片頭痛の診断後に知っておきたいこと
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
片頭痛は、脳の神経の働きが関係して起こる、繰り返す頭痛のことです。ズキズキとする痛みが片側に現れることが多いですが、両側に現れることもあります。頭痛の前に目がチカチカするなどの前ぶれがある場合もあります。片頭痛はただの頭痛ではなく、日常生活に大きな影響を与えることがある病気です。
重要な事実
- 片頭痛は時間がたって自然に治ることもありますが、適切な対処で症状をやわらげることができます。
- 片頭痛は頭痛の一種ですが、普通の頭痛とは仕組みが異なるため、特別な治療が必要です。
- 診断後は、自分の発作のきっかけを知り、予防や対策をとることで、うまく付き合っていくことができます。
片頭痛はとてもありふれた頭痛で、日本人の約10人に1人が経験すると言われています。特に20代から40代の女性に多いです。
片頭痛は小学生からお年寄りまで誰でも起こり得ますが、特に女性に多いです。女性ホルモンの変化が関わっていると考えられています。思春期から30代に始まることが多いです。
症状
- 突然、経験したことがないような激しい頭痛が起こった
- 頭痛とともに意識がもうろうとする、体の片側が動かない、言葉が出にくい
- ガクッと頭が垂れるような力の抜けた感じがする
- 頭を強くぶつけた後に頭痛が始まった
- 首の後ろが硬い、熱があるなど髄膜炎の症状が疑われる場合
- ⚠頭痛が発作を繰り返し、市販の薬でまったくよくならない
- ⚠頭痛の種類や特徴がこれまでと大きく変わった
- ⚠頭痛とともに視野の異常や手足のしびれのある時間が長く続く
- ⚠妊娠中の頭痛が続く、または悪化する
一般的な症状
- ズキズキと脈打つような頭痛が突然起こる
- 頭の片側に痛みが出ることが多いが、両側の場合もある
- 動くと頭痛がひどくなる
- 吐き気やおう吐を伴う
- 光や音に敏感になる
- 目のかすみや視界が一部欠けるなどの前ぶれが出ることがある
子供の症状
- 子どもは頭痛の痛みをうまく説明できないことがあり、機嫌が悪くなったり、顔色が悪くなったりします
- 吐き気やおなかの痛みを訴えることもあります
- 学校や遊びを避けたがることがあります
高齢者の症状
- 高齢者は頭痛のパターンが変わり、痛みの強さが弱いことがあります
- 眼や耳、鼻などの病気が原因で頭痛が起こることもあるため、注意が必要です
- 薬の飲みすぎによる頭痛(薬物乱用頭痛)が起こりやすいです
原因
主な原因
- 脳神経の炎症や血管の拡張が関わっていると考えられていますが、完全には解明されていません
- 遺伝的な要素があり、家族の中に片頭痛の人がいることがあります
- ストレスや疲れ、寝不足、天気の変化、食品などが発作のきっかけになることがあります
リスク要因
- 女性であること
- 思春期や月経、妊娠中などホルモンの変化
- 家族に片頭痛の人がいる
- 強いストレスまたはストレスからの解放
- 睡眠不足や睡眠の変化
- 空腹や特定の食べ物(チーズ、チョコレート、赤ワインなど)
- カフェインの取りすぎまたは中断
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 頭痛が突然、今までにないほど激しくなった
- 頭痛とともに、ろれつが回らない、片方の手足が動かない、意識がおかしい
- 頭をぶつけた後に頭痛が始まった
- 頭痛とともに38度以上の発熱や首の痛みがある
定期受診を予約すべき場合:
- 頭痛が繰り返し起こり、日常生活に支障がある
- 市販薬を飲んでも痛みがよくならない、または週に数回以上飲んでいる
- 頭痛のパターンが変わった、新しい症状が出た
- 片頭痛の治療を受けており、定期的な受診が必要な場合
診断
医療機関では、まず症状や経過を詳しく聞かれます。どんなときに頭痛が起こるか、痛みの強さ、持続時間、伴う症状などを記録しておくと診断に役立ちます。神経学的診察(手足の動きや感覚、目の動きなど)を行い、他の原因を除外するため必要に応じて画像検査を行います。
