記憶とともに生きる:物忘れへの理解と毎日の工夫
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
このページでは、物忘れや記憶の混乱など、記憶に関する悩みを抱えておられる方やご家族に向けて、基本的な情報をわかりやすく説明します。記憶の変化は年齢とともに誰にでも起こり得ますが、生活に支障が出る場合は、体や脳の状態が関係していることもあります。ここでお伝えするのは一般的な情報です。ご自身の状態に不安があれば、必ず医師や専門家に相談してください。
重要な事実
- 記憶は、新しいことを覚える力・思い出す力・使う力に分けられます
- 加齢による軽い物忘れと、治療や支援が必要な記憶障害は異なります
- 原因によっては、進行を遅らせたり、生活の質を保つための方法があります
- 記憶障害は本人だけでなく、家族も一緒に理解し支えていくことが大切です
物忘れは加齢に伴い多くの人が経験します。ただし、日常生活に支障をきたすほどの記憶障害は、認知症など一部の人にみられる状態で、決して珍しくはありませんが、正しい評価と支援が大切です。
あらゆる年齢の人に起こり得ますが、特に高齢者によくみられます。若い人では強いストレスや睡眠不足、頭部のケガなどがきっかけになることもあります。認知症は高齢になるほど増えるため、加齢に伴う影響を理解しておくことが大切です。
症状
- 突然、激しい頭痛とともに意識がもうろうとする場合は、すぐに救急車(119番)を呼んでください
- 片方の手足が動かない、言葉が話せないなど、脳卒中の可能性がある場合は、すぐに119番を呼んでください
- 頭を強く打った後に記憶が飛んだり、けいれんが起きたりする場合は、すぐに119番を呼んでください
- 急に混乱して周りの人や場所がわからなくなり、安全が保てない場合は、すぐに119番を呼んでください
- ⚠数日から数週間続く物忘れや混乱があり、日常生活に支障が出ている
- ⚠意識がはっきりしない、うつらうつらする
- ⚠強い不安や焦燥感があり、一人にすると危険が伴う
一般的な症状
- 物忘れが多くなり、同じことを何度も尋ねる
- 約束や予定を忘れる
- 慣れた場所で道に迷う
- 言葉が出てこない、人の名前が思い出せない
- 物を置いた場所がわからなくなる
- 判断力や計画を立てる力が低下する
子供の症状
- 学校の宿題や持ち物を忘れやすくなる
- 授業中に集中して話を聞けない
- 覚えたはずのことをテストで思い出せない
- 日常の生活動作を覚えるのに時間がかかる
高齢者の症状
- 昨日の食事の内容を思い出せない
- 日付や時間がわからなくなる
- 家族の顔が分からなくなる(進行した場合)
- 以前できていた家事や道具の使い方が難しくなる
- 性格や気分の変化がみられる
原因
主な原因
- 加齢による脳の変化
- 認知症(アルツハイマー病など)
- 脳血管障害(脳卒中など)
- 頭部外傷
- うつ病や強いストレス
- 睡眠不足や栄養不足
- 甲状腺の病気など、体の病気が原因となることもある
リスク要因
- 高齢であること
- 高血圧・糖尿病・脂質異常症など生活習慣病
- 喫煙や過度の飲酒
- 運動不足
- 社会的な孤立
- 家族に認知症の人がいる場合(遺伝的な要素)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 急に記憶障害が現れた
- 日常生活が送れなくなるほどの混乱がある
- 自分や他人を傷つけそうな行動がある
- 意識がおかしい、けいれんがある
定期受診を予約すべき場合:
- 物忘れが少しずつ増えて心配
- 仕事や家庭生活に支障が出始めている
- 家族から受診をすすめられた
診断
医師がお話を聞き、問診や簡単な認知機能の検査を行います。必要に応じて、血液検査や画像検査(脳のCTやMRIなど)で原因を調べます。ご家族からの情報も重要な手がかりになります。
行われる可能性のある検査
- 問診と聞き取り(本人とご家族から)
- 認知機能テスト(記憶や注意力のチェック)
- 血液検査(ビタミン不足や甲状腺の病気の確認)
- 脳のCT・MRI画像検査
