更年期のセルフケア:自宅でできる体と心の整え方
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
更年期とは、閉経(最後の月経)の前後5年ほどの期間を指します。この時期は卵巣の働きがゆるやかに低下し、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が減るため、体や心にさまざまな変化が現れやすいのが特徴です。更年期後は、体が新しい状態に慣れていくためのケアが大切になります。
重要な事実
- 更年期は誰にでもある自然な経過です。
- 症状の出方や強さは人それぞれで、自力で整えられるものも多くあります。
- つらい症状があるときは、医療機関で相談できます。
とても一般的です。日本人女性の約8割が、何らかの更年期症状を経験すると言われています。
主に40代後半から50代の女性に多く見られます。ただし、手術や治療の影響で早まることもあります。
症状
- 胸の強い痛み
- 息が苦しい・息切れが急に悪化
- 大量の性器出血
- 突然の強い頭痛
- ろれつが回らない・片側の手足のまひ
- ⚠普段とは違う性器出血
- ⚠めまいや立ちくらみがひどい
- ⚠我慢できないほどつらい不眠や気分の落ち込み
一般的な症状
- ほてりやのぼせ(熱感)
- 寝汗(夜間の発汗)
- 眠りにくい・途中で目が覚める
- 気分の落ち込みやイライラ
- 腟(ちつ)の乾燥や性交時の痛み
- 関節や筋肉のこわばり・痛み
子供の症状
- この項目は該当しません。
高齢者の症状
- 腟の乾燥やかゆみが続く
- 骨量の低下による骨粗しょう症のリスク
- 頻尿や尿もれ
- 肌や髪の乾燥
原因
主な原因
- 卵巣の機能が加齢により自然に低下すること
- 卵巣を摘出する手術や抗がん剤治療などによる場合
リスク要因
- 強いストレス
- 体を動かす習慣があまりない
- 生活リズムの乱れ
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 大量の性器出血が続く
- 強い胸の痛みや息苦しさがある
- 自分を傷つけたい気持ちがある
定期受診を予約すべき場合:
- ほてりや寝汗が日常生活に支障をきたす
- 不眠や気分の落ち込みが長く続く
- 腟の乾燥や痛みで性生活がつらい
診断
婦人科で、問診(症状や経過を伝える)と、必要に応じて血液検査などを行います。一般的に、年齢と症状の経過から総合的に判断されます。
行われる可能性のある検査
- 問診(しつもん)
- 血液検査(女性ホルモンの値や卵巣の状態を調べる)
- 骨密度検査(骨粗しょう症のリスクを評価する)
診察で予想されること
診察はとても短時間で、体に負担の少ない検査です。十分に話を聞いてもらうために、困っている症状をメモしてから受診するとよいでしょう。
治療
治療は必ずしも必要ではなく、症状の程度や本人の希望に応じて選びます。まずは自分の生活習慣を整えることから始め、それでもつらい場合は医師と相談して治療法を決めます。
自宅でのセルフケア
- 室温の調節や重ね着で体温を整える
- カフェインやアルコールを控えめにする
- 規則正しい睡眠習慣を心がける
- 軽い運動(ウォーキングやストレッチ)を取り入れる
- リラクゼーションや深呼吸でストレスを減らす
医療治療
我慢できないほどつらい場合には、医師が健康状態や病歴を確認したうえで、ホルモン補充療法(HRT)や漢方薬などの治療法を検討します。治療には合わない体質やリスクもあるため、必ず医師の説明を受けてから判断してください。
手術が検討される場合
閉経そのものに対して手術は行いません。ただし、子宮筋腫や卵巣の病気など、原因となる病気がある場合は手術が検討されることがあります。医師とよく話し合って決めましょう。
この病気と共に生きる
更年期は「終わりがある時期」と考え、無理をせず、自分のペースを大切にしましょう。症状が出る日と出ない日があるのは自然です。うまく付き合う工夫を見つけることが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 日中は適度に体を動かす
- 寝る前はスマホやテレビを控え、ゆったりした時間を持つ
- 湯船に浸かって体を温める
- 趣味や人との交流で気分転換をする
食事と運動
バランスのよい食事を心がけましょう。特に、カルシウム(乳製品・小魚・大豆製品)とビタミンD(魚類やきのこ類)は骨を丈夫に保つために役立ちます。運動は、ウォーキングやストレッチなど無理のない範囲で続けることがおすすめです。
精神的健康と心の健康
更年期は気分の浮き沈みや不安感が強くなることがあります。それ自体が病気ではありませんが、つらい気持ちが長く続く場合や、日常生活に支障が出ている場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。もし、自分を傷つけたいという気持ちが強いときは、必ず誰かに伝え、ためらわずに救急(119番)に連絡してください。
予防
閉経は自然な過程なので、それ自体を予防することはできません。しかし、規則正しい生活やストレスケアによって、つらい症状をやわらげることは可能です。
ワクチン
更年期を予防するワクチンはありませんが、年代に応じた定期予防接種(例:インフルエンザなど)を受けることは、健康を保つうえで役立ちます。かかりつけ医に相談しましょう。
検診プログラム
更年期以降は、生活習慣病や骨粗しょう症のリスクが高まるため、定期的な健康診断や婦人科検診(子宮頸がん・乳がん検診など)を受けることが大切です。厚生労働省の指針に基づいた検診も各自治体で行われています。
合併症
治療しない場合
- 骨密度が低下し、骨粗しょう症になりやすくなる
- 心血管疾患(こうずけっかんしっかん)のリスクが高まることがある
- 不眠や気分の落ち込みが続き、生活の質が下がることがある
長期的な見通し
更年期は誰にでも訪れる自然な時期です。症状は多くの場合、時間とともに和らいだり、自分の工夫でうまく付き合えるようになったりします。必要なときは医療の助けを借りながら、自分らしい毎日を取り戻すことができます。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。