妊娠中の片頭痛(マイグレーン)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
妊娠中の片頭痛(マイグレーン)とは、妊娠中に起こる、頭の片側が脈打つように痛む頭痛のことです。原因は完全には分かっていませんが、妊娠によるホルモンの変化やストレスなどが関係すると考えられています。つらい症状ですが、多くの場合、適切なケアで乗り越えられます。
重要な事実
- 妊娠中はホルモンの変化で片頭痛の出方が変わることがあります。
- 多くの妊婦さんでは、妊娠が進むにつれて片頭痛が落ち着いてきます。
- 妊娠中の頭痛は、まれに別の病気のサインのこともあるため、医師に相談することが大切です。
片頭痛は特に20〜40代の女性に多く、妊娠可能な年齢の女性の約10〜20人に1人が片頭痛を持っているとされています。妊娠中にも同じように起こることがあります。
片頭痛を持っている女性に多く見られます。初めての妊娠で片頭痛が始まる人もいますが、多くは妊娠前から片頭痛があった人です。
症状
- 突然、今までに経験したことのない激しい頭痛が起きた:すぐに119番に電話してください。
- 頭痛と一緒に、意識がもうろうとする、けいれんする、言葉が出ない、体の片側が動かないなどの症状がある:すぐに119番に電話してください。
- 頭痛に加えて、39度以上の熱があり、首が硬くて顎を胸につけられない:すぐに119番に電話してください。
- 妊娠中に血圧が高いと言われていて、強い頭痛が続く:すぐに119番に電話してください。
- ⚠妊娠中に初めて片頭痛のような症状が出た
- ⚠数日間続く頭痛で、休んでもよくならない
- ⚠吐き気やおう吐がひどく、水分がとれない
- ⚠頭痛のパターンが今までと変わってきた
- ⚠上記のような症状がある場合は、当日中に産科または脳神経内科の受診を検討してください。
一般的な症状
- 頭の片側がズキズキ、またはガンガンと脈打つように痛む
- 痛みの前に、キラキラした光やギザギザの模様が見える(前兆)ことがある
- 吐き気やおう吐、光や音に敏感になる
- 動くと痛みが強くなり、静かに休みたくなる
子供の症状
- この記事は妊娠中の方のための情報です。お子さんの頭痛については、小児科医に相談してください。
高齢者の症状
- この記事は妊娠中の方のための情報です。高齢期の頭痛は原因や対応が異なる場合があるため、医師に相談してください。
原因
主な原因
- 妊娠によるホルモン(エストロゲン)の急激な変化
- 睡眠不足や疲れ、ストレス
- 空腹や脱水、カフェインの急な中断
- 天候の変化、強い光、騒音などの環境要因
リスク要因
- 妊娠前から片頭痛があった
- 片頭痛の家族がいる
- 妊娠中に体重が大きく増えた、または睡眠が不足しがち
- 高血圧や妊娠高血圧症候群のリスクがある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 激しい頭痛が急に始まった
- 頭痛と一緒に、視界の異常、言葉が出にくい、体が動かないなどの神経症状がある
- 妊娠後期に強い頭痛があり、血圧が高いと言われた
- これらの場合は、すぐに医療機関を受診してください。必要なら119番に電話してください。
定期受診を予約すべき場合:
- 妊娠中に頭痛が続く、または繰り返す場合
- 片頭痛の症状があるが、妊娠中のため薬を飲んでよいか知りたい場合
- 頭痛のパターンが今までと変わった場合
診断
医師が話を聞き、頭痛の特徴や妊娠週数、血圧などを確認して診断します。妊娠中の頭痛の場合、まずは産科医に相談するとよいでしょう。
行われる可能性のある検査
- 血圧測定
- 尿検査(たんぱく尿がないか)
- 必要に応じて眼底検査やMRIなど
診察で予想されること
診察では、いつから頭痛があるのか、どんな痛みか、ほかに症状がないかなど詳しく聞かれます。痛みの日記をつけておくと、診断や対応に役立ちます。妊娠中でも安全に行える検査と、赤ちゃんへの影響について医師が説明してくれます。
治療
妊娠中の片頭痛の治療は、お母さんと赤ちゃんの両方に配慮して行います。まずは薬以外の方法でできるだけ楽にすることを目指し、どうしても必要な場合に医師が安全な治療を提案します。
自宅でのセルフケア
- 暗くて静かな部屋で休む
- 冷たいタオルや冷却ジェルを額やこめかみにあてる
- 水分をこまめにとり、食事を抜かない
- 規則正しい睡眠を心がける
- ストレスをためないように、リラックス法や休憩を取り入れる
医療治療
薬を使う場合も、妊娠中に使える安全なものだけを、医師が必要性とリスクを説明したうえで処方します。自己判断で市販薬を飲まないでください。非薬物療法や、必要に応じて予防的な対応も医師と相談できます。
手術が検討される場合
手術は、妊娠中の片頭痛に対して通常は行われません。ごくまれに別の脳の病気が原因と分かった場合に、その病気に対する治療として手術が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
妊娠中の片頭痛は、つらい時期が続くと不安になるかもしれません。しかし、多くの場合、妊娠が進むにつれて落ち着いてきます。自分に合った対処法を見つけ、無理をせず休むことが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 毎日同じ時間に起きて、朝日を浴びる
- こまめに休憩し、長時間同じ姿勢を続けない
- 片頭痛が起きそうなときは、早めに暗い部屋で休む
- 家族や職場に頭痛のことを伝え、協力をお願いする
食事と運動
バランスのよい食事を規則正しくとり、空腹を避けましょう。水分もしっかりとります。妊娠中に安全な範囲の軽い運動(歩く、マタニティヨガなど)は、ストレス解消や睡眠の改善に役立ちますが、産科医に確認してから始めるのが安心です。
精神的健康と心の健康
強い痛みが続くと、気分が落ち込んだり、不安が強くなったりすることがあります。妊娠中は特にホルモンの影響で感情が揺れやすい時期です。つらい気持ちをひとりで抱え込まず、産科医や助産師に話しましょう。妊娠中のうつ状態も早期に対応できるため、相談することが大切です。
予防
片頭痛のすべてを防ぐことはできませんが、きっかけ(誘因)を避けることで、起こる回数を減らせる可能性があります。頭痛が起こる前に何があったかを記録すると、自分の誘因が分かりやすくなります。
ワクチン
片頭痛を予防するワクチンはありません。妊娠中の予防接種について心配なことは、産科医にご相談ください。
検診プログラム
特別な検査はありませんが、妊娠中の定期健診で血圧や尿をチェックし、頭痛の有無を伝えることで、必要な対応につながります。
合併症
治療しない場合
- 片頭痛そのものが赤ちゃんに直接影響することはまれですが、強い痛みによって食事や睡眠がとれないと体調を崩しやすくなります
- 妊娠高血圧症候群や子癇(しけん)など、別の病気が隠れている場合に、気づかずに進行してしまうことがあります
- 自己判断で薬をのむと、妊娠中に避けたほうがよい薬で赤ちゃんに影響が出る可能性があります
長期的な見通し
多くの妊婦さんでは、妊娠時期が進むにつれて片頭痛が落ち着いてきます。妊娠中の片頭痛は、適切な診断とケアで十分に乗り越えられます。不安なときは遠慮なく医師に相談し、あなた自身と赤ちゃんの健康を守っていきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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