神経障害の診断を受けた方へ
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
神経障害(末梢神経障害)とは、手足や内臓に情報を伝える神経(末梢神経)が傷ついて、しびれや痛み、力が入らないなどの症状が出る病気です。
重要な事実
- 神経障害は、原因となる病気を治療することが大切です。
- 症状は、しびれ・痛み・感覚の低下・筋力の弱りなどがあります。
- 早めに相談して治療を始めると、症状の進行を抑えられることがあります。
神経障害は、決してまれな病気ではありません。糖尿病の経験がある方や、がんの治療(化学療法)を受けた方に多く見られます。
成人では、糖尿病・腎臓病・甲状腺の病気・がん治療を受けた方などに多く見られます。高齢者では、加齢に伴って発症しやすいことが知られていますが、子どもでも起こることがあります。
症状
- 急に息苦しくなった場合は、ためらわず119番に電話してください
- 突然、手足の力が入らなくなった場合は、すぐに119番へ
- 背中や首の激しい痛みとともに、脚の力が急に弱くなった場合は119番へ
- 排尿や排便が急にできなくなった場合は、すぐに救急や医療機関へ連絡しましょう
- ⚠しびれや痛みが急に強くなり、日常動作に支障が出る
- ⚠手や足の感覚がほとんどなくなる
- ⚠立つ・歩くことが難しくなった
一般的な症状
- 手足のしびれや感覚の鈍り
- ピリピリ・ジンジンとした痛み
- 触れたときの感覚が過敏になる
- 筋力が低下し、物を持ちにくい・歩きにくい
- バランスが取りにくくなる
子供の症状
- 子どもでは、ふだんの様子の変化で気づかれることがあります
- 歩き方がふらつく、よく転ぶ
- おもちゃや鉛筆を落としやすい
- 痛みや感覚をうまく伝えられない場合がある
高齢者の症状
- 高齢者では、しびれや痛みを「年のせい」と我慢してしまうことがあります
- 足の感覚が鈍いと転倒の危険が高まります
- 足に傷ができても気づきにくく、悪化しやすいことがあります
原因
主な原因
- 糖尿病(糖尿病性神経障害)
- がんの化学療法による神経への影響
- ビタミンB群やビタミンEなどの栄養不足
- 慢性腎臓病、甲状腺の病気
- アルコールの慢性的な過剰摂取
- 自己免疫疾患(免疫が自分の神経を攻撃する病気)
- 遺伝性の神経障害
リスク要因
- 血糖値のコントロール不良
- たばこ・過度の飲酒
- 栄養の偏り
- 長時間の座り仕事や、特定の環境での振動への曝露
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 症状が数日から数週間で急速に悪くなっている
- 手や足に力が入らず、歩行や物を握ることが難しい
- 激しい痛みがある
定期受診を予約すべき場合:
- しびれや痛みが数週間続いている
- 症状がでたり消えたりを繰り返している
- 仕事や家事などの日常生活に支障が出ている
診断
神経障害の診断は、問診(いつからどんな症状があるか)と神経学的診察(力を入れる・感覚・反射などのチェック)を基本に、必要に応じて検査を行って総合的に判断されます。
行われる可能性のある検査
- 神経伝導速度検査:神経に電気刺激を与えて、信号の伝わる速さを調べます
- 針筋電図検査:筋肉の電気的な活動を見て、神経と筋肉のつながりを評価します
- 血液検査:糖尿病・甲状腺の病気・ビタミン不足・免疫異常などを調べます
- MRI(画像検査):脊髄や神経の付け根を圧迫する病気がないか確認します
診察で予想されること
診察では、症状のほかに、持病や服用中の薬、飲酒や喫煙など生活の習慣についても聞かれます。原因の特定に時間がかかることもありますが、焦らずに医師と一緒に調べていくことが大切です。
治療
神経障害の治療は、まず原因となる病気への治療を行います(例:糖尿病の血糖管理、栄養不足の改善)。そのうえで、症状を和らげるための治療やリハビリを行います。
自宅でのセルフケア
- 足や手を清潔に保ち、傷ができていないか毎日確認する
- 熱すぎるお湯や保温器具に注意する(感覚が鈍いためやけどしやすい)
- 床のものを片付け、滑りにくい靴を選ぶなど転倒を防ぐ
- 長時間同じ姿勢を続けず、こまめに動く
- 睡眠や休息をしっかりとる
医療治療
症状の強さや原因に合わせて、神経の痛みを和らげるお薬や、しびれを改善するためのお薬が使われることがあります。薬の種類や量は医師が決めますので、必ず指示に従ってください。また、痛みに対して神経ブロック注射などの方法が選ばれる場合もあります。いずれも医師との相談のうえで進められます。
手術が検討される場合
手首や肘、背骨の中の神経が圧迫されて神経障害が出ている場合など、一部のケースでは手術が検討されることがあります。ただし、多くの神経障害では手術は第一の選択ではありません。
この病気と共に生きる
手足の感覚が鈍っていると、気づかないうちに傷を作ってしまうことがあります。毎日足の裏や指の間を確認し、靴ずれや赤み、傷がないかチェックする習慣をつけましょう。痛みやしびれが続くときは、無理をせず休むことも大切です。
生活習慣のアドバイス
- たばこはやめる(血流や神経機能に悪影響を及ぼします)
- アルコールは控えめにするまたは中止する
- 十分な睡眠と休息をとる
- ストレスをためないようにリラックス方法を見つける
- 足の運動やストレッチを毎日少しずつ行う
食事と運動
食事は、肉・魚・卵・大豆製品・緑黄色野菜などを使ったバランスのよい食事を心がけ、ビタミンB群が不足しないようにしましょう。運動は、痛みが強くない範囲でウォーキングや水中運動など無理なく続けられるものがおすすめです。
精神的健康と心の健康
慢性の痛みやしびれは、気分の落ち込みや不安、睡眠のトラブルを引き起こすことがあります。それはあなたが弱いからではなく、症状の一つです。一人で抱え込まず、家族や友人、医療者に話しましょう。心理的なサポートも治療の一部です。
予防
神経障害のすべてを予防することはできません。しかし、糖尿病や生活習慣病など原因となり得る病気をしっかり治療・管理することで、発症リスクや進行を抑えられる場合があります。
ワクチン
神経障害そのものを防ぐワクチンはありません。ただし、帯状疱疹(神経の痛みを伴う病気)は予防接種によってリスクを下げられる可能性があります。詳しくは医師に相談してください。
検診プログラム
糖尿病などの持病がある方は、定期的に血液検査や神経のチェックを受けることで、神経障害の早期発見につながります。
合併症
治療しない場合
- 足の感覚が鈍くてケガややけどをしても気づかず、傷が悪化する
- 足の潰瘍から感染症を起こす
- 筋力低下により転倒・骨折のリスクが高まる
- 自律神経の障害により、立ちくらみ、下痢・便秘、排尿トラブルなどを伴う
- うつ状態や不眠など心身の健康に影響する
長期的な見通し
神経障害は、原因を見つけて適切に治療を続ければ、症状の悪化を防ぎ、良くなることも期待できます。治療には時間がかかることもありますが、多くの場合、症状と上手につき合いながら、日常生活を送ることが可能です。希望を持って医療者と一緒に進んでいきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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