片頭痛の治療とフォローアップ:安心して生活するために
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
片頭痛(へんずつう)は、頭の片側または両側がズキズキと痛む発作をくり返す、脳の神経の病気です。ただの頭痛ではなく、脳の働きに影響する慢性の病気として、しっかりと付き合っていくことが大切です。
重要な事実
- 片頭痛は『ただの頭痛』ではなく、脳の神経のしくみが関係する病気です。
- 発作とよばれる頭痛の波は、数時間から数日続くことがあります。
- 適切な治療と生活の工夫で、発作を減らし、毎日を過ごしやすくすることができます。
とてもよく見られる頭痛の一つで、日本人の約8人に1人が経験するとされています。
子どもから大人まで幅広い年齢で起こりますが、特に10代から40代の女性に多いことが知られています。
症状
- 突然、今までにないほど激しい頭痛が起きた場合は、すぐに119番へ救急車を呼んでください。
- 頭痛と一緒に、言葉が話しにくい、片側の手足が動かない、しびれるなどがある場合は119番に電話してください。
- 首のこわばり、高い熱、意識がもうろうとする場合も、すぐに119番へ連絡してください。
- 頭を強く打ったあとに激しい頭痛がある場合も、119番に電話してください。
- ⚠頭痛が数日続き、どんどん強くなっている
- ⚠市販の痛み止めを使ってもまったく効かない
- ⚠何度も吐き続けて水分が取れない
- ⚠新しいタイプの頭痛が現れて、生活に大きな影響がある
一般的な症状
- 頭の片側がズキズキ・ガンガンと脈打つように痛む
- 光のまぶしさや音、においに敏感になる
- 吐き気や嘔吐があり、動くと痛みが強くなる
- 痛む前に、目の前がチカチカするなどの前ぶれがあらわれることがある
子供の症状
- 顔色が悪くぐったりする
- 「おなかが痛い」と訴えることがある
- 音や光を嫌がって静かな場所を求める
- 頭を抱えたり、学校に行きたがらなくなったりする
高齢者の症状
- 痛みがはっきりせず、頭が重く感じる
- めまいやふらつきを伴うことがある
- 初めての頭痛や、ふだんと違う頭痛が起こる
- 目の痛みやこわばりを感じることがある
原因
主な原因
- 脳の神経が過敏になり、血管が拡張することで痛みが起こると考えられています。
- はっきりとした原因はまだ研究中ですが、脳の情報伝達物質の働きが関係しているといわれています。
リスク要因
- 家族に片頭痛の人がいる
- ホルモンの変化(月経周期など)
- 睡眠不足や寝すぎ
- ストレスや、その後のリラックスした状態
- 天気・気圧の変化
- 特定の食べ物や飲み物、光や音・におい
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 頭痛の回数が増えて、日常生活に支障が出ている
- 痛みが徐々に強くなり、今までの薬が効かなくなった
- 頭痛と一緒に熱、首のこわばり、しびれなどがある
- 週に2回以上、痛み止めを使っている
定期受診を予約すべき場合:
- 片頭痛と診断された人は、症状の変化を伝えるために定期的な再診(フォローアップ)を受けましょう。
- 新しい前ぶれや症状が現れた場合は、次の診察で医師に相談しましょう。
- 薬の効果や副作用について気になる点があれば、次の診察で伝えましょう。
診断
医師が問診、症状の聞き取り、神経学的診察などをもとに診断します。頭痛の記録(ダイアリー)がとても役立ちます。必要に応じて、頭部の画像検査などが行われることもあります。
行われる可能性のある検査
- 頭痛ダイアリー(いつ、どんなとき、どのくらいの強さで痛むか)
- 神経学的診察(目の動き、まぶしさ、手足の感覚や力など)
- 必要に応じて、頭部のMRIやCTなどの画像検査
診察で予想されること
診察では、いつからどんな頭痛があるのか、頻度、痛みの強さ、きっかけ、家族歴などを詳しく聞かれます。焦らず自分の言葉で伝えましょう。初診は30分前後かかることがあります。
治療
片頭痛の治療は、①発作が起きたときに早く楽にする「発作時治療」と、②発作を予防する「予防療法」の2つが柱です。あなたの頭痛のタイプや生活リズムに合わせて、医師が個別の計画を立てます。フォローアップで効果を見ながら調整していきます。
自宅でのセルフケア
- 暗く静かな部屋で横になり、目を閉じて休む
- おでこや首のうしろを冷やす(または自分に合う温め方)
- 規則正しい食事、睡眠、水分補給を心がける
- 頭痛ダイアリーをつけて、自分に合う対策を見つける
- 痛みが強いときは無理に動かず、早めに休む
医療治療
医師が処方する治療には、頭痛の発作が起きたときに使う薬と、発作の頻度や強さを減らすための予防薬があります。吐き気を抑える薬を組み合わせることもあります。どの薬が合うかは人によって異なります。必ず医師の指示に従い、自己判断で薬を増やしたり、長く使い続けたりしないでください。
この病気と共に生きる
片頭痛は、完全に治すことよりも、うまく付き合っていくことが大切です。発作が来そうなサインを早く感じ取って、予定を調整するなど、自分をいたわる習慣を作りましょう。
生活習慣のアドバイス
- 睡眠は毎日同じくらいの時間を心がける
- 空腹を避け、バランスのよい食事をとる
- ストレスをため込まず、リラックスする時間を持つ
- 気圧や天気の変化が大きい日は無理をしない
- カフェインやお酒は自分に合う量を意識する
食事と運動
偏った食事や極端なダイエットは頭痛のきっかけになることがあります。3食しっかり食べ、水分をこまめに取りましょう。軽いウォーキングなどの有酸素運動はストレス解消や予防に役立ちますが、激しい運動は逆に発作を誘発することがあるので、自分のペースで行ってください。
精神的健康と心の健康
頭痛が続くと「また発作が起きたらどうしよう」と不安になったり、周囲に理解されず孤独を感じることもあります。つらい気持ちをため込まず、医師や家族、友人に話すことが大切です。気分の落ち込みが長く続く場合も、それも医師に相談してください。
予防
片頭痛自体を完全に予防する方法はありませんが、きっかけ(誘因)を見つけて避けること、予防薬を医師と相談しながら使うこと、規則正しい生活を続けることで、発作を減らせる可能性があります。フォローアップで医師と一緒に予防策を整えていきましょう。
合併症
治療しない場合
- 頭痛のために仕事や学校を休む機会が増える
- 痛み止めを週に何度も使うことで、かえって薬が効きにくくなる『薬物乱用頭痛』のリスクがある
- 生活の質が下がり、気分の落ち込みにつながることもある
長期的な見通し
片頭痛は、あきらめなければ大丈夫な病気です。適切な治療と生活の工夫、そして定期的なフォローアップを続けることで、多くの人が頭痛に振り回されずに日々を過ごせるようになります。一人で悩まないで、医療者と一緒に歩んでいきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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