横になると悪化するパニックについて
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
「パニック」とは、突然におそわれる強い不安や恐怖のことをいいます。心臓がどきどきしたり、息が苦しくなったり、強い死の恐怖を感じることもあります。このパニックが、横になったときに起きやすくなったり、強くなったりすることがあります。
重要な事実
- 横になるとパニックを感じるのは、からだの変化や呼吸のし方が関わっていることがあります。
- 寝るときや寝ているときに起きることが多く、「夜のパニック」ともいわれることがあります。
- 正しく知識を持ち、適切な対処をすれば、症状はやわらげられます。
横になると不安が強くなるという経験は、それほど珍しくありません。日中は動いていて気づきにくく、夜にリラックスしたときに症状に気づく人も多くいます。
どの年代の人にも起こりうる症状ですが、特にストレスが多い大人や、もともと不安を感じやすい人に見られることがあります。高齢者の場合は、心臓や肺の病気と間違われることもあります。
症状
- 激しい胸の痛みが続く
- 冷や汗とともに、吐き気や強い息苦しさがある
- 意識を失いそうになる
- 今にも死にそうな感じがして、からだを動かせない
- ⚠パニックの症状が何度も繰り返し起きる
- ⚠自分で呼吸を整えられないほど苦しい
- ⚠自分を傷つけたいという気持ちがわき上がる
一般的な症状
- 心臓がどきどきする
- 息が苦しい、吸っても吸えない感じがする
- 胸が締め付けられるように感じる
- めまいや立ちくらみがある
- 汗をかく
- からだが震える
- 強い恐怖を感じ、「死んでしまうのでは」と思う
- 横になると、これらの症状が悪化するように感じる
子供の症状
- 寝ることをこわがる
- なかなか布団に入ろうとしない
- 夜中に目を覚まして泣いたり、おびえたりする
高齢者の症状
- 心臓発作だと思ってしまうことがある
- 横になると息苦しさが強くなるため、座ったまま寝ようとする
- 不安が強くて眠れなくなる
原因
主な原因
- 長く続くストレスや疲れ
- 過呼吸など呼吸のリズムの乱れ
- 心配しすぎる傾向や、不安になりやすい気質
- 睡眠不足や生活リズムの不規則さ
- カフェインやお酒のとりすぎ
リスク要因
- 仕事や家庭で多くのストレスを抱えている
- 過去につらい体験がある
- 身内に不安症やパニック障害の人がいる
- けがや病気の後で、からだの調子がまだ十分に戻っていない
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- パニックの症状がひどく、横になること自体がおそろしい
- 何度も繰り返しパニックが起きる
- 息が止まってしまいそうで、どうやってしのいだらいいかわからない
定期受診を予約すべき場合:
- パニックのために眠れない夜が続いている
- 仕事や家事など、ふだんの生活に支障が出ている
- 「また起きるのでは」という不安が強くなっている
診断
医師は、あなたの症状の内容や、どのようなときに強くなるかをていねいに聞きます。心臓や肺などの病気が原因でないかを確かめるため、診察や検査を行うこともあります。
行われる可能性のある検査
- 血圧や心電図の検査
- 血液検査
- 胸部のレントゲン検査
診察で予想されること
心身両方の状態を見るため、心療内科や精神科の医師を紹介されることもあります。あなたのつらい気持ちをしっかり聞いてもらえますから、安心して話してください。
治療
パニックの治療では、まず「どうしてこの症状が出ているのか」を一緒に理解していくことが大切です。自分のからだと心の反応を知ることで、不安を落ち着けやすくなります。
自宅でのセルフケア
- ゆっくりとおなかから息を吐く「呼吸法」を練習する
- 寝るときは部屋を暗くしすぎず、換気をしてリラックスしやすい環境を作る
- 寝る前はスマートフォンやパソコンの画面を見すぎない
- 規則正しい睡眠と起床のリズムを心がける
医療治療
薬を使う場合は、不安をやわらげるための治療薬を医師が処方することがありますが、必ず医師の指示に従ってください。また、認知行動療法という心理的な治療は、不安を引き起こす考え方や行動のパターンを少しずつ変えていく方法です。どの方法が合うかは、医師と相談して決めましょう。
この病気と共に生きる
パニックが起きそうになったら、まず安全な場所で座るか、壁にもたれかかるなどして、からだを支えましょう。そして「この症状は一時的なもの」と、自分にやさしく言い聞かせてください。
生活習慣のアドバイス
- 寝る前にゆったりする時間を作る
- ストレスをためこまず、趣味や軽い動きで気分を切り替える
- カフェインやアルコールはとりすぎない
食事と運動
バランスのよい食事と、無理のない運動を心がけましょう。ウォーキングなどの軽い運動は、不安をやわらげる助けになることがあります。
精神的健康と心の健康
眠れない夜が続くと、心の落ち込みや不安が強くなることがあります。「自分のせいだ」と責めずに、早めに助けを求めることが大切です。
予防
パニックを完全に予防するのはむずかしいかもしれませんが、ふだんからストレスをためない生活を心がけ、呼吸法やリラックス方法を身につけておくことで、症状が出にくくなったり、落ち着きやすくなったりします。
合併症
治療しない場合
- パニックが起きることをおそれて、寝ることや外出を避けるようになる
- うつ状態になることがある
- 仕事や学校、家事などの日常生活に支障が出る
長期的な見通し
パニックは、適切な理解と治療があれば、多くの人が症状をうまくコントロールできるようになります。一人で悩まずに、医療機関や信頼できる専門家のサポートを受けてください。必ず、回復の道はあります。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。