しびれと吐き気:受診の目安と注意すべきポイント
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
「しびれ」は、触っている感じが鈍くなったり、ピリピリ・チクチクする感覚のことです。「吐き気」は、胃のむかむかとした不快感で、嘔吐を伴うこともあります。この2つの症状が一緒に現れると、脳や神経の働きに何らかの変化が起きている可能性があります。ただし、原因はさまざまで、緊急を要するものから、一時的な不調まであります。
重要な事実
- しびれと吐き気は、脳や脊髄(せきずい)、神経の異常で起こることがあります。
- 突然現れた場合や、片側だけのしびれがある場合は、迷わず119番に連絡してください。
- 原因の多くは、きちんと調べれば解決できるため、一人で悩まず医療機関を受診することが大切です。
このような症状の組み合わせは、まれではありません。特に偏頭痛(片頭痛)やめまいを伴う病気で見られます。ただし、重大な病気のサインであることもあるため、油断はできません。
子どもから高齢者まで、すべての年齢で起こる可能性があります。ただし、高血圧や糖尿病、脂質異常症、喫煙などの生活習慣がある人は、脳の病気のリスクが高くなることが知られています。
症状
- 突然、顔・腕・脚の片側がしびれる、動かない
- 話そうとすると言葉が出ない、相手の言葉を理解できない
- 顔がゆがむ(片側の口元や目が下がる)
- 突然の激しい頭痛
- 片目が見えない、物が二重に見える
- 意識がもうろうとする
- ⚠しびれや吐き気が数分から数時間続く、または繰り返す
- ⚠しびれが体の広い範囲に広がる
- ⚠嘔吐を繰り返し、水分もとれない
- ⚠発熱、首のこわばり、強い頭痛がある
- ⚠頭をぶつけた後、しびれや吐き気が出た
一般的な症状
- 手足や顔の一部分がしびれる、触った感覚が鈍い
- ピリピリ・チクチクする感覚(チクチク感)
- 胃がむかむかする、または吐いてしまう
- めまいやふらつき
- 頭が痛い、頭が重い
子供の症状
- ぐったりして機嫌が悪い、いつもと違う
- 頭痛に伴って吐き気やしびれを訴える
- 発熱や首の後ろの痛みを伴う
- 車酔いなどの吐き気にしびれが伴う場合は注意が必要
高齢者の症状
- 突然、片側の顔や手足が動かない・しびれる
- 言葉が話しにくい、相手の言葉が理解できない
- ふらついて立てない
- 意識がぼんやりする
原因
主な原因
- 脳や神経の病気(脳卒中、脳腫瘍、多発性硬化症、末梢神経障害など)
- 片頭痛(吐き気やしびれを伴うことがあります)
- 内耳(ないじ)の異常によるめまい
- 低血糖や脱水、電解質の異常
- ストレスや不安による身体症状
- 薬の副作用
リスク要因
- 脂質異常症
- 家族に脳卒中や神経の病気の人がいる
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の「緊急」に該当する症状がある場合は、自分で運転せず、周りの人に頼るか、すぐに119番に電話してください。
- 症状が短時間で消えたとしても、手足のしびれと吐き気のセットは、一時的な脳の血流低下(一過性脳虚血発作)の可能性があるため、すぐに医療機関を受診してください。
定期受診を予約すべき場合:
- しびれや吐き気が続く、または何度も繰り返す場合は、かかりつけ医、または神経内科(脳神経内科)を受診しましょう。
- 市販薬で対処してよいか迷う場合や、症状が気になって仕事や生活に支障がある場合も、早めに相談してください。
診断
医師は、症状がいつから始まったのか、どのような場面で起こるのか、持病や服薬中の薬、生活習慣などを詳しく聞き取ったうえで、神経学的な診察(手足の力、しびれ、感覚、バランス、目の動きなど)を行います。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(血糖、電解質、感染症などの確認)
- 頭部CT検査(脳の出血や腫れを調べる画像検査)
- 脳MRI検査(より詳細な脳の状態を調べる画像検査)
- 神経伝導検査(末梢神経の働きを調べる検査)
- 心電図・心臓超音波(不整脈や心臓の病気が原因でないかを調べる検査)
診察で予想されること
結果が出るまでに時間がかかることがありますが、緊急でない場合は予約制で検査が行われます。医師から説明があるまでは、無理に仕事や運動を続けず、体を休めましょう。
治療
治療は原因に基づいて行われます。たとえば、片頭痛であれば症状をやわらげる治療、脳卒中であれば血流を改善する治療、内耳の異常であれば安静とリハビリテーションなど、原因に合わせて方針が決まります。
自宅でのセルフケア
- 安静にして、椅子に座るか横になり、無理をしない。
- 吐き気が強いときは、少量の水分をゆっくりとる。
- アルコールやカフェインは症状を悪化させることがあるため控える。
- 症状が出た時間やきっかけをメモしておくと診察の役に立つ。
- 自己判断で複数の薬をのまない。
医療治療
医師の診断に基づいて、吐き気を抑える薬、神経の痛みをやわらげる薬、頭痛の予防薬などが処方されることがあります。また、必要に応じて点滴やリハビリテーションが行われます。必ず医師の指示に従って服用してください。
手術が検討される場合
まれですが、神経が骨や組織に押されている場合や、脳の出血などが原因の場合は、手術が必要になることがあります。専門医の説明をよく聞き、納得したうえで治療方針を決めましょう。
この病気と共に生きる
症状が続くときは、無理をせず、休息をとることを優先しましょう。仕事や家事の合間に休憩を入れる、横になれる場所を確保するなどの工夫が役に立ちます。
生活習慣のアドバイス
- 十分な睡眠をとる
- ストレスをためない
- 禁煙する
- お酒はほどほどにする
- 定期的に軽い運動をする
食事と運動
バランスのよい食事を心がけ、特に朝食をしっかりとりましょう。低血糖や脱水を避けるために、規則正しい食事と水分補給が大切です。運動は、症状がないときに無理のない範囲で行い、ウォーキングやストレッチなど軽いものから始めるとよいでしょう。
精神的健康と心の健康
しびれや吐き気は、日常生活を妨げ、不安や恐怖を感じさせることもあります。不安が強くなると、吐き気が悪化することもあります。自分の気持ちを家族や友人に話したり、医師に相談して安心感を得ることが大切です。
予防
すべての原因を予防することはできません。しかし、脳卒中などの危険因子である高血圧・糖尿病・脂質異常症は、定期的な健診と生活習慣の改善で予防できます。また、症状が起きたときに早く受診することも、結果を大きく左右します。
ワクチン
感染症の中には、神経症状を引き起こすものがあります。厚生労働省が推奨する予防接種(インフルエンザ、肺炎球菌など)を適切な時期に受けることで、関連する病気のリスクを下げることができます。
検診プログラム
職場や自治体で行われる健康診断を定期的に受け、血圧・血糖・コレステロールなどの値を把握しておきましょう。異常があれば、放置せずに医療機関で相談してください。
合併症
治療しない場合
- 脳卒中が原因の場合、治療が遅れると、手足のまひや言語障害などの後遺症が残る可能性があります。
- 片頭痛などの慢性の病気を放置すると、頭痛や吐き気が悪化し、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。
- 神経の病気が進行すると、しびれが強くなり、筋力が低下することもあります。
長期的な見通し
原因が適切に治療されれば、多くの人は症状が改善し、普段の生活に戻ることができます。たとえ重い病気であっても、早期に発見して治療を始めれば、後遺症を減らし、回復の可能性を高められます。まずは医療機関に相談し、一歩を踏み出しましょう。
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重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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