行われる可能性のある検査
- 問診(頭痛のきっかけ、頻度、特徴など)
- 神経学的診察
- 採血(炎症や内分泌異常の確認)
- 頭部CT検査
- 頭部MRI検査
診察で予想されること
医師からの質問に答えて診断が進みます。当日に結果がわかることもありますが、画像検査が必要な場合は時間がかかることがあります。診断がついたら、治療方針についての説明があります。
治療
片頭痛の治療は、痛みが起こってからの治療(発作時治療)と、あらかじめ発作を予防する治療(予防療法)の2つに大きく分けられます。治療は薬の使い方を中心に、生活習慣の調整を組み合わせて行います。
自宅でのセルフケア
- 発作が起こったら、静かで暗い部屋で横になり目を閉じる
- 冷たいタオルで頭や首を冷やす
- 水分を十分に取る
- カフェインを適量取ると、一部の人で痛みがやわらぐことがある(取りすぎは逆効果になることも)
- 頭痛の記録(頭痛ダイアリー)をつけて、きっかけを探る
医療治療
医療機関では、頭痛発作時に使う薬や、予防薬という発作を起こりにくくする薬が処方されることがあります。これらは痛みの仕組みに合わせたもので、医師の指示に従って使用します。吐き気を抑える薬や、筋肉の緊張を和らげる薬が使われることもあります。内服薬のほか、鼻から吸う薬や注射薬が選択される場合もあります。予防療法は、頭痛の頻度や程度を減らすために毎日または定期的に使うもので、主に慢性化している人や、発作時治療だけでは十分な効果が得られない人に検討されます。どの治療も必ず医師の診断と指導のもとで行ってください。
手術が検討される場合
片頭痛に対して外科手術は基本的に行われません。治療の中心は薬と生活習慣の調整です。
この病気と共に生きる
片頭痛と診断されても、日常生活を大きく変える必要はありません。ただし、規則正しい生活を心がけることが大切です。頭痛が起こったときのために、休める場所や時間を確保しておくと安心です。
生活習慣のアドバイス
- 毎日決まった時間に起きて、食事をし、寝る(睡眠リズムを保つ)
- ストレスをためすぎないようにし、上手なリラックス方法を見つける
- 閃輝暗点などの前ぶれを感じたら、早めに休む
- 頭痛の引き金になる食べ物や飲み物を控える
- 天気の変化が影響する場合は、天気予報を意識する
食事と運動
規則正しい食事をとり、空腹状態を避けましょう。バランスの良い食事を心がけ、チョコレートや赤ワインなど、自分に合わない食品は避ける工夫が必要です。適度な有酸素運動はストレス解消に役立ちますが、激しい運動は発作を誘発することがあるため、無理のない範囲で行ってください。
精神的健康と心の健康
片頭痛は予測できない発作により、仕事や予定を休まなければならないことがあります。そのことで不安や抑うつを感じる人も少なくありません。痛みの診療とともに、心のケアも大切です。気分の落ち込みが続く場合は、医師や心理相談員に相談しましょう。
予防
片頭痛を完全に予防することは難しいですが、発作のきっかけを減らすことで、頻度や強さを大きく減らすことができます。頭痛ダイアリーで自分のきっかけを見つけ、それを避けたり、予防薬を医師と相談したりすることが予防につながります。
合併症
治療しない場合
- 頭痛薬の使いすぎによる薬物乱用頭痛が起こり、薬が効きにくくなる
- 片頭痛が慢性化し、月に15日以上頭痛が起こるようになる
- 頭痛のために仕事や家事、学業に大きな支障が出る
- 脳卒中などの血管の病気のリスクが高まる可能性がある(ごくまれ)
長期的な見通し
片頭痛は多くの人が適切な治療により症状をうまくコントロールできる病気です。診断後も、生活の工夫や薬の正しい使い方を身につければ、付き合いながら自分らしく過ごすことができます。医療のサポートを受けながら、焦らずに取り組みましょう。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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