夜に起こるめまい(夜間めまい)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
めまいとは、自分や周囲が回るように感じる「回転性めまい」や、体がふわふわする・重いなどの「非回転性めまい」を含む症状です。夜間のめまいは、横になったときや寝返りを打ったとき、トイレのために夜中に起き上がったときなどに起こりやすくなります。多くは一時的で心配いらないものですが、まれに脳や内耳の病気が原因となる場合もあります。
重要な事実
- 夜間のめまいは、起き上がるときやベッドで向きを変えるときに起こりやすい。
- 多くは内耳や血圧の変化によるもので、自然に落ち着くこともあります。
- 突然の激しい頭痛や体のしびれを伴う場合は、すぐに救急車を呼んでください。
- 自己判断せずに、医療機関を受診して原因を確かめることが大切です。
夜間のめまいは、特に中高年に多く見られる症状です。一時的な立ちくらみ程度のものも含めると、多くの人が一生に一度は経験すると言われています。
高齢者、起立性低血圧のある人、内耳の病気を持つ人、脱水が続いている人、疲労やストレスがたまっている人に多く見られます。妊娠中の女性にも起こりやすくなることがあります。
症状
- 突然の激しい頭痛
- 片側の手足のしびれや力が入らない
- ろれつが回らない・言葉が出ない
- 意識がもうろうとする・失神した
- 胸の強い痛みや息苦しさ
- けいれんが起きる
- ⚠めまいに加えて嘔吐が続く
- ⚠耳鳴りや難聴が突然現れた
- ⚠物が二重に見える、目が動きにくい
- ⚠高熱がある
- ⚠めまいが長く続き、日常生活に支障が出ている
一般的な症状
- 横になったときに部屋が回る感じがする
- 寝返りを打つとめまいがする
- 夜中に起き上がると立ちくらみがする
- ふわふわと足元が不安定になる
- 吐き気や冷や汗を伴うことがある
子供の症状
- 夜中に頭を動かすと「ぐるぐる回る」と訴える
- 立っているときに急にふらつく
- 泣いたり怖がったりすることがある
- 朝までには落ち着くことが多い
高齢者の症状
- 夜中にトイレへ行くときめまいを起こしやすい
- 転倒や骨折のリスクが高くなる
- 血圧が下がりすぎて立ち上がれなくなることがある
- 薬の副作用が原因となることもある
原因
主な原因
- 内耳のバランス感覚の異常(良性発作性頭位めまい症など)
- 起立性低血圧(立ち上がったときに血圧が下がる)
- 脱水や睡眠不足による体調不良
- 不安やストレスによる自律神経の乱れ
- 一部の薬の副作用
- 脳や神経の病気(まれ)
リスク要因
- 高齢であること
- 長期間ベッドで過ごしている
- 利尿薬や血圧を下げる薬を使用している
- 脱水傾向にある
- 夜間頻尿のため夜中に何度も起きる
- 強いストレスや疲れがたまっている
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- めまいに加えて、突然の激しい頭痛、しびれ、言葉の障害、胸の痛みがある
- めまいがひどくて歩けない、または意識を失った
- 何度も嘔吐して水分を取れない
定期受診を予約すべき場合:
- めまいが数日続いたり、繰り返したりする
- 耳鳴りや難聴を伴う
- つまずくことが増えた、夜に転倒しそうになる
- めまいのために夜眠れない、不安が強い
診断
問診でめまいの症状や起こる状況、持病や服薬状況を詳しく聞かれた後、体のバランスや神経の状態を調べる検査を行います。必要に応じて、血液検査や画像検査が行われることもあります。
行われる可能性のある検査
- めまいの種類を評価する質問
- 頭や体の向きを変えてめまいを再現する検査
- 姿勢や歩行、眼の動きの確認
- 血圧を立位と卧位で測る検査
- 必要に応じてMRIやCTなどの画像検査
診察で予想されること
診察では、いつからめまいがあるか、どんなときに起こるかを説明できると安心です。検査は痛みを伴わないものがほとんどです。原因に合わせて、生活のアドバイスや治療が行われます。
治療
治療は原因に応じて異なります。内耳の原因であれば特定の体位変換やリハビリが、血圧の問題であれば水分摂取や服薬調整が検討されます。脳の病気が疑われる場合は、専門医による迅速な対応が必要です。
自宅でのセルフケア
- 夜中に起きるときは、いきなり立ち上がらず、ベッドの端に数分座ってから立ちましょう。
- 水分を十分に取り、脱水を防ぎましょう。
- 寝るときは頭を少し高くする、枕を使うなどして、めまいを誘発しない姿勢を試しましょう。
- 夜間はつまづかないよう、足元を明るくして安全を保ちましょう。
- アルコールや過度のカフェインを控えめにしましょう。
医療治療
医師の診察の上、めまいの原因となる病気に対して薬物療法が行われることがあります。例えば、内耳のめまいを抑える薬や、吐き気を抑える薬です。ただし、薬の種類や服用量は医師が個別に判断するため、自己判断で市販薬を服用せず、必ず医師や薬剤師に相談してください。
手術が検討される場合
めまいの原因が脳血管障害や腫瘍などの場合は、手術が検討されることがありますが、夜間のめまい全体のなかではまれです。
この病気と共に生きる
夜間のめまいがある間は、体を動かすときはゆっくりとし、頭を急に動かさないように心がけましょう。寝るときも顔の向きを変える際は、体ごとゆっくり動かすと症状が出にくいことがあります。
生活習慣のアドバイス
- 睡眠をしっかり取り、疲れをためない。
- 規則正しい食事と水分補給を心がける。
- 夜間は照明をつけてから動く。
- ストレスをため込まず、リラックスする時間を作る。
- かかりつけ医と相談しながら、持病の管理を続ける。
食事と運動
バランスの良い食事を心がけ、特に水分をしっかり摂りましょう。塩分の取りすぎやアルコールの飲みすぎは、血圧や内耳のバランスに影響することがあります。医師の許可があれば、無理のない範囲でウォーキングなどの軽い運動を続けると、血圧の調整機能が保たれやすくなります。
精神的健康と心の健康
めまいが続くと、夜にまた発作が起きるのではという不安から、眠れなくなったり、日中も集中しにくくなったりすることがあります。不安な気持ちは誰にでもあるものですが、それ自体がめまいを強くすることもあります。医療機関や家族、友人に気持ちを話すだけでも、心が楽になることがあります。
予防
夜間のめまいのすべてを予防することはできませんが、生活の中での工夫で起こりにくくすることができます。特に、夜中に急に動かない、水分をこまめに取る、転倒しない環境を整えることが大切です。
ワクチン
めまいに特化したワクチンはありません。
検診プログラム
めまいの定期検診は特にありませんが、健康診断で血圧や血液の状態を確認しておくことは、原因の早期発見につながります。
合併症
治療しない場合
- 夜間に転倒し、骨折や頭部のけがをするリスクが高まる
- めまいのために夜間の活動が制限され、QOLが低下する
- 原因が脳や内耳の病気である場合、治療が遅れて症状が悪化する可能性がある
- 慢性的な不安や不眠が続くことがある
長期的な見通し
夜間のめまいは、原因を正しく評価して適切な対応をすれば、多くの場合、症状を改善したり、安全に付き合っていくことができます。身体のバランスは、時間をかけて回復します。あせらず、医師と一緒に自分に合った対策を見つけていきましょう。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。