妊娠中の疲労感(つかれ)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
妊娠中に体がとてもだるく、眠気がひどくなる状態をいいます。特に妊娠初期に多く見られる症状で、ホルモンの変化や体が新しい状態に慣れようとすることで起こります。
重要な事実
- 妊娠中の疲労感は特別な病気ではなく、多くの妊娠中の女性に起こる自然な反応です。
- 特に妊娠5週目から14週目ごろに強く感じられることが多いです。
- 多くの場合、妊娠中期には楽になりますが、後期に再び疲れを感じる人もいます。
はい、非常に一般的です。妊娠中の女性のほとんどが、特に初期に何らかの疲労感を経験します。
妊娠可能な年齢のすべての女性に起こりえます。初めての妊娠かどうかに関わらず、また年齢に関わらず起こり得ます。双子や多胎妊娠の場合、より強く感じることがあります。
症状
- 以下の症状がある場合は、すぐに119番に電話してください。
- 性器からの多量の出血
- 激しいおなかの痛み
- 息苦しさや胸の痛み
- 突然の強い頭痛と視力の異常
- 意識を失いそうな強いめまい
- 自分や赤ちゃんを傷つけたいという考えが浮かぶ
- ⚠疲労感に加えて、発熱や悪寒がある
- ⚠排尿時の痛みや腰の痛みがある
- ⚠吐き気や嘔吐がひどく、水分がとれない
- ⚠ぼんやりしたり、わけもなく不安が強い
一般的な症状
- 朝起きても疲れがとれない
- 日中に強い眠気におそわれる
- ちょっとした動きでも息切れやだるさを感じる
- 物事に集中しにくい
- 気分が沈みがちになる
原因
主な原因
- 妊娠によるホルモンバランスの変化(特にプロゲステロンというホルモンの増加)
- 体が赤ちゃんに栄養や酸素を送るため、血液の量が増え心臓が多く働くこと
- 血糖値の変動や低血糖
- 貧血(血液中のヘモグロビンが少なくなること)
- つわりによる食事量の減少
- 睡眠の質の低下や寝つきの悪さ
リスク要因
- 双子や多胎妊娠
- 疲労感が強い状態で仕事や家事を抱えている
- 栄養バランスの偏った食事
- 慢性的なストレスや不安
- 妊娠前から貧血や甲状腺の病気がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 疲労感とともに、大量の出血や激しい腹痛がある
- 動けないほどのめまいや息切れがある
- 自分や赤ちゃんを傷つけたいという考えが浮かぶ
- 水分もとれないほど吐き続ける
定期受診を予約すべき場合:
- 疲労感が強く、日常生活に支障をきたしている
- 疲れが妊娠初期を過ぎても続く、または悪化する
- 顔色が青白い、動悸や息切れがする
- 体重が増えない、または減っている
- 気分の落ち込みが長く続く
診断
妊娠中の疲労感は、まず医師や助産師があなたの話を聞き、問診や診察を行います。必要に応じて、採血や尿検査などで貧血や甲状腺機能などが問題ないかを調べます。
行われる可能性のある検査
- 問診(症状の経過や生活習慣、睡眠の様子を詳しく聞きます)
- 血圧測定
- 血液検査(貧血や甲状腺機能、血糖値の確認のため)
- 必要に応じて超音波検査(赤ちゃんの成長の確認)
診察で予想されること
診察では、疲労感を引き起こす他の病気がないか確認します。多くは特別な治療をしなくても、生活の調整や休息で改善します。もし貧血などが見つかれば、その原因に合わせた治療が提案されます。
治療
治療の基本は、からだを十分に休めることと、バランスのよい食事をとることです。疲労感の原因となる病気(貧血や甲状腺の病気など)が見つかった場合は、その病気の治療が行われます。ただし、妊娠中に使える薬は限られているため、医師の指示に従うことが大切です。自己判断で薬を使用しないでください。
自宅でのセルフケア
- 昼寝やこまめな休息をとる
- 無理をしない範囲で、軽い散歩など体を動かす
- 水分を十分に補給する
- カフェインをとりすぎない(コーヒーや緑茶など)
- 規則正しい生活リズムを心がける
- 人に頼れるものは頼り、一人で抱え込まない
医療治療
妊娠中の疲労感自体に対する特別な薬はありません。しかし、原因となる貧血や甲状腺の異常が見つかった場合は、妊娠中に安全な方法で治療を進めます。どのような治療が適切かは医師が判断し、あなたの状態に合わせて説明します。必ず医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
妊娠中の疲労感に対して、手術が必要になることは通常ありません。疲労感の原因となる病気が非常にまれに外科的治療を要する場合もありますが、担当医とよく相談したうえで決めます。
この病気と共に生きる
妊娠中の疲労感は、一時的なもので多くの場合、妊娠中期には改善します。からだが次の妊娠段階に慣れるまでのサインだと考え、無理をせず休むことを優先してください。家事や仕事のペースを調整し、周囲の協力を積極的に求めましょう。
生活習慣のアドバイス
- 毎日同じ時間に起きる
- 日中に短い昼寝をとる(15~30分程度)
- 軽いストレッチや散歩を日課にする
- 夜は入浴や読書などでリラックスしてから寝る
- 就寝前のスマートフォンやパソコンの使用を控える
食事と運動
1日3食を決まった時間に食べ、間食も含めてエネルギーを補いましょう。特に鉄分や葉酸を含む食品を意識するとよいですが、サプリメントを使う場合は医師や薬剤師に相談してください。運動はウォーキングやマタニティヨガなど、負担の少ないものを選び、無理のない範囲で行いましょう。
精神的健康と心の健康
疲労感が続くと、気分の落ち込みや不安を感じることがあります。これはあなたが弱いからではなく、妊娠中のホルモンや体の変化によるものも大きいです。つらい気持ちをひとりで抱え込まず、パートナーや家族、友人、助産師などに話してみましょう。もし気分の落ち込みが長く続く場合は、遠慮なく医師に相談することが大切です。
予防
妊娠中の疲労感を完全に防ぐことはできませんが、十分な休息とバランスのよい食事、適度な運動を心がけることで、つらさをやわらげることができます。また、妊娠中は定期的な妊婦健診を受けて、貧血や他の病気を早めに見つけることも予防につながります。
ワクチン
妊娠中の疲労感と直接関係するワクチンはありません。ただし、妊娠中の感染症を防ぐために、医師と相談のうえインフルエンザなどの予防接種を受けることが推奨される場合があります。接種は必ず医師に相談して決めましょう。
検診プログラム
妊婦健診では、血圧測定や血液検査・尿検査が行われ、貧血や妊娠高血圧症候群などの早期発見に役立ちます。定められた時期の健診をきちんと受けることが大切です。
合併症
治療しない場合
- 鉄欠乏性貧血が進行し、めまいや息切れが強くなることがあります
- 妊娠高血圧症候群や甲状腺の病気などが隠れている場合、早めの治療が遅れることがあります
- うつ状態など心の不調に気づかれないまま進行することがあります
長期的な見通し
妊娠中の疲労感は、多くの場合、妊娠が進むにつれて軽くなります。最初の3か月が特に大変ですが、ひとりで頑張りすぎず、適切な休息とサポートを得ることで、快適に過ごすことができます。もし気になることがあれば、いつでも医療者に相談してください。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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