夜の見えにくさ(夜盲症)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
夜盲症(やもうしょう)とは、暗いところや夜間にものが見えにくくなる症状のことです。明るいところでは見えるのに、暗いところだけ視力が落ちるのが特徴です。夜盲症は病気そのものではなく、何らかの原因で網膜や水晶体など、目のはたらきに問題が生じたときに現れるサインです。
重要な事実
- 夜盲症は暗い場所での視力低下を指す症状です。
- 原因は近視・白内障・網膜の病気・ビタミンA不足などさまざまです。
- 突然の見えにくさは重い病気の可能性があるため、すぐに眼科を受診しましょう。
夜間の見えにくさは、特に高齢者ではよくある悩みです。加齢に伴い、水晶体が濁る白内障などで夜間の視力が低下することが多いためです。
子どもから高齢者まで誰にでも起こり得ますが、強度の近視がある人、糖尿病や白内障のある人、高齢者に多く見られます。
症状
- 突然、片目または両目の視力が大きく低下した(すぐに119番へ)
- 目に激しい痛みがある(すぐに119番へ)
- 頭痛・吐き気・手足のしびれを伴う見え方の異常がある(すぐに119番へ)
- 目の前が真っ暗になった、視野が急に欠けた(すぐに119番へ)
- ⚠数日から数週間のうちに夜間の見えにくさが悪化した
- ⚠夜の見えにくさに、昼間のまぶしさも加わった
- ⚠糖尿病や高血圧の治療中で、夜間の見え方に変化がある
一般的な症状
- 暗い場所や夜道で、物の輪郭がはっきりしない
- まぶしい光を見た後、暗さに慣れるまでに時間がかかる
- 夜間の運転で対向車のヘッドライトがまぶしく感じる
- 明るい場所では問題なく見えるのに、暗い場所だけ見えにくい
子供の症状
- 夜になると暗い場所を嫌がる、怖がる
- 日が暮れてからよくつまずく、物にぶつかる
- 薄暗い場所では遊びたがらない
高齢者の症状
- 夕方以降の外出がおっくうになる
- 段差や溝が見えにくく、転びやすくなる
- 夜間の運転が不安になり、運転を避けるようになる
原因
主な原因
- 近視(特に強度の近視で、網膜が薄くなるなどの変化を伴う)
- 白内障(水晶体が濁り、光が届きにくくなる)
- 網膜色素変性症などの遺伝性の網膜の病気
- ビタミンA欠乏症(極端な偏食や吸収障害による)
- 糖尿病網膜症(糖尿病が網膜の血管を傷つける)
リスク要因
- 強度の近視がある
- 加齢(50歳以上)
- 糖尿病・高血圧などの生活習慣病がある
- 極端なダイエットや偏った食事をしている
- 目の外傷や眼科手術の既往がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 日中でも夜でも見えにくさがある
- 視野が狭くなった、または視野の一部が欠けた
- 目をぶつけた後に夜間の見え方が悪くなった
定期受診を予約すべき場合:
- 夜間だけの見えにくさが続いている
- 夜間運転に不安を感じるようになった
- 定期的な眼科検診を受けていない
診断
眼科で問診を行い、夜間の見え方について具体的に話したうえで、視力検査や目の内部の検査を行います。暗い場所での見え方を調べる特別な検査が行われることもあります。
行われる可能性のある検査
- 視力検査(明るい場所と暗い場所での視力を比較する)
- 屈折検査(近視・乱視・遠視の度合いを調べる)
- 細隙灯顕微鏡検査(水晶体や角膜・網膜の状態を詳しく調べる)
- 眼底検査(瞳孔を広げる目薬を使って網膜や視神経を観察する)
- 視野検査(見える範囲に欠けがないかを調べる)
診察で予想されること
検査は一般的に痛みを伴いません。瞳孔を広げる目薬を使った場合は、数時間まぶしく感じたり、近くのものが見えにくくなったりすることがあります。検査後の運転は控えるよう案内されることがあるので、可能であれば付き添いの方の協力を得ましょう。
治療
夜盲症の治療は、原因となる病気を特定して行います。原因によって治療法は異なり、近視や乱視であれば眼鏡やコンタクトレンズで矯正し、白内障であれば手術が検討されます。網膜の病気では、進行を抑える治療や栄養療法などが行われることがあります。
自宅でのセルフケア
- 夜道を歩くときは、明るいライトや反射材を身につける
- 自宅の廊下や階段に足元照明や手すりを設置する
- 夜間の運転を避け、明るい時間や公共交通機関を利用する
- 目の疲れを感じたら、こまめに休憩を取り、目を温めるなどしてリラックスする
医療治療
治療方針は原因によって異なります。白内障には手術、近視や乱視には眼鏡やコンタクトレンズなどが一般的です。網膜の病気には、ビタミンAを補う治療や、進行を遅らせるための薬物治療が行われることがあります。ただし、これらの治療は必ず医師の診断と指導のもとで行われます。自己判断でサプリメントや薬を使用せず、医師に相談してください。
手術が検討される場合
白内障が原因で夜間の見えにくさが日常生活や運転に支障をきたす場合は、白内障の手術(水晶体を取り除き、人工のレンズを入れる手術)が検討されます。手術を受けるかどうかは、医師と十分に相談して決めましょう。
この病気と共に生きる
夜間の見えにくさと上手に付き合うには、安全を最優先にした生活の工夫が役立ちます。外出は明るいうちに済ませる、人通りの多い明るい道を選ぶ、懐中電灯を持ち歩くなどの工夫をしましょう。
生活習慣のアドバイス
- 朝日を浴びて、体内時計を整える
- 睡眠を十分にとり、目の疲れを回復させる
- 部屋の照明を明るくし、まぶしい光源を調整する
- 定期的に眼科の検診を受ける
食事と運動
目の健康のために、緑黄色野菜や果物などバランスのよい食事を心がけましょう。特定の食品だけで改善するわけではありませんが、栄養不足は目の病気のリスクを高めることがあります。運動は、生活習慣病の予防や血流改善に役立ち、間接的に目の健康に良い影響を与えることがあります。
精神的健康と心の健康
夜の見えにくさは、外出や運転をためらう原因になり、不安や孤独感を強めることがあります。そのように感じるのは自然なことです。気持ちがつらいときは、家族や友人、医師に相談し、自分を責めず、必要な支援を受けましょう。
予防
原因によっては予防が可能な場合もあります。定期的な眼科検診で早期に異常を見つけることが、進行を防ぐ最大の方法です。また、栄養バランスのよい食事や、目をけがしないような対策も予防につながります。遺伝性の網膜の病気などは予防が難しいため、早期発見とサポートが大切です。
ワクチン
夜盲症に直接効く予防接種はありません。
検診プログラム
夜間の見えにくさを感じたときは、眼科での定期検診(視力検査・眼底検査など)を受けることが大切です。自覚症状がなくても、目の病気は静かに進むことがあります。
合併症
治療しない場合
- 夜間の転倒や事故(特に階段での転落や歩行中の衝突)
- 進行性の網膜疾患の場合、視野狭窄や視力低下が進む
- 白内障の放置による視力低下の悪化
- 糖尿病網膜症の進行による、さらに重い視覚障害のリスク
長期的な見通し
夜盲症の多くは、原因を正確に調べて適切な治療や生活の工夫を行うことで、症状の改善や進行を遅らせることができます。たとえ原因の治療が難しい場合でも、使用できる支援や道具はたくさんあります。専門医のサポートを受けながら、無理のない生活を続けることが大切です。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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