乳がん検診について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
乳がん検診は、症状がないうちに乳がんを早期に見つけるための検査です。日本では主にマンモグラフィー(乳房のX線写真)を使います。小さながんを早く見つけることで、治療の選択肢が広がり、治る可能性が高まります。
重要な事実
- 乳がん検診は、症状がない人を対象に、乳がんを早期に発見するために行われます。
- マンモグラフィーでは、乳房を板で挟んでX線写真を撮るため、少し痛みがあることがありますが、数秒で終わります。
- 検診で異常が指摘されても、多くはがんではない良性の変化です。
- 日本の厚生労働省は、40歳以上の女性に2年に1回の乳がん検診を推奨しています。
- 乳がんは早期発見すれば、治る可能性が高いがんです。
乳がんは、日本人女性が最も多くかかるがんで、毎年約9万人以上が新たに診断されています。40歳代から増え始め、50歳代で最も多くなります。
主に女性の病気ですが、まれに男性も乳がんになることがあります。年齢が上がるとリスクが高くなり、家族に乳がんの人がいる場合や、生まれつきの遺伝子の変化がある場合もリスクが高くなります。
症状
- 突然の胸の強い痛み、呼吸困難、意識がもうろうとするなどの症状が現れた場合は、すぐに119番に連絡してください。
- 乳がんの治療中に、急に止まらない出血や、高熱と息苦しさが同時に現れた場合も、119番に連絡してください。
- ⚠乳頭から血液が混ざった分泌物が出る
- ⚠乳房のしこりが急に大きくなる
- ⚠乳房の皮膚が赤く腫れて痛みがある
- ⚠乳頭が片方だけ引っ込んだ
- ⚠脇の下にしこりができる
一般的な症状
- 乳房にしこり(触ると固い塊)を感じる
- 乳頭から分泌物(特に血液が混ざる)
- 乳房の皮膚がえくぼのようにくぼむ
- 乳頭や皮膚がただれる、かさぶたができる
- 乳房が赤くはれたり、熱を持ったりする
- わきの下にしこり(リンパ節の腫れ)
原因
主な原因
- 乳がんの原因は完全には解明されていませんが、女性ホルモン(エストロゲン)の影響が関与していると考えられています。エストロゲンに長年さらされるほど、乳がんのリスクが高くなるとされています。
- 一部の乳がんは、生まれつきの遺伝子の変化(BRCA1やBRCA2などの遺伝子変異)が原因です。
リスク要因
- 40歳以上の年齢
- 初経が早い(12歳以下)
- 閉経が遅い(55歳以降)
- 出産・授乳の経験がない
- 閉経後の肥満
- 飲酒習慣
- 家族に乳がんの人がいる(親、兄弟姉妹、子)
- 乳腺の病気(異型増殖など)の既往
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 乳房のしこりが1週間以上消えない
- 乳頭からの血性分泌物がある
- 乳房の皮膚にへこみや赤みがある
- 乳頭の形が変わった
- 脇の下のしこりがある
定期受診を予約すべき場合:
- 40歳以上の女性は、自治体の乳がん検診を2年に1回受けてください。
- 30代でも、家族に乳がんの人がいる場合は、医師に検診の相談をしましょう。
- 気になる症状がなくても、定期健診のときに乳腺外来の受診を検討しましょう。
診断
乳がん検診では、まず問診と視触診(医師が乳房を見て触って確認)を行い、マンモグラフィーでX線写真を撮ります。必要に応じて超音波検査(エコー)を追加することもあります。異常が疑われた場合は、精密検査のために再検査や細胞診が行われます。
行われる可能性のある検査
- マンモグラフィー(乳房のX線撮影)
- 超音波(エコー)検査
- 視診・触診
- 細胞診・針生検(しこりから細胞や組織を採取して調べる)
診察で予想されること
検診自体は10分ほどで終わります。マンモグラフィーでは乳房を板で挟むため、一時的に痛みを感じることもありますが、ほんの数秒です。結果は2週間から3週間程度で郵便で届くことが多いです。異常があった場合は、精密検査の案内があります。
治療
