片頭痛を予防する — 発作を減らすための生活のコツ
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
片頭痛(へんずつう)は、脳の血管や神経の働きが原因で起こると考えられる頭痛です。痛みはズキズキと脈打つように感じられることが多く、光や音に敏感になったり、吐き気を伴ったりするのが特徴です。命にかかわることはまれですが、日常生活に大きく影響するため、きちんと予防と対処をすることが大切です。
重要な事実
- 片頭痛は、誰にでも起こる頭痛とは異なり、脳の神経の働きが関係している病気です。
- 頭痛ダイアリーをつけると、自分だけの「引き金」が見つかりやすくなります。
- 生活習慣の改善と適切な治療によって、発作の回数を減らすことができます。
はい、日本人の約8%が片頭痛を経験すると言われ、特に20〜40歳代の働き盛りの人に多く見られます。
片頭痛は女性に多く、男性の約2〜3倍の頻度です。思春期から増え始め、30〜40歳代にピークがあります。子どもや高齢者にも見られますが、症状の表れ方が違うことがあります。
症状
- 今まで経験したことのない突然の激しい頭痛(雷鳴頭痛)
- 頭痛と一緒に、意識がもうろうとする、しゃべりにくい、片方の手足が動かしにくい
- 頭を強くぶつけた後の激しい頭痛や嘔吐
- 高熱と頭痛、首のこわばりがある
- このような場合は、すぐに119番に電話してください。
- ⚠頭痛が何日も続く、または少しずつ悪くなっている
- ⚠朝起きたときや夜中に目が覚めるような頭痛
- ⚠市販の痛み止めを月に10回以上使っている(薬物乱用頭痛のおそれ)
- ⚠妊娠中や産後に、今までにない頭痛が起きた
一般的な症状
- ズキズキと脈打つような頭痛が、数時間から3日ほど続く
- 頭の片側が痛むことが多い。両側が痛むこともある
- 光や音、においに敏感になる
- 吐き気や嘔吐を伴うことがある
- 体を動かすと痛みがひどくなる
子供の症状
- めまいやおなかの痛み、乗り物酔いとして現れることがある
- 頭の「痛い」ではなく「気持ち悪い」「重い」と表現することがある
- 学校を休みたがるなど、元気がないように見える
高齢者の症状
- 若い頃と違って、頭痛の痛みがはっきりせず、めまいやふらつきが目立つことがある
- 視界にチカチカした光が見える「前兆」だけがあって、頭痛が軽いことがある
- お薬の使いすぎによる頭痛(薬物乱用頭痛)に特に注意が必要
原因
主な原因
- 脳の血管が広がり、その周りの三叉神経(さんさしんけい)という神経が刺激を受けて炎症を起こすことが関係しています
- 脳内の神経伝達物質(セロトニンなど)のバランスが崩れることがきっかけになります
- 光・音・におい・気圧・疲れ・ストレスなど、日常生活の中に「引き金(トリガー)」があり、それが重なることで発作が起こります
リスク要因
- 女性(月経周期やホルモンの変化)
- ストレスや、ストレスから解放された後の反動
- 寝不足、寝すぎ、睡眠リズムの乱れ
- 空腹や不規則な食事
- カフェインやアルコール(特に赤ワイン)
- 強い光、騒音、強い香り、天候や気圧の変化
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 頭痛の頻度が多く(月に4回以上)、鎮痛薬の使用も増えている
- 市販薬を使いすぎている(月に10回以上)
- 頭痛がひどくなっている、または新しくまひなどの症状が出ている
- 夜間や早朝に目が覚めるような頭痛や、動作で悪化する頭痛
定期受診を予約すべき場合:
- 年に数回程度で、生活に支障がない場合は、健康診断やかかりつけ医のときに相談してもよいでしょう。
- 頭痛ダイアリーをつけて、受診の準備をしておくと、診察がスムーズです。
診断
診断の基本は、問診と頭痛ダイアリーです。脳の病気がないか確かめるために、必要に応じて画像検査を行うこともあります。
行われる可能性のある検査
