PMS(月経前症候群)による吐き気
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
月経(生理)の前に起こる、吐き気や気分の変調などの心身の不調をまとめて月経前症候群(PMS)と呼びます。PMSによる吐き気は、生理が始まる数日前から現れ、生理が始まると楽になることが多いのが特徴です。
重要な事実
- 生理の3~10日前に症状が出ることが多いです。
- 吐き気のほかに、頭痛やイライラなども一緒に起こることがあります。
- 多くの場合、生活習慣の見直しで症状がやわらぎます。
はい、PMSは女性の約7割が何らかの症状を経験すると言われており、吐き気も珍しい症状ではありません。
主に妊娠可能な年齢(10代後半から40代)の女性に多く見られます。生理が始まったばかりの若い女性や、更年期に近づいた女性にも起こることがあります。
症状
- 突然の激しい腹痛
- 吐き気とともに胸の痛みや呼吸困難がある
- 意識がもうろうとする
- 吐血やコーヒー色の吐物がある
- ⚠吐き気がひどく、水分も食事もとれない
- ⚠吐き気が数日続き、体重が減ってきた
- ⚠生理の痛みや吐き気が急に強くなった
一般的な症状
- 胃のむかつき・吐き気
- お腹のはり
- 胸の張りや痛み
- イライラ・落ち込み
子供の症状
- 初経から数年間はホルモンのバランスが整わず、吐き気やおなかの痛みが出やすくなります。
- 過度なダイエットや不規則な生活で症状が強くなることがあります。
高齢者の症状
- 閉経が近づくとホルモンの変動で吐き気を感じることがあります。
- 生理周期が不規則になり、吐き気が起きる時期が読みにくくなることもあります。
原因
主な原因
- 生理前に女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)のバランスが変わり、胃の動きや脳の吐き気中枢に影響するため
- 子宮内膜から出るプロスタグランジンという物質が胃腸の動きを過剰にすることがあるため
リスク要因
- ストレス
- 睡眠不足
- 過度な食事制限・ダイエット
- カフェインのとりすぎ
- 塩分や脂肪の多い食事
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の「救急が必要」や「すぐに受診」の症状がある場合は、早めに医療機関へ
- 妊娠の可能性があるのに吐き気がある場合は、産婦人科へ相談
定期受診を予約すべき場合:
- 生理前の吐き気で毎回つらい思いをする
- 仕事や学業に支障が出ている
- 市販の薬を使っても症状が改善しない
診断
医師が症状の話を聞き、生理周期と吐き気の関係を確認します。必要に応じて、ほかの病気(妊娠・胃腸の病気など)を調べるための検査を行うこともあります。
行われる可能性のある検査
- 症状日記をつける(どの時期に吐き気があるかを記録)
- 妊娠検査(可能性がある場合)
- 血液検査(ホルモンや貧血の確認)
- 超音波検査(子宮や卵巣の状態を確認)
診察で予想されること
診察では、生理のサイクルや症状の程度を聞かれます。緊張しなくて大丈夫です。相談しやすいように、症状をメモして持参すると良いでしょう。
治療
治療は、まず生活習慣の改善から始めます。それでも症状がつらい場合は、医師の指導のもとで薬などを使った治療を検討します。
自宅でのセルフケア
- 規則正しい睡眠と食事を心がける
- 軽いストレッチやウォーキングで体を動かす
- カフェインやアルコールを控える
- 吐き気がするときは、香りの強い食べ物や脂っこい食事を避ける
- ツボ押し(手首の内側にある「内関」)を試す
医療治療
吐き気を抑える薬や、ホルモンのバランスを整える薬などが、医師の判断で処方されることがあります。必ず医師や薬剤師に相談してください。
手術が検討される場合
PMSそのものに対する手術は、通常行われません。ほかの病気(子宮筋腫など)が見つかった場合に、その治療として手術が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
生理周期と症状を記録して、つらい時期を予測することで、予定や仕事を調整しやすくなります。
生活習慣のアドバイス
- ストレスをためない時間をつくる
- 入浴やアロマなどでリラックスする
- 十分な睡眠をとる
- 無理をしすぎない
食事と運動
バランスの良い食事を心がけ、塩分やカフェイン、アルコールを控えめにしましょう。軽い運動(ウォーキングやヨガ)は血流を良くし、吐き気の軽減に役立ちます。
精神的健康と心の健康
吐き気だけでなく、気分の落ち込みやイライラなど精神的な症状が目立つこともあります。つらい気持ちを一人で抱え込まず、信頼できる人に話しましょう。もし『死にたい』という気持ちがある場合は、すぐに医療機関や相談窓口に連絡してください。
予防
完全に予防することは難しいですが、生活リズムを整え、バランスの良い食事と適度な運動を続けることで、症状を軽くすることが期待できます。
合併症
治療しない場合
- 吐き気が続くと、食事や水分が十分にとれず、体重減少や脱水になることがあります。
- 症状が強いと、仕事や学校に行けず、つらい思いをすることがあります。
- PMSと似た症状のほかの病気(妊娠、胃腸の病気、甲状腺の病気など)が隠れている場合、見逃してしまうことがあります。
長期的な見通し
PMSによる吐き気は、多くの場合、適切なケアで改善します。生理が始まると症状が消えることがほとんどなので、あせらず、自分に合った対処法を見つけていきましょう。症状がとても重い場合は、PMDD(月経前不快気分障害)と呼ばれる強いタイプの可能性もありますが、医師に相談すれば対応策があります。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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