夜間の抗がん剤副作用
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
抗がん剤(がんの治療に使う薬)の治療中や治療後に、夜になるとあらわれたり強くなったりする副作用のことです。眠れない、寝汗、疲れ、痛み、吐き気などの症状が現れることがあります。
重要な事実
- 夜に症状が出やすい理由は薬の影響や不安、体内リズムの乱れなどです。
- つらい症状は、医療者に伝えると和らげる方法が見つかります。
- 多くの夜の副作用は、治療の終了とともに改善していきます。
はい、とてもよくあります。抗がん剤治療を受けている人の多くが、夜間に睡眠の悩みや倦怠感、痛みなどを経験します。
がん治療を受けている方なら、年齢を問わず起こりえます。特に不安やストレスが多い方、もともと睡眠に悩みがある方は、影響を受けやすい傾向があります。
症状
- 呼吸が苦しい
- 胸の強い痛み
- 意識がもうろうとする
- 38度以上の高い熱
- 突然の激しい頭痛
- 止まらない出血
- ⚠吐き気が続き、水分もとれない
- ⚠尿の量が少なくなる
- ⚠我慢できないほどの強い痛み
- ⚠新しい発疹やじんましんが出た
- ⚠普段と違うひどいだるさ
一般的な症状
- なかなか眠れない(不眠)
- 夜中に何度も目が覚める
- ひどい寝汗をかく
- 吐き気や胃のむかつき
- 手足のしびれや痛み
- 不安で落ち着かない気分
子供の症状
- 夜驚や悪夢を見る
- おねしょが増える
- ぐっすり眠れずに夜中に起きる
- 痛みや吐き気をうまく言葉にできない
高齢者の症状
- 夜間の混乱や興奮(せん妄)
- 夜中に何度もトイレに行く
- 夜間のふらつきや転倒
- 強い疲労感
原因
主な原因
- 抗がん剤そのものが引き起こす吐き気やしびれ、疲労が夜に強く出ることがある
- 治療の一部で使うステロイドなどの薬が睡眠リズムに影響することがある
- 治療に対する不安や抑うつが睡眠を妨げる
- ホルモンバランスの変化による寝汗やほてり
リスク要因
- 治療前から睡眠の問題がある
- 強いストレスや不安を抱えている
- 高齢である
- 神経障害や吐き気を起こしやすい種類の抗がん剤を使っている
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 夜間に息苦しさや胸の痛みがある
- 自分で動けないほどの強いだるさ
- 水分をとっても尿が少ない
- 突然の意識の変化がある
定期受診を予約すべき場合:
- 睡眠の問題が2週間以上続いている
- 夜の痛み・吐き気・しびれで生活に支障が出ている
- 副作用のつらさを医療者に相談したい
診断
医師や看護師が症状を詳しく聞き取り、診察を行います。夜間の症状について、いつからどのように出るかを具体的に伝えることが大切です。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(貧血や感染の有無を調べる)
- 問診(症状の内容・時期・程度を確認)
- 睡眠と症状の記録(日誌をつける)
- 必要に応じて睡眠の詳しい検査
診察で予想されること
診察では、副作用の経過や日常生活への影響を質問されます。あらかじめ夜の症状をメモしておくと、スムーズに伝えられます。
治療
夜の副作用には、生活の工夫でできることと、医療チームによるサポートがあります。症状の種類と強さに合わせて、睡眠環境の調整やリラックス法、そして必要な場合には医師の判断による薬物治療が行われます。
自宅でのセルフケア
- 毎日できるだけ同じ時間に寝起きする
- 寝る前はスマートフォンや明るい画面を見ない
- 寝室を涼しく、静かに、暗くする
- 寝る前のカフェインやアルコールを控える
- ゆっくりした呼吸や軽いストレッチで体をほぐす
- 日中の活動時間を適度に増やす
医療治療
薬を使わない方法を試してもつらい場合、医師は副作用に応じた治療薬を検討します。例えば、痛みを和らげる薬、吐き気を抑える薬、睡眠を助ける薬などがあります。これらは必ず医師の処方のもとで使用する必要があり、自己判断で薬を使わないようにしてください。
手術が検討される場合
がん治療後の夜の症状そのものに対して手術が行われることは通常ありません。ただし、症状の原因となる他の病気が見つかった場合は、その治療として手術が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
夜のつらさがあると、日中の過ごし方にも影響が出ます。無理をせず、症状に合わせて休息をとりましょう。夜間に不安になる場合は、医療者に連絡できる方法をあらかじめ確認しておくと安心です。
生活習慣のアドバイス
- 日中はカーテンを開けて日光を浴びる
- 寝る前にぬるめのお風呂や温かい飲み物でリラックスする
- 不安な気持ちはノートに書き出して整理する
- 医療者に症状を伝える習慣をつける
食事と運動
夕食は軽めにして、寝る直前の食事は避けましょう。日中に軽いウォーキングなどの運動を取り入れると、夜の眠りが深くなりやすくなります。ただし、疲れが強いときは無理せず休むことを優先してください。
精神的健康と心の健康
夜間の症状が続くと、不安や気分の落ち込みが強くなることがあります。がん治療中は心の状態が揺れやすい時期です。つらい気持ちを一人で抱え込まず、医師や看護師、心理の専門家に相談しましょう。もし自分や他の人を傷つけたいという気持ちが強い場合は、すぐに119番に電話するか、最寄りの救急医療機関を受診してください。
予防
夜間の副作用を完全に防ぐことは難しいですが、日中の過ごし方や睡眠環境を整えることで、つらさを軽減できることがあります。また、抗がん剤の投与時間をずらせることがあるか、主治医に相談してみましょう。
合併症
治療しない場合
- 睡眠不足が続き、からだの免疫力が低下しやすくなる
- 疲労感が強まり、日常生活を送るのが難しくなる
- 不安や抑うつが悪化することがある
- 夜間のふらつきや転倒のリスクが高まる
長期的な見通し
抗がん剤治療による副作用は、治療が終わると多くの場合、時間とともに和らいでいきます。夜のつらい症状にも、さまざまな対処方法があります。医療チームと一緒に乗り越えていけると希望を持ってください。
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重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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