はリスクの高低をパーセントで示します。陽性(高リスク)の場合は、遺伝カウンセリングを受け、必要に応じて確定検査(羊水検査など)を勧められることがあります。NIPTだけでは赤ちゃんに染色体異常があるとは断定できません。
治療
NIPTは検査であり治療ではありません。陽性の結果が出た場合、治療ではなく、確定診断のための追加検査(羊水検査)を受けるかどうか、そして妊娠を継続するかどうかについて、医師や遺伝カウンセラーと十分に話し合うことになります。
自宅でのセルフケア
- 結果を待つ間はストレスをためないように、リラックスできる時間をつくりましょう。
- パートナーや家族と気持ちを共有することが大切です。
- 不安なときは、産科医や遺伝カウンセラーに遠慮なく質問してください。
医療治療
NIPTの結果が高リスクの場合、確定診断のために羊水検査または絨毛検査を行います。これらの検査によって染色体異常が確定した場合、医師は妊娠の継続や中断に関する情報を提供します。中断を選択する場合は、法律に従い、日本の厚生労働省の指針に基づいて行われます。また、出生後に必要な医療ケア(例:心臓病の治療、発達支援など)についても相談できます。
手術が検討される場合
染色体異常が確定した赤ちゃんの出生後、症状によっては手術が必要になる場合があります(例:ダウン症に伴う心臓疾患の手術)。しかし、NIPT自体とは直接関係はありません。
この病気と共に生きる
NIPTの結果がどうであれ、日常生活は普段通り過ごして大丈夫です。陽性の結果が出ても、多くの赤ちゃんは健康に生まれます。結果を受け止めて、必要な情報を集め、自分と家族にとって最善の決断をすることが大切です。
生活習慣のアドバイス
- バランスの良い食事と適度な運動(医師に相談の上)を心がけましょう。
- 禁煙・禁酒は妊娠中ずっと続けましょう。
- 十分な睡眠をとり、ストレスをためないようにしましょう。
食事と運動
特別な食事療法は必要ありません。葉酸を含む食品(ほうれん草、ブロッコリーなど)を積極的に摂ると、赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスクを減らすことができます(これは染色体異常とは別の話です)。運動はウォーキングなど軽いものを医師に相談して行ってください。
精神的健康と心の健康
NIPTの結果を待つ間や陽性の結果が出た後は、強い不安や悲しみを感じることがあります。これは自然な反応です。一人で悩まず、パートナーや家族、専門家(遺伝カウンセラー、心理士)に相談してください。日本では、産科医療機関に遺伝カウンセリングが設置されていることが多いです。
予防
染色体異常は偶然によって起こるため、予防することはできません。しかし、NIPTを受けることで、高リスクの妊娠を早期に発見し、適切な準備やケアを受けることができます。
ワクチン
このトピックには該当しません。
検診プログラム
NIPT自体が染色体異常のスクリーニング検査です。35歳以上の妊婦には、NIPTまたは他の出生前検査(超音波、母体血清マーカー検査など)が推奨されることが多いです。
合併症
治療しない場合
- NIPTは確定診断ではないため、陽性結果を放置すると、赤ちゃんに実際に染色体異常があっても気づかず、出生後のケアが遅れる可能性があります。
- 逆に、陰性結果に安心しすぎて、妊娠中の他の健診を怠ることもリスクです。
長期的な見通し
NIPTの結果はあくまでスクリーニングであり、多くの場合、異常は見つかりません。もし陽性が出ても、最新の医療と支援によって、多くの染色体異常を持つ赤ちゃんは元気に成長できます。ダウン症などの子どもは、適切なケアと愛情によって豊かな人生を送ることができます。決して絶望する必要はありません。
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重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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