片頭痛と家族生活
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
片頭痛(へんずつう)とは、脳の神経の働きが関係して起こる、繰り返す強い頭痛のことをいいます。「ただの頭痛」ではなく、脳の神経の病気として理解されています。ズキンズキンと脈打つような痛みが、片側に現れることが多いのが特徴です。また、吐き気や光・音・においへの敏感さを伴うことがあります。
重要な事実
- 片頭痛は「頭痛」ではなく、「脳の神経の病気」です。
- 片頭痛の原因は完全には分かっていませんが、脳の神経が過敏になることや、遺伝的な要因が関係しています。
- 片頭痛は、適切な治療と生活の見直しで症状を和らげ、発作を減らすことができます。
片頭痛はとても身近な病気です。日本では成人の約10人に1人が経験すると言われています。
女性に多く、初めて起こるのは10代から20代に多いと言われています。家族に片頭痛を持つ人がいると、発症しやすいことも知られています。
症状
- 突然、今まで経験したことがないほどの激しい頭痛
- 頭痛に加えて、意識がぼんやりする、体の半分が動かない、言葉が話しにくい、38度以上の発熱、首の強いこわばりなどの症状がある
- これらの症状がある場合は、すぐに119番に電話して救急車を呼んでください
- ⚠頭をぶつけた後に、どんどん強くなる頭痛
- ⚠いつもと違う、突然の吐き気や視力の変化を伴う頭痛
- ⚠妊娠中に起こった強い頭痛
- ⚠がんや免疫の病気で治療中の方に現れた新しい頭痛
- ⚠同じ週に何度も頭痛で日常生活が送れないほどつらい場合
一般的な症状
- ズキンズキンと脈打つような頭痛(片側だけのことが多い)
- 吐き気や嘔吐
- 光・音・においに敏感になる
- 集中力の低下
- 目の前がチカチカするなどの前兆(予兆)が現れることがある(人によっては前兆がない)
子供の症状
- 頭痛と同時に、おなかの痛みや吐き気を訴えることが多い
- 顔色が青ざめる、ふらつく
- 普段と違って元気がない、学校に行きたがらない
高齢者の症状
- 痛みの感じ方が若い頃とは変わり、鈍い痛みや両側の痛みとして感じることがある
- めまいやふらつきを伴うことがある
- 年齢を重ねてから初めて起こる頭痛は、他の病気の可能性も考えて早めの受診が必要
原因
主な原因
- 脳の神経が過敏になり、血管が広がることや炎症が起こることで痛みが発生すると考えられています。
- 完全には分かっていませんが、遺伝的な要因が関わることが分かっています。
- 脳内の「CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)」というたんぱく質が、痛みの伝達に重要な役割をしていると考えられています。
リスク要因
- 家族に片頭痛の人がいる
- 女性である(女性ホルモンの変動が関係する)
- ストレスや疲れ、睡眠不足
- 空腹や食事の抜きすぎ
- チョコレート、チーズ、赤ワインなどの食べ物・飲み物
- 気圧や気温・湿度の変化
- まぶしすぎる光、大きな音、強いにおい
- スマートフォンやパソコンの画面を長時間見続ける
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 頭痛のせいで仕事や家事、学校などに支障をきたしている場合
- 横にならないと動けないような頭痛が何度も起こる場合
- 市販薬を飲んでも良くならない、または頭痛のために月に15日以上薬を飲んでいる場合
- 片頭痛ではないかと心配している場合
定期受診を予約すべき場合:
- 頭痛の頻度や強さが最近増えてきた場合
- 片頭痛の診断をはっきりさせたい、きちんと治療したい場合
- 妊娠を考えている・妊娠中に頭痛の治療について相談したい場合
- 家族に同じような頭痛の人がいて、遺伝的な心配がある場合
診断
片頭痛の診断は、主に医師とのお話と、神経の診察で行われます。MRIやCTなどの画像検査は、片頭痛ではなく他の病気が原因でないかを確かめるために使われることがあります。
行われる可能性のある検査
- 問診(頭痛の頻度・痛みの場所・どのようなきっかけで起こるかなど)
- 神経学的診察(目の動き、反射、手足の力など)
- 他の病気の可能性を調べるMRI・CTなどの画像検査
- 頭痛日記(いつ・どのくらい・どんな時に起こったかを記録)
