妊娠中の吐き気(つわり)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
妊娠中、特に妊娠初期に起こる吐き気や嘔吐のことを『つわり』と呼びます。病気ではなく、妊娠によって起こる自然な体の反応の一つです。
重要な事実
- 多くの妊婦さんが経験する、一時的な症状です。
- 多くの場合、妊娠12〜14週ごろには自然に落ち着いてきます。
- つわりが軽いからといって、赤ちゃんに問題があるわけではありません。
はい。妊娠した女性の約70〜80%が吐き気や嘔吐を経験するとされています。かなり一般的な症状です。
妊娠したすべての女性が可能性がありますが、特に妊娠初期(妊娠5〜12週ごろ)に多く見られます。
症状
- 以下の症状がある場合は、ためらわずに119番に電話してください。
- 吐いたものに血液が混じっている(赤い血やコーヒーの残りかすのような黒いもの)
- 意識がもうろうとする、または呼びかけに反応しない
- 立っていられないほどの強いめまいや失神がある
- ⚠なるべく早くかかりつけの産科医に電話し、指示を仰いでください。
- ⚠水分もまったく受け付けず、24時間以上吐き続けている
- ⚠尿の量が明らかに減り、色が濃い
- ⚠体重が急に減ってきた(妊娠前より5%以上の減少など)
- ⚠おなかに強い痛みがある
- ⚠37.5度以上の発熱がある
一般的な症状
- 朝起きた時に感じる吐き気(一日中続くこともあります)
- 実際に吐いてしまうこと
- 特定の匂いや食べ物に敏感になる
- 食欲がなくなる
- よだれが多くなる
- 胃がムカムカして気分が悪い
子供の症状
- この症状は妊娠中のお母さんに起こるもので、子どもには当てはまりません。お子さんに吐き気が続く場合は、小児科の医師にご相談ください。
高齢者の症状
- 妊娠中の吐き気は、妊娠可能な年齢の女性に特有のものです。高齢者の吐き気は別の原因が考えられますので、医師にご相談ください。
原因
主な原因
- 妊娠によって増えるホルモン(hCGやエストロゲン)の影響
- 血糖値の変化や胃腸の働きの変化
- 嗅覚が敏感になることによる、匂いへの反応
リスク要因
- 双子や多胎の妊娠
- 以前の妊娠でつわりが重かった
- 乗り物酔いしやすい、または片頭痛(偏頭痛)がある
- 甲状腺や胃の病気がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 水分が取れない、吐き続ける
- 尿が少ない、または色が濃い
- 意識がぼんやりする、めまいが強い