乳がんと診断された場合、治療は手術、放射線療法、薬物療法などを組み合わせて行われます。治療方針は、がんの進行度、種類、ホルモン受容体の有無などによって決まります。医療チームが患者さんと相談しながら計画を立てます。早期に見つかれば、乳房を残す手術の可能性も高くなります。
自宅でのセルフケア
- 検診後に乳房が痛む場合は、冷たいタオルで冷やすと楽になります。
- 治療中は、体を休めて十分な睡眠をとる。
- 副作用やつらい症状は我慢せず、医師や看護師に相談する。
- お酒は控えめにし、禁煙を心がける。
医療治療
治療には、がんを取り除く手術、体の外から放射線を当てる放射線療法、全身に効く薬による薬物療法があります。薬物療法にはホルモン療法、抗がん剤治療、分子標的治療などがありますが、具体的な薬の名前や使用方法は医師が説明します。どの治療が適しているかは、がんの性質を調べる検査結果に基づいて決まります。
手術が検討される場合
乳がんで手術を行う場合は、多くのがんが対象になります。がんが小さく、乳房に限局している場合は、腫瘍の周りだけを切除して乳房を残す手術(部分切除術)が可能です。がんが大きい場合や広がっている場合は、乳房全体を切除する手術(全切除術)になります。また、わきの下のリンパ節の状態を調べるために、センチネルリンパ節生検やリンパ節郭清が行われることがあります。
この病気と共に生きる
乳がん検診や治療のあとも、多くの人は普段の生活を続けられます。手術後は腕の動きに違和感があったり、むくみが出たりすることがありますが、リハビリやマッサージなどのケアで改善できることがあります。定期的な通院や自己検診を続けることが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 禁煙と節酒を心がける。
- バランスのよい食事を3食とる。
- 週150分の早歩きなど、適度な運動を続ける。
- 体重を適正に保つ。
- 十分な睡眠とストレス管理をする。
食事と運動
野菜・果物・大豆製品・魚を多く含む日本型の食事は、乳がんの再発リスクを下げる可能性があります。運動は、女性ホルモンのバランスを整え、肥満を防ぐことで、乳がん予防に役立つとされています。
精神的健康と心の健康
検診で異常を指摘されたり、乳がんと診断されたりすると、不安や悲しみ、怒りなどさまざまな感情がわくのは自然です。その気持ちを一人で抱え込まず、つらい場合は家族や友人、医療者に話しましょう。必要に応じて心理士によるカウンセリングや、がん相談支援センターなどの専門のサポートを利用することもできます。
予防
乳がんを完全に予防する方法はまだありません。しかし、定期的な検診で早期に見つけることが最も効果的であり、生活習慣の改善(禁煙、節酒、適正体重の維持、運動)によってリスクを下げられる可能性があります。
ワクチン
現在、乳がんを予防できるワクチンはありません。
検診プログラム
日本の厚生労働省は、症状がなくても40歳以上の女性が2年に1回、乳がん検診(マンモグラフィー)を受けることを推奨しています。市区町村のがん検診を利用すれば、安い費用で受けることができます。また、30代でも家族歴や気になる症状があれば、医師に相談して検診を受けましょう。
合併症
治療しない場合
- がんが大きくなり、乳房の皮膚を破って潰瘍ができる。
- わきの下のリンパ節に転移し、腕がむくむ。
- 骨に転移して強い痛みが出る。
- 肺や肝臓などに転移すると、呼吸困難や黄疸などの症状が出る。
長期的な見通し
乳がんは、早期に発見できれば5年生存率が90%以上と、治る可能性が非常に高いがんです。検診で発見されるがんは、比較的小さく、治癒の可能性が高いものが多いです。治療法も進歩しており、進行した場合でも長く安定して生活できる方が増えています。希望を持って治療に取り組むことが大切です。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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