PMS(月経前症候群)の処置当日にできること
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
PMS(月経前症候群)とは、生理が始まる数日前から、心と体にいろいろな不調が現れ、生理が始まると楽になる状態をいいます。この記事では、PMSの基礎知識に加えて、PMSがある方が検査や治療などの医療処置を受ける当日に、からだと心の負担を減らすためのヒントを紹介します。
重要な事実
- PMSの症状は、腹痛、頭痛、むくみ、イライラ、気分の落ち込みなど人によってさまざまです。
- 生理の2~10日前から症状が現れ、生理が始まると数日でおさまることが多いです。
- 処置当日は、前日までの準備や医療者への相談で、不安や体調不良を減らすことができます。
はい。生理がある女性の多くが、月経前に何らかの不調を感じたことがあるといわれています。その中でも、生活に支障が出るほど症状が強い場合にPMSと診断されることがあります。
主に、初経後から閉経までの生理がある女性に見られます。10代後半から40代に多く、症状の強さは年齢や生活環境によって変化します。
症状
- 突然の強い腹痛や、通常とは違う大量出血がある場合は、ためらわずに救急車(119番)へ連絡してください。
- 意識がもうろうとする、倒れそうになる
- 激しい吐き気や嘔吐が続き、水分が取れない
- 呼吸が苦しい、胸の強い痛みがある
- ⚠処置当日に、処置した場所からの出血が止まらない、腫れがひどい
- ⚠発熱や悪寒がある
- ⚠自分を傷つけたくなる、または死にたくなる気持ちがある
一般的な症状
- 下腹部や腰の痛み・張り
- 頭痛・めまい
- 乳房の痛みや張り
- 手足のむくみ
- 疲れやすさ・眠気
- イライラ・不安感
- 気分の落ち込み・涙もろさ
- 甘いものの欲求や食欲の変化
原因
主な原因
- PMSの原因はまだ完全には解明されていませんが、生理周期に伴う女性ホルモンの増減が脳やからだに影響することが関係していると考えられています。
- 気分に関わる脳内の物質(セロトニンなど)の変化も、PMSの症状に関わっているといわれています。
リスク要因
- ストレスや不安を抱えている
- 睡眠不足や過労
- 運動不足
- 偏った食事(塩分・甘いもの・カフェインのとりすぎ)
- 20~30代の年齢
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- PMSの症状が強く、仕事や学校に行けない、日常生活が送れない
- 死にたくなる気持ちや自分を傷つけたくなる気持ちがある
- 処置当日に、処置部位からの出血や痛みがひどい、高熱がある
定期受診を予約すべき場合:
- 毎月のPMSの症状で、生活や仕事に支障がある
- 生活習慣の工夫で改善しない
- PMSかどうか確かめたい、婦人科を受診したい
- 処置の前に、自分の症状や服用中の薬について医師に相談したい
診断
PMSの診断は、まず医師が問診を行い、症状が生理の周期と関係しているかを確認します。その際に、症状を記録した日誌が役立ちます。また、PMSと似た症状を起こすほかの病気(甲状腺の病気や貧血など)がないかを調べることもあります。
行われる可能性のある検査
- 月経前症状の記録(日誌・アプリなど)
- 身体診察
- 血液検査
- 婦人科の内診や超音波検査(必要に応じて)
診察で予想されること
初回の診察では、生理周期や症状の時期、強さを伝えられるように、2~3周期分の記録を持っていくとスムーズです。診察や検査はプライバシーに配慮して行われます。気になることは何でも医師に質問してください。
治療
PMSの治療は、症状の種類や強さに合わせて、生活習慣の見直しを中心に進めます。それでも改善しない場合は、医師の処方による薬物療法やカウンセリングなどを組み合わせて行うことがあります。
自宅でのセルフケア
- 睡眠を十分にとり、疲れをためない
- 規則正しい食事と軽い運動を続ける
- カフェイン・アルコール・塩分をとりすぎない
- お風呂やカイロで体を温めてリラックスする
- 生理周期と症状を記録して、つらい時期を予測する
- 処置当日は、必要な持ち物を前日にまとめ、時間に余裕を持って行動する
医療治療
症状がつらい場合は、ホルモンバランスを整える薬や、気分の落ち込みを穏やかにする薬などを、医師が一人ひとりに合わせて処方することがあります。また、カルシウムやビタミンB6などのサプリメントが症状を和らげる可能性もありますが、使用前に医師や薬剤師に相談してください。
手術が検討される場合
PMSそのものに対して手術が行われることはほとんどありません。ただし、子宮筋腫や子宮内膜症などほかの病気が関係している場合は、その治療として手術が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
PMSとうまく付き合うには、自分の体調のリズムを知ることが一番の近道です。症状が出やすい時期を把握しておくと、大事な予定を調整したり、無理をしないで休むことができます。処置を受ける予定があるときは、PMSの症状が重くなりやすい時期と重ならないようにできれば、事前に医療者へ相談しましょう。
生活習慣のアドバイス
- 月経周期と症状を手帳やアプリで記録する
- 症状がつらい日は、予定を減らして休息を優先する
- 家族やパートナー、職場の理解を得る
- ストレスをためないよう、自分なりの気分転換を見つける
食事と運動
栄養バランスのよい食事を心がけ、乳製品、大豆製品、緑黄色野菜、魚、ナッツなど、カルシウムやマグネシウム、ビタミンB6を含む食品を意識するとよいといわれています。塩分や甘いもの、カフェインはむくみやイライラを強めることがあるため控えめにします。運動は、ウォーキングやストレッチなどの軽い有酸素運動を、無理のない範囲で続けることが心身の安定に役立ちます。
精神的健康と心の健康
PMSには、気分の落ち込みや不安、イライラなどの心の症状が伴うことがあり、それを「自分のせい」と感じてしまう方もいます。しかし、これはホルモンの変化が原因で起こるもので、あなたの弱さではありません。自分をいたわり、つらいときは休息をとってください。もし自分を傷つけたい、死にたいという気持ちが浮かんだ場合は、すぐに医療機関や相談機関へ連絡してください。
予防
PMS自体を完全に予防する方法はまだわかっていません。しかし、ふだんから規則正しい生活やストレス対策を続けることで、症状を軽くすることができます。また、症状が重い場合は、早めに医療機関へ相談することで、つらさを予防・軽減できます。
検診プログラム
PMSのための特別な検診はありませんが、婦人科では月経に関する相談や診察を受けられます。年に一度は、婦人科の健康診断を受けることも勧められます。
合併症
治療しない場合
- 症状が強いまま続くと、仕事や家事、学業のパフォーマンスに影響が出ることがあります
- 気分の落ち込みが続くと、うつ病などの精神的な不調が併存することがあります
- 処置当日に体調がすぐれないと、処置後の回復が遅くなったり、負担を強く感じることがあります
長期的な見通し
PMSは、適切な情報と生活の工夫によって、多くの方が症状をコントロールしながら生活しています。閉経後には自然に症状が消えることも多いです。処置を受ける場合も、前もって準備し、医療者と話し合うことで、安心して当日を迎えられます。まずはできることから始めましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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