迅速溶連菌検査
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
迅速連鎖球菌検査(Rapid Strep Test)は、のどの痛みの原因が細菌(特にA群β溶血性連鎖球菌)かどうかを短時間(約5〜10分)で調べる検査です。綿棒でのどを軽くこすって検体を取ります。陽性なら細菌感染の可能性が高く、陰性ならウイルスなど他の原因が考えられますが、確定には培養検査が必要なこともあります。
重要な事実
- 検査結果は約5〜10分で出ます。
- のどの痛み全体のうち、連鎖球菌が原因の割合は小児で約20〜30%、成人で約5〜15%です。
- 陽性の場合は抗菌薬による治療が検討されますが、陰性でも症状が続く場合は医師に相談しましょう。
連鎖球菌感染症は子どもに多く見られますが、大人にも起こります。迅速検査は医療機関でよく行われる一般的な検査です。
主に3歳から15歳くらいの子どもに多くみられますが、大人も感染することがあります。特に集団生活をしている人(学校、保育園、家庭内)で広がりやすいです。
症状
- 呼吸が苦しい、ゼーゼーする
- 唇や顔色が青白い(チアノーゼ)
- 意識がもうろうとしている、呼びかけに反応しない
- 急に高熱(40℃以上)が出てぐったりしている
- ⚠のどの痛みが強く、水分が飲めない
- ⚠発熱が3日以上続く
- ⚠首の片側だけが大きく腫れている
- ⚠発疹が全身に広がっている
一般的な症状
- 急に始まる強いのどの痛み
- 飲み込むときの痛み(嚥下痛)
- 発熱(38℃以上)
- のどや扁桃腺の赤み・腫れ・白い膿のようなもの
- 首のリンパ節の腫れと痛み
子供の症状
- のどの痛みに加えて、頭痛、腹痛、吐き気や嘔吐を訴えることがあります。
- 発疹(猩紅熱様の発疹)が出ることもあります。
- 鼻水や咳はあまり目立たないのが特徴です。
高齢者の症状
- 高齢者では典型的な症状が現れにくく、だるさや微熱だけの場合もあります。
- のどの痛みが軽くても、倦怠感や食欲不振が続くことがあります。
原因
主な原因
- A群β溶血性連鎖球菌( Streptococcus pyogenes )という細菌が原因です。
- 感染した人のせきやくしゃみの飛沫を吸い込むことでうつります。
- 汚染された手指や物を介して口や鼻から感染することもあります。
リスク要因
- 子ども(特に5〜15歳)
- 学校や保育園など集団生活をしている
- 家族や身近な人が連鎖球菌感染症にかかっている
- 免疫力が低下している状態(疲労、ストレス、病気など)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 急に強いのどの痛みと高熱が出た
- のどの痛みで食事や水分が取れない
- 首のリンパ節がはっきり腫れて痛い
- 呼吸や飲み込みに違和感がある
定期受診を予約すべき場合:
- のどの痛みが2〜3日続く、または悪化する
- 微熱やだるさが続く
- 家族に同じ症状の人がいる
- 検査を希望する場合(医師の判断で適応になります)
診断
医師がのどの状態を診察し、必要と判断した場合に迅速連鎖球菌検査を行います。検査は医療機関でのみ実施されます。
行われる可能性のある検査
- 迅速連鎖球菌検査:綿棒でのどを軽くこすり、専用のキットで調べます。約5〜10分で結果が出ます。
- のどの培養検査:綿棒検体を培養して細菌の有無を調べます。結果が出るまで1〜2日かかりますが、より正確です。迅速検査が陰性でも、症状が強ければ培養検査が行われることがあります。
診察で予想されること
診察室で、医師または看護師が舌を押さえながら、綿棒で扁桃腺やのどの奥を軽くこすります。一瞬むせたり吐き気を感じることがありますが、すぐ終わります。痛みはほとんどありません。結果はその場でお伝えします。
治療
迅速連鎖球菌検査で陽性(細菌感染)の場合、医師は一般的に抗菌薬による治療を検討します。陰性であれば、ウイルス感染など他の原因に対する対症療法(のどの痛みを和らげる、水分を取るなど)が中心になります。
自宅でのセルフケア
- 十分な休息と睡眠をとる
- 水分をこまめに取る(冷たいものや温かいものを飲む)
- のどを刺激しないように、柔らかい食事やスープなどを食べる
- 加湿器やうがいでのどの乾燥を防ぐ
- 痛みが強い場合は、市販の鎮痛薬(アセトアミノフェンなど)を用法用量を守って使用してもよいが、医師や薬剤師に相談するのが安心
医療治療
陽性の場合、医師は細菌の増殖を抑える薬(抗菌薬)を処方することがあります。処方された薬は指示通りに最後まで飲み切ることが大切です。症状が軽くなっても自己判断で中止しないでください。アレルギーがある場合は必ず医師に伝えましょう。
手術が検討される場合
通常、手術は必要ありません。まれに、扁桃腺周囲膿瘍(のどの奥に膿がたまる)などの合併症を起こした場合に、切開や排膿処置が必要になることがあります。
この病気と共に生きる
感染中は、他人にうつさないようにマスクを着用し、せきエチケットを守りましょう。タオルや食器は家族と分け、手洗いを徹底してください。治療が始まれば、一般的に24時間ほどで感染力は低下します。
生活習慣のアドバイス
- 症状が続く間は学校や仕事を休み、安静にする
- 十分な睡眠をとる
- ストレスをためないようにリラックスする時間を作る
- のどを清潔に保つため、刺激の少ないうがいをする
食事と運動
のどの痛みが強いときは、無理に食べようとせず、冷たいヨーグルトやプリン、温かいスープなど食べやすいものを少しずつ取りましょう。水分補給をしっかり行いましょう。運動は症状がよくなるまで控えます。
精神的健康と心の健康
のどの痛みや発熱で眠れなかったり、食事が楽しめないと気分が落ち込むことがあります。また、学校や仕事を休まなければならないストレスもあります。症状が治まれば気分もよくなるので、焦らず休養を優先しましょう。つらい気持ちが続く場合は、信頼できる人や医療機関に相談してください。
予防
完全に予防するのは難しいですが、感染のリスクを減らすことはできます。手洗い、うがい、マスクの着用、せきエチケットを徹底しましょう。感染者との濃厚接触を避けることも効果的です。
ワクチン
現在、連鎖球菌感染症に対する予防接種は一般的にはありません。厚生労働省の予防接種スケジュールにも含まれていません。
検診プログラム
症状がない人に対する定期検査は推奨されていません。のどの痛みや発熱など症状がある場合に、医師の判断で検査が行われます。
合併症
治療しない場合
- 扁桃腺周囲膿瘍(のどの奥に膿がたまって激しい痛みや腫れを起こす)
- 中耳炎や副鼻腔炎
- リウマチ熱(関節や心臓に炎症を起こす病気)
- 連鎖球菌感染後糸球体腎炎(腎臓に炎症が起こる病気)
長期的な見通し
迅速検査で陽性の場合でも、適切な治療(抗菌薬)を受ければほとんどの方は1週間以内に症状が改善します。リウマチ熱などの合併症は治療によりほぼ防げます。腎炎はごくまれですが、治療開始が遅れても多くは自然に回復します。連鎖球菌感染症はこわい病気ではありませんが、放置せずにきちんと診断と治療を受けることが大切です。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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