診察で予想されること
初めての診察では、頭痛について詳しく質問されます。診察をスムーズにするためにも、頭痛日記を事前につけて持っていくことをおすすめします。必要に応じて、血液検査や尿検査が行われることもあります。
治療
片頭痛の治療は、大きく分けて「痛みが出たときに早く治す急性期治療」と「発作を起こしにくくする予防療法」があります。症状や頻度に合わせて、医師と相談しながら治療計画を立てましょう。
自宅でのセルフケア
- 痛みを感じたら、早めに静かな暗い部屋で横になる
- 冷たいタオルやアイスパックをおでこや首の後ろに当てる
- 水分を十分に摂る
- 規則正しい睡眠と食事を心がける
- ストレスをためないように、リラックスする時間を持つ
- 頭痛日記をつけて自分の発作のきっかけを見つける
医療治療
片頭痛の薬には、頭痛を止める薬と、発作を予防する薬があります。近年では、CGRPというたんぱく質の働きを抑える新しい予防薬(注射や内服薬)も登場しています。どの治療薬が合うかは人それぞれで、妊娠中や授乳中、他の病気の有無によっても選択は変わります。必ず医師・薬剤師に相談してください。また、市販の痛み止めを頻繁に使うと、かえって頭痛が悪化する「薬の使いすぎによる頭痛」になることがあるので注意が必要です。
手術が検討される場合
片頭痛に対して手術が行われることはほとんどありません。頭痛の原因となる別の病気(腫瘍や動脈瘤など)が見つかった場合には、その病気に対する手術が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
片頭痛と一緒に暮らすためには、自分の「片頭痛のきっかけ」と「前触れのサイン」を知ることが役立ちます。頭痛日記をつけて、家族や学校・職場に伝えられる形にしましょう。発作が起きたときの対応を家族と話し合っておくと、いざという時に助け合えます。
生活習慣のアドバイス
- 起床・就寝の時刻を一定に保つ
- 食事は3食、規則正しくゆっくり食べる
- ウォーキングなど軽い運動を習慣にする
- 外出時はまぶしい光を避けるため、サングラスや帽子を活用する
- 就寝前のスマートフォンやパソコンの使用を控える
- 毎日少しでも、自分のリラックスできる時間を作る
食事と運動
偏った食事や食べ過ぎ・空腹は、片頭痛のきっかけになることがあります。バランスの良い食事を3食しっかり食べることが予防につながります。運動は、軽い有酸素運動(ウォーキングなど)を週に数回行うと、発作の頻度を減らす効果が期待できます。ただし、激しい運動は発作を誘発することもあるため、自分のペースで無理なく行いましょう。
精神的健康と心の健康
強い頭痛が繰り返し起こると、「次はいつ発作が起きるだろう」という不安やストレスが続き、うつや不眠の原因になることもあります。つらい気持ちを家族に話したり、医師に相談してカウンセリングを受けるなど、早めに心のケアをすることが大切です。片頭痛は、我慢して乗り越える病気ではありません。
予防
片頭痛を完全に予防することは難しいですが、発作の回数を減らすことは十分に可能です。日々の生活の中で発作のきっかけを避けることに加えて、医師と相談して予防薬を使うことで、発作の頻度や重症度を下げられます。
ワクチン
片頭痛に直接関係する予防接種はありません。
検診プログラム
片頭痛のための特別な検診はありません。気になる頭痛があれば、早めに医療機関を受診しましょう。
合併症
治療しない場合
- ほぼ毎日のように頭痛が起こる「慢性片頭痛」にいたることがある
- 頭痛薬を頻繁に使うことで「薬剤の使用過多による頭痛」を引き起こすことがある
- 学校や仕事を休むことが増え、経済的な負担や家族・友人との関係に影響が出ることがある
- 不安やうつ、不眠などの心の不調につながることがある
長期的な見通し
片頭痛は、完治が難しくても、正しい理解と治療を続けることで、発作をしっかりコントロールし、充実した日常生活を送ることができます。多くの人は、年齢とともに発作の回数が減ることも知られています。一人で抱え込まず、医療と周囲のサポートを活用して、片頭痛とうまく付き合っていきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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