めまいのリスクと受診の目安
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
めまいとは、自分や周囲が回っているように感じたり、ふわふわと浮くような不安定感を感じたりする症状です。脳や内耳(耳の奥にある平衡感覚をつかさどる器官)のどこかに異常があると起こります。めまい自体は病気ではなく、何らかの原因が現れたサインです。もし突然のめまいとともに危険なサインがある場合は、すぐに119番に連絡してください。
重要な事実
- めまいはよくある症状で、多くの場合は心配のない一時的なものです。
- ただし、まれに脳卒中など命に関わる病気が原因のこともあります。
- 頭を動かしたときに短い回転性めまいが繰り返す場合は、良性発作性頭位めまい症のことが多いです。
- めまいの症状を医師に正確に伝えることで、適切な検査や治療につながります。
- 突然のめまいに加えて、ろれつが回らない、麻痺があるときは、すぐに119番へ連絡してください。
はい。めまいは、外来の受診理由としてとても多い症状です。一生のうちに約4人に1人が経験するといわれています。
どの年齢でも起こりますが、特に高齢者に多く、女性は男性よりやや多いことが知られています。
症状
- 次のいずれかの症状があるときは、すぐに119番(救急車)を呼んでください
- 突然のめまいとともに、ろれつが回らない
- 顔の半分が動かしにくい、手足に力が入らない
- 今までに経験したことのない激しい頭痛がある
- 視野が欠ける、物が二重に見える
- 意識がもうろうとしている、呼びかけに反応しない
- 胸の痛みや動悸、息苦しさを伴う
- ⚠めまいがひどく、立っていられない
- ⚠めまいが何時間も続く、または繰り返す
- ⚠急に耳の聞こえが悪くなった、耳鳴りがひどい
- ⚠吐き気やおう吐が激しく、水分がとれない
- ⚠転倒して頭をぶつけた、体を強く打った
一般的な症状
- ぐるぐる回る回転性めまい
- ふわふわ浮くような動揺性めまい
- 立ちくらみのような目の前が暗くなる感じ
- 歩くとふらついて、まっすぐ歩けない
- 吐き気やおう吐
- 耳鳴りや聞こえにくさを伴うこともある
子供の症状
- 子どもは「頭がクラクラする」と表現することが多い
- 発熱や中耳炎、便秘などが原因で起こることがある
- 起立性調節障害(立ちくらみが起こりやすい体質)も一因になる
- 頭を強く打ったあとのめまいは必ず医師の診察を受ける
高齢者の症状
- 加齢で平衡機能が低下し、めまいを起こしやすい
- 降圧薬など薬の影響でふらつくことがある
- 脳梗塞や心臓の病気の前触れとしてめまいが現れることがある
- めまいで転倒すると骨折などのけがにつながる危険がある
原因
主な原因
- 良性発作性頭位めまい症(BPPV): 内耳の耳石がはがれて半規管に入り込むことで、頭を動かすと短い回転性めまいが起こります。最も多い原因の一つです。
- メニエール病: 内耳のリンパ液が過剰になり、めまい・難聴・耳鳴りを繰り返します。
- 前庭神経炎: ウイルス感染などで平衡をつかさどる神経に炎症が起こり、突然の強い回転性めまいが現れます。
- 起立性低血圧: 立ち上がったときに血圧が急に下がって、ふらつきや立ちくらみが起こります。
- 脳卒中(脳梗塞・脳出血): めまいがのみの症状のこともありますが、緊急治療が必要な場合があります。
- 不安やストレスによる心因性めまい: 強い不安や緊張で、ふわふわしためまいが続くことがあります。
リスク要因
- 頭部の外傷の経験
- 内耳の感染症
- 睡眠不足・疲労・ストレス
- 脱水や栄養不足
- 高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病
- 一部の薬の服用(血圧の薬、利尿薬など)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- めまいがひどく、日常生活を送れない
- めまいが数時間以上続く
- 耳の聞こえが急に悪くなった
- 薬を変えたあとふらつきが出た
- 妊娠の可能性がある場合
定期受診を予約すべき場合:
- めまいを繰り返す
- めまいの期間が長い(数日以上)
- 耳鳴りや難聴を伴う
- 日常生活に支障が出ている
診断
