がん治療と向き合う方へ:疲労感と発熱のサイン
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
がん患者さんが経験する強い疲労感(がん性疲労)と、発熱が伴う状態について説明します。がん性疲労は、休んでも回復しにくい深刻なだるさです。発熱は体の異常を知らせるサインで、感染症などが原因で起こることがあります。
重要な事実
- がん性疲労は多くの患者さんが経験しますが、発熱は医療機関を受診すべき重要なサインです。
- がん治療後も疲労感が続くことがありますが、発熱を伴う場合は感染症の可能性があります。
- 発熱時には、自己判断を避けて早めに医師に相談することが大切です。
がん性疲労はとても一般的な症状で、治療中や治療後に多くの方が経験します。発熱は、感染症などが原因となることがあり、注意が必要ですが、必ずしも頻度が高いわけではありません。
がん治療を受けている方や治療が終わった後も体力の回復が遅れている方にみられます。特に化学療法や放射線治療を受けている方は、免疫力が低下して発熱しやすくなります。
症状
- 38.5度以上の高熱
- 呼吸が苦しい
- 意識がもうろうとする
- 顔色が真っ青になる
- けいれん
- ⚠37.5度以上の発熱
- ⚠がん治療中(特に化学療法後)の発熱
- ⚠悪寒や震え
- ⚠下痢や嘔吐
- ⚠のど・肺・尿などに感染の兆候がある
一般的な症状
- 1週間以上続く強い疲労感
- 微熱(37.5度前後)
- 寒気やふるえ
- 体の痛みやだるさ
子供の症状
- 熱があっても元気に見えることがあります
- 顔色が悪い、ぐったりする
- 水分をあまり取らない
- 呼吸が速くなる
高齢者の症状
- 体温が高くなくても活動性が落ちることがある
- 意識がぼんやりする
- めまいや転倒に注意
- 食欲がない
原因
主な原因
- 感染症(細菌・ウイルス)
- がん治療の副作用(化学療法、放射線治療など)
- 白血球の減少
- がんそのものによる発熱
- 薬剤による発熱
リスク要因
- 化学療法中・放射線治療中
- 血球が減少している
- 免疫を抑える治療を受けている
- 疲労が強く休養が取れない
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 治療中(特に抗がん剤治療直後)に発熱がある
- 発熱が37.5度以上続く
- 悪寒や震えを伴う
- 普段と違う強い倦怠感がある
定期受診を予約すべき場合:
- 治療が終わっても微熱と疲労感が続く
- 疲労感が日常生活に支障をきたす
- 体重減少や痛みがある
診断
医師が症状の経過や治療歴を詳しく聞き、血液検査などで感染症の有無や血球の状態を調べます。必要に応じて画像検査を行うこともあります。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(白血球数、炎症反応など)
- 血液培養
- 尿検査や痰(たん)の検査
- 胸部レントゲンやCT
診察で予想されること
発熱の原因を調べるため、数時間の検査になることがあります。必要に応じて入院して治療や観察を行う場合もありますが、多くの場合は外来で対応できます。
治療
がん性疲労と発熱の治療は、原因によって異なります。発熱の原因が感染症であれば、その治療を優先します。疲労感に対しては、体力の回復を助ける支持療法が中心になります。
自宅でのセルフケア
- 発熱時は十分な水分をとる
- 無理をせず休養する
- 寒気があるときは体を温める
- 市販の解熱薬を自己判断で使わない
- 1日数回体温を記録する
医療治療
発熱の原因が感染症であれば、医師が適切な抗感染症薬を処方します。白血球が減少している場合はそれを増やす治療が検討されることがあります。疲労感に対しては、貧血や栄養状態の改善など、原因に応じた対症療法が行われます。
この病気と共に生きる
疲労感と発熱があるときは、無理をせず、エネルギーを温存しましょう。必要な行動を優先し、日中は適度に休息を取りましょう。
生活習慣のアドバイス
- 睡眠時間をしっかり確保する
- 体調の良い日は軽い運動や散歩をする(医師に相談)
- 体温を毎日記録して変化を観察する
- 手洗い・うがい・マスクなどの感染予防を徹底する
食事と運動
水分を十分に摂り、食事は無理のない範囲でバランスよく摂りましょう。食欲がないときは食べやすいものを少量ずつ。運動は体調の良い日だけ、医師の許可を得て始めましょう。
精神的健康と心の健康
長く続くだるさや発熱への不安は、こころの負担になります。つらい気持ちをひとりで抱え込まず、家族や医療者に話しましょう。もし、強い不安や悲しみ、自分を傷つけたいなどの考えが浮かんだら、ひとりで悩まず、すぐに医療機関や相談機関に連絡してください。
予防
がん性疲労は完全に防ぐことは難しいですが、発熱を予防するために感染症対策(手洗い、うがい、人混みを避けるなど)を徹底することが大切です。
ワクチン
インフルエンザなどの予防接種は、医師と相談することで受けられます。治療中はワクチンの種類によって注意が必要です。
合併症
治療しない場合
- 感染症が重症化する(敗血症のリスク)
- 脱水を起こす
- がん治療の中断や延期につながる
長期的な見通し
発熱の原因が感染症でも、早期に適切な治療を行えば多くの場合改善します。疲労感は時間をかけて回復していきます。ひとりで悩まず、医療者と一緒に向き合いましょう。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。