発作がある方の旅行安全ガイド ─ 安心して出かけるためのポイント
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
発作(けいれん)は、脳の神経細胞が一時的に乱れて、体の動きや意識に異常が出る状態です。旅行中は睡眠不足や疲れ、ストレスなどで発作が起こりやすくなることがあります。正しい準備と対処法を知っておけば、多くの方は安全に旅行を楽しめます。
重要な事実
- 発作は、てんかんと診断されている人だけでなく、誰にも起こりうる可能性があります。
- 旅行中の発作は、睡眠不足・疲れ・時差・飲み忘れなどがきっかけになることがあります。
- 事前に医師へ相談し、薬を十分に持参することが大切です。
- 5分以上続く発作や、繰り返す発作は、すぐに119番をご利用ください。
発作そのものは珍しいことではありません。約100人に1人がてんかんと診断されると言われています。旅行者にも、普段発作がない人でも、強い疲労や睡眠不足などで発作が起こることがあります。
発作は、子どもから高齢者までどの年齢でも起こりえます。特に、てんかんと診断されている人や、過去に頭部のけがをした人は、旅行先でも注意が必要です。
症状
- 発作が5分以上続く
- 発作が止まったと思ったら、また繰り返す
- 発作後も意識が戻らない
- 呼吸が止まる、または呼吸が弱い
- 水の中や危険な場所で発作が起こった
- 妊娠中の女性が発作を起こした
- ⚠初めて発作を起こした
- ⚠発作の様子が普段と明らかに異なる
- ⚠頭を打った後に発作が起こった
- ⚠発作が短くても、その後何時間も頭痛やだるさが続く
一般的な症状
- 突然意識を失い、体が硬直してから手足がけいれんする
- ぼんやりして周囲の反応がなくなる
- 白目をむく、口から泡を吹く
- 失禁してしまう
子供の症状
- 一点をじっと見つめて反応がない
- 短い時間だけ意識が遠くなる
- 突然機嫌が変わる、または不自然な動きをする
高齢者の症状
- 意識がもうろうとする時間が長く続く
- 転倒しやすく、けがをするリスクが高い
- 発作後に、ぼんやりした状態や混乱が続く
原因
主な原因
- 睡眠不足や過労
- 時差ぼけによる生活リズムの乱れ
- ストレスや不安
- 薬の飲み忘れ(特に抗てんかん薬)
- アルコールやカフェインのとりすぎ
- 強い光の点滅(パソコンやテレビ、遊園地のアトラクションなど)
リスク要因
- てんかんの診断歴がある
- 旅行日程がハードすぎる
- 普段と異なる環境で睡眠が十分に取れない
- 脱水になりやすい
- 持病(腎臓や肝臓の病気など)がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 突然の発作を初めて経験した
- 発作が繰り返し起こる、または長く続く
- 発作で頭を打つなど、けがをした
- 発作後に麻痺や言葉の障害などが残る
定期受診を予約すべき場合:
- 旅行の前に、主治医に旅行計画や注意点を相談する
- 持っている薬の量と、お薬手帳を確認する
- 発作のコントロールが不安定な場合は、旅行の可否を医師に確認する
診断
発作が起きたときの様子を、本人や周りの人が医師に伝えることが大切です。医師は、問診のほか、必要に応じて脳波検査や画像検査を行って、発作の原因を調べます。旅行中に発作が起こった場合は、現地の医療機関でも状況を説明できるように、あらかじめ症状や発作のタイプを記録しておくとよいでしょう。
行われる可能性のある検査
- 脳波検査(頭に電極を付けて脳の電気活動を調べる検査)
- 頭部CT検査やMRI検査(脳の状態を画像で確認する検査)
- 血液検査(電解質や血糖値などの異常がないかを調べる検査)
診察で予想されること
医師は、発作のタイプや頻度に合わせて、旅行中の注意点を説明します。発作が起きやすい人は、主治医に旅行の予定を伝え、必要な指示を受けることをおすすめします。
治療