- 頭部CT・MRI――脳に出血や腫瘍などがないかを確認します
- 血液検査――炎症や感染など、頭痛を引き起こす体の異常を調べます
- 頭痛ダイアリー――2〜4週間、発作の日時・強さ・引き金を記録します
診察で予想されること
問診では、頭痛の回数・時間帯・場所・強さ・前ぶれ・使っているお薬・生活習慣などを聞かれます。特に「片頭痛かどうか」よりも「危険な頭痛をどう除外するか」を大切にしています。安心して話せるように、あらかじめメモを持っていきましょう。
治療
片頭痛の治療は、①つらい発作が起きたときの「急性期治療」、②発作そのものを減らす「予防療法」の2つに分かれます。どちらも医師の指導のもとで行い、生活習慣の改善を合わせることが大切です。
自宅でのセルフケア
- 頭痛が始まったら、静かで暗い部屋で横になる
- 冷たいタオルや氷のうで、痛む場所を冷やす
- 水分をこまめに取り、カフェインを避ける
- 頭痛の「引き金」を避ける(光・音・におい・空腹など)
- 頭痛ダイアリーをつけて、自分のパターンを知る
医療治療
発作を和らげるお薬、吐き気を抑えるお薬、発作を減らすための予防薬などがあります。いずれも自己判断で市販薬を併用せず、必ず医師や薬剤師に相談してください。予防薬は毎日飲んで、発作の頻度を減らす目的で使います。効果や副作用は人によって違うため、医師と相談しながら合うものを見つけます。
手術が検討される場合
片頭痛に対して外科手術が行われることはまずありません。薬で改善しない重症例では、頭痛専門医が適切な治療を組み合わせて行いますので、手術を心配する必要はありません。
この病気と共に生きる
片頭痛は「付き合い方」が大切な病気です。発作が起きる前のサインに気づき、早めに対処することで、痛みのピークをやわらげられます。完璧を目指さず、自分のペースを大切にしましょう。
生活習慣のアドバイス
- 毎日同じ時間に起きて、朝日を浴びる
- 就寝前はスマホやパソコンを控え、リラックスする時間をつくる
- 肩や首の血行をよくするために、軽いストレッチや入浴を習慣にする
- 寝すぎにも注意し、睡眠時間は一定に保つ
食事と運動
食事は、欠食せず、バランスよく食べることが予防につながります。赤ワイン・チョコレート・チーズ・ナッツなどは人によって片頭痛の引き金になるため、自分の体で確認するとよいでしょう。運動は、ウォーキングやヨガなどの軽い有酸素運動から始め、週に2〜3回を目安にします。
精神的健康と心の健康
片頭痛が続くと、「また頭痛が起きたらどうしよう」という不安から外出や予定を避けるようになったり、気分の落ち込みやいらいらを感じたりすることがあります。そうした気持ちは自然な反応です。ひとりで抱え込まずに、家族や医療者に相談しましょう。
予防
片頭痛を完全に根絶することは難しいですが、回数を減らし、強さをやわらげることは十分可能です。自分の引き金を避ける、規則正しい生活をする、必要に応じて予防薬を使用する――この3つを組み合わせることで、多くの人が改善を感じます。
ワクチン
片頭痛を直接予防するワクチンはありません。
検診プログラム
健診での特別な検査はありませんが、頭痛の頻度が増えてきたと感じたら、早めに医療機関に相談しましょう。
合併症
治療しない場合
- 片頭痛が頻繁に起きると、仕事や学業、家事などの日常生活に大きな支障が出る
- 痛み止めを頻繁に使うことで、「薬物乱用頭痛」になり、薬が効きにくくなる
- 頭痛への不安から外出や楽しみを避けるようになり、社会的な孤立やうつ状態につながることがある
長期的な見通し
片頭痛は、正しい予防と治療によって、多くの人が日常生活への影響を大きく減らせます。「治らない」とあきらめず、自分の体に合った対策を、医療者と一緒に見つけていきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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