医師はまず「いつから、どんなときに、どのようなめまいが起こるか」「他に症状はないか」「飲んでいる薬や持病の有無」などを詳しく聞き取ります。そのうえで、平衡機能や神経の状態を確認する診察を行います。
行われる可能性のある検査
- 問診(症状の内容・頻度・きっかけ・持続時間など)
- 神経学的診察(目の動き・手足の力・バランス・歩行など)
- 聴力検査(耳の聞こえを確認)
- 眼振検査(目が揺れるかどうかを観察)
- 頭位検査(頭の位置を変えてめまいが起こるかを確認)
- 必要に応じてCT・MRIなどの画像検査、血液検査、心電図
診察で予想されること
検査は痛みを伴うものはほとんどありません。めまいの診察では、実際にめまいを起こすこともありますが、原因を特定するために必要なものです。結果に基づいて、医師から治療や生活上のアドバイスが行われます。
治療
めまいの治療は原因によって異なります。良性のめまいでは、安静や生活の工夫だけで良くなることが多く、必要に応じて薬物療法やリハビリテーションが行われます。原因となる病気がある場合は、その病気の治療が先に行われます。
自宅でのセルフケア
- めまいがしたら、無理をせず横になって休む
- 立ち上がるときはゆっくり、手すりや壁につかまる
- 水分をこまめにとり、脱水を防ぐ
- 睡眠を十分にとり、疲れをためない
- ストレスをためないように、気分転換の方法を持つ
- めまいの日記をつけて、症状のパターンを把握する
医療治療
医師は原因に合わせて、吐き気を抑える薬、めまいを軽くする薬、内耳のむくみをとる薬、血流を改善する薬、不安を和らげる薬などを短期間処方することがあります。また、良性発作性頭位めまい症では、耳石を元の場所に戻すための頭位治療(耳石置換法)が行われます。薬の使用については、必ず医師や薬剤師に相談してください。
手術が検討される場合
手術が必要になることはまれですが、メニエール病など内耳の病気で症状が重く、薬でコントロールできない場合に、専門の医療機関で手術が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
めまいは完治しにくいこともありますが、うまく付き合っていくことはできます。症状が出る状況を把握し、日々の生活に工夫を取り入れましょう。めまいの程度を記録しておくと、受診時に役立ちます。
生活習慣のアドバイス
- 朝はゆっくり起きる
- 入浴は熱すぎないお湯にし、のぼせないようにする
- タバコや過度の飲酒は控える
- カフェインのとりすぎに注意する
- 規則正しい生活で自律神経のバランスを整える
食事と運動
食事は1日3食を規則正しくとり、塩分や糖分のとりすぎに注意しましょう。メニエール病の人は塩分制限が症状の安定に有効なことがあります。運動は、ふらつきが少ない時に、ゆっくり歩く、ラジオ体操をするなど、転倒の危険がないものから始めましょう。
精神的健康と心の健康
めまいは自律神経やストレスの影響も受けるため、不安や緊張が続くと症状が強くなることもあります。外出や活動が減り、気分が落ち込んだり、人間関係に影響が出たりすることもあります。つらい気持ちを一人で抱えず、家族や友人、医師に話しましょう。こころの不調が続く場合には、厚生労働省が提供する相談窓口も参考にできます。
予防
すべてのめまいを予防することはできませんが、転倒防止のための環境整備や、生活習慣の改善によって、めまいによるけがのリスクを減らすことはできます。
検診プログラム
特定のめまい予防検診はありませんが、健康診断で血圧や血糖値などを確認しておくことは、脳卒中などの予防につながります。
合併症
治療しない場合
- めまいによる転倒で骨折や頭部外傷を起こすこと
- 原因が脳卒中の場合、治療が遅れると後遺症が残るリスクが高い
- メニエール病などでは難聴が進行することがある
- めまいのために外出を避け、筋力低下や社会的孤立につながること
長期的な見通し
めまいの原因は、検査で多くの場合特定できます。良性のめまいは自然に治ることも多く、治療で改善する人も大半です。脳の病気が原因であっても、早期に発見できれば、適切な治療を受けることで後遺症を最小限にできます。希望を持って、医師と一緒に取り組みましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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