治療の目標は、発作をできるだけ抑え、けがを防ぎ、安心して日常生活や旅行を送ることです。多くの場合、毎日の薬(抗てんかん薬)を規則正しく飲むことで発作が抑えられます。旅行中も治療を休まず続けることが基本です。
自宅でのセルフケア
- 睡眠を十分に取り、無理な日程にしない
- 薬は、持ち歩き用と預ける用の2セット用意する
- 時間になると飲めるように、スマホのアラームや時計を活用する
- アルコールは控えめにし、水分をこまめに取る
- 強い光の点滅がある場所は避ける
- 同行者に発作が起きたときの対処法を伝えておく
医療治療
治療では、医師が発作の種類や体質に合わせて、発作を抑える薬(抗てんかん薬)を処方します。薬の種類や量は患者さんごとに異なり、効果と副作用を見ながら慎重に調整されます。薬は勝手にやめたり変えたりせず、医師の指示に従って飲むことが大切です。また、薬が効きにくい一部の人には、外科手術などの治療が選ばれることもありますが、まずは薬による治療が中心です。
手術が検討される場合
薬で十分に発作が抑えられない場合に、てんかんの専門病院で手術の可能性が検討されます。旅行前に治療方針について確認し、必要があれば専門医へ紹介してもらいましょう。
この病気と共に生きる
旅行は、発作があっても人生を豊かにする機会です。出発前に医師と相談し、計画を無理のないものにして、いざというときの行動を決めておきましょう。発作が起きても慌てずに、安全な場所で横になり、周囲に助けを求めることが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 規則正しい生活リズムを心がけ、睡眠時間を確保する
- 毎日の内服薬を欠かさない
- 旅行先の緊急連絡先や、利用する医療機関の情報をメモしておく
- 発作を起こしやすいことを、必要に応じて同行者や宿泊先に伝える
- ストレスをため込まないよう、リラックスタイムを作る
食事と運動
食事は普段通りに楽しんで構いませんが、偏らず、バランスよく食べましょう。脱水は発作の誘因になることがあるため、特に飛行機や長距離の移動中はこまめに水分を補給してください。激しい運動やレジャーをする場合は、無理をせず、十分な休憩を挟みましょう。
精神的健康と心の健康
発作への不安や、周囲に迷惑をかけるかもしれないという気持ちから、旅行を楽しめなくなることがあります。そんなときは、自分のペースで行動し、休むことも選択肢のひとつです。不安は医師や家族に相談すると、気持ちが軽くなることがあります。
予防
すべての発作を防ぐことはできませんが、睡眠不足を避け、飲み忘れを防ぎ、疲れやストレスをためないことで、発作のリスクを大きく減らせます。旅行前に主治医の健康チェックを受け、普段どおりの生活リズムを崩さないよう心がけましょう。
ワクチン
発作そのものを予防するワクチンはありません。ただし、発熱や感染症が発作のきっかけとなることがあるため、旅行前に必要な予防接種の確認や、感染症対策を行うことは役立つ場合があります。
検診プログラム
旅行前に症状の経過や発作の頻度を振り返り、主治医に相談することが、最も重要なチェックです。必要に応じて、脳波検査などの再評価が行われることもあります。
合併症
治療しない場合
- 発作が繰り返し起こると、転倒や骨折などのけがをする危険が高まる
- 入浴中やプールなどで発作が起こると、溺れる危険がある
- 運転中に発作が起こると、重大な交通事故につながる恐れがある
- 発作が長く続くと、脳が酸欠状態になり、体に大きな負担がかかる
長期的な見通し
適切な治療と準備があれば、多くの人は旅行を含む普段の生活を安全に送ることができます。発作はあっても、あきらめるのではなく、医師と一緒に自分に合った対策を見つけることが希望につながります。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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