組織トランスグルタミナーゼ検査
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
組織トランスグルタミナーゼ(tTG)検査は、血液中の抗体(免疫のタンパク質)を調べる検査です。この検査は、セリアック病という自己免疫疾患の診断を助けるために行われます。セリアック病は、小麦などに含まれるグルテンという成分に対して体が過剰に反応し、小腸に炎症を起こす病気です。tTG検査は、この病気の可能性を調べるための最初のステップです。
重要な事実
- tTG検査は、セリアック病を疑う人に対して行われる血液検査です。
- この検査だけで確定診断はできません。陽性の場合は、小腸の内視鏡検査(カメラで見る検査)が必要になることがあります。
- 検査結果を正しく解釈するために、検査前は通常の食事(グルテンを含む)を続けることが推奨されます。
セリアック病の診断のために、比較的よく行われる検査です。日本ではセリアック病の有病率は低いですが、海外では一般的な検査です。
この検査は、セリアック病を疑う症状がある人(慢性的な下痢、腹痛、体重減少など)や、家族にセリアック病の人がいる場合などに行われます。また、他の自己免疫疾患(1型糖尿病など)を持つ人にも検査が勧められることがあります。
症状
- 激しい腹痛や腹部の緊満感
- 大量の下痢による脱水症状(口渇、尿量減少、めまい)
- 意識がもうろうとする
- ⚠慢性的な下痢が続き、体重が急激に減っている
- ⚠強い腹痛や吐き気で食事がとれない
- ⚠貧血による息切れや動悸
一般的な症状
- 慢性的な下痢
- 腹部の膨満感やガス
- 疲労感やだるさ
- 原因不明の体重減少
- 貧血(血液が薄くなる)
子供の症状
- 発育不良(身長や体重の伸びが悪い)
- 慢性的な下痢や便秘
- イライラや不機嫌
- 歯のエナメル質の異常
高齢者の症状
- 骨粗しょう症(骨がもろくなる)
- 慢性的な疲労
- 神経症状(手足のしびれ)
- 皮膚の発疹(疱疹状皮膚炎)
原因
主な原因
- tTG検査はセリアック病の診断に使われます。セリアック病の原因は、遺伝的な要因と環境要因(グルテンの摂取)が組み合わさって起こる自己免疫反応です。
- この検査で測定される抗体(tTG-IgA)は、小腸の組織に対する自己抗体であり、グルテンに反応して体が作るものです。
リスク要因
- 家族にセリアック病の人がいる
- 特定の遺伝子(HLA-DQ2やHLA-DQ8)を持つ
- 他の自己免疫疾患(1型糖尿病、甲状腺疾患など)がある
- ダウン症候群やターナー症候群などの染色体異常がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 原因不明の体重減少や激しい下痢が続く
- 強い腹痛や脱水症状がある
- 子どもが発育不良で医師の診察が必要な場合
定期受診を予約すべき場合:
- 慢性的な消化不良や腹部の不快感が続く
- 家族にセリアック病の人がいる場合の検査相談
- 貧血や疲労感が長く続くが原因がわからない
診断
tTG検査は、腕の静脈から採血して行われます。この検査で抗体の値が高い場合、セリアック病の可能性が疑われます。確定診断には、小腸の内視鏡検査(胃カメラで小腸の組織を採取する検査)が必要なことがあります。
行われる可能性のある検査
- tTG-IgA抗体検査(血液検査)
- 総IgA検査(血液中の免疫グロブリンAの量を調べる)
- 小腸内視鏡検査と生検(組織を取って調べる)
- 遺伝子検査(HLA-DQ2/DQ8)
診察で予想されること
検査のために特別な準備は通常必要ありませんが、医師から指示があるかもしれません。採血後は通常通り生活できます。結果は数日から1週間程度でわかります。
治療
tTG検査が陽性でセリアック病と診断された場合の主な治療は、生涯にわたる厳格なグルテンフリー食事療法です。グルテンを含む食品(小麦、大麦、ライ麦など)を完全に避けることで、症状が改善し、小腸の炎症が治まります。
自宅でのセルフケア
- 食品ラベルを確認し、グルテンを含まない製品を選ぶ
- 調理器具やまな板をグルテン用と分けて使うなど、家庭内の汚染を防ぐ
- 外食時はグルテンフリー対応のメニューを選ぶ
- 栄養バランスに気をつけ、ビタミンやミネラルの不足を防ぐ
医療治療
医師や管理栄養士の指導のもと、グルテンフリー食を続けることが基本です。場合によっては、栄養補助食品やビタミン剤の使用が勧められることがありますが、必ず医師に相談してください。症状が重い場合には、ステロイド薬などが一時的に使われることもありますが、薬の名前や用量は医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
セリアック病に対して外科手術が必要になることは通常ありません。ただし、合併症として腸のリンパ腫などが発生した場合には、手術が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
セリアック病と診断されたら、毎日の食事でグルテンを完全に避けることが必要です。最初は大変に感じるかもしれませんが、グルテンフリーの食品は増えてきており、慣れれば生活の質を大きく保つことができます。
生活習慣のアドバイス
- グルテンフリー対応のレシピを覚える
- 外食時は事前にレストランに相談する
- 旅行時に備えてグルテンフリーの非常食を持参する
- 定期的に医師のフォローアップを受ける
食事と運動
グルテンフリー食を基本とし、野菜、果物、肉、魚、米、じゃがいもなど自然にグルテンを含まない食品を中心に摂りましょう。運動は特に制限はなく、体調に合わせて行ってください。
精神的健康と心の健康
厳しい食事制限はストレスや孤独感を感じることがあります。また、診断後に気分の落ち込みを経験する人もいます。必要なら医師やカウンセラーに相談しましょう。
予防
セリアック病そのものを予防する方法は現在ありません。しかし、tTG検査による早期発見と早期のグルテンフリー食開始により、症状の悪化や合併症を防ぐことができます。
検診プログラム
家族歴がある人や特定の自己免疫疾患を持つ人には、症状がなくても定期的なスクリーニング(tTG検査など)が勧められることがあります。医師と相談してください。
合併症
治療しない場合
- 栄養失調(ビタミンやミネラルの不足)
- 骨粗しょう症
- 不妊症や流産のリスク増加
- 小腸のリンパ腫(まれだが重い合併症)
- 神経症状(しびれ、バランス障害)
長期的な見通し
適切なグルテンフリー食を続ければ、ほとんどの人は症状が改善し、健康的な生活を送ることができます。小腸の炎症も治まり、栄養状態も正常に戻ります。早期発見と治療が大切です。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。
Guidance may differ by country or region. Confirm local recommendations with a qualified healthcare provider.