- 必要に応じた心理評価や専門医への紹介
診察で予想されること
初診では、症状がいつから始まったか、どのようなときに困るかを一緒に整理します。すぐに答えが出なくても、段階的に原因を探していきます。検査は負担の少ない方法から始まることが多く、無理のない範囲で進められます。
治療
治療はまず原因を明らかにし、その原因に合わせて行います。生活習慣の見直しや、ご家族を含めた支援環境を整えることも治療の一部です。脳の働きを保つためのリハビリテーションや、気持ちのケアも大切です。
自宅でのセルフケア
- 規則正しい睡眠をとる
- 毎日の散歩など、無理のない範囲で体を動かす
- メモ帳やカレンダー、スマートフォンのアプリなどを活用する
- 人との交流を続け、孤立を防ぐ
- 趣味や軽い読書など、頭を使う活動を楽しむ
医療治療
薬物治療については、医師が診断結果と症状に合わせて選択します。認知症の進行を抑える薬などがありますが、すべての人に同じ薬が効果的なわけではなく、必ず医師の指示に従ってください。ここでは具体的な薬の名前や用量はお伝えしません。かかりつけの医師や専門医にご相談ください。
手術が検討される場合
記憶障害そのものに対して手術が行われることはまれです。ただし、原因となる脳の病気(例えば脳腫瘍や脳出血など)が見つかった場合は、その治療として手術が必要になることがあります。
この病気と共に生きる
記憶の変化と向き合うには、できないことに注目しすぎず、できることを活かす工夫が大切です。毎日の予定をわかりやすく書いたり、物の置き場所を決めたりすることで、暮らしの混乱を減らせます。ご家族も一人で抱え込まず、地域の支援を利用しましょう。
生活習慣のアドバイス
- 起床・食事・就寝の時間をできるだけ一定にする
- 買い物や調理など、簡単な家事を分担する
- 地域のサロンや認知症カフェなど、集いの場に参加する
- 運転や火の取り扱いは、医師と相談して安全に判断する
食事と運動
偏った食事は脳の働きに影響することがあります。野菜・魚・果物などをバランスよく食べ、水分も適切にとりましょう。運動は血流を良くし、脳の働きを保つ助けになります。ウォーキングなど軽い運動を、無理のない範囲で続けることが勧められます。
精神的健康と心の健康
記憶の変化は、ご本人にとって不安や焦り、自信の喪失につながることがあります。また、ご家族にも大きな負担がかかります。つらい気持ちを一人で抱え込まず、医師や看護師、地域の相談窓口に話すことが大切です。必要に応じて心理的なサポートも受けられます。
予防
すべての記憶障害を予防することはできませんが、健康的な生活習慣を続けることでリスクを下げられる可能性があります。高血圧や糖尿病などの生活習慣病を管理し、適度な運動や十分な睡眠、人との交流を大切にすることが勧められます。
ワクチン
特定の予防接種が記憶障害を直接予防するわけではありませんが、高齢者は感染症にかかると体力や認知機能が低下しやすいため、例えばインフルエンザや肺炎などの予防接種を医師と相談して受けることが勧められることがあります。
検診プログラム
日本では、健康診断や特定健診で生活習慣病を早期に見つけることができます。記憶障害そのものを対象にした全国的な検診はありませんが、気になる症状があれば、年齢に関係なく医療機関で相談することができます。
合併症
治療しない場合
- 誤った服薬や火の不始末など、事故のリスクが高まる
- うつ状態や不安が強くなることがある
- 家族の介護負担が大きくなり、家族関係が緊張する
- 食事や水分をとるのを忘れ、健康状態が悪化することがある
長期的な見通し
記憶障害は原因によって経過が異なります。一部の原因は治療や生活の工夫によって改善することもあります。認知症であっても、適切な支援やケアを受けながら、その人らしい生活を続けることは十分可能です。診断後も、穏やかに、できる限り自分らしく過ごせるよう、支えるしくみが整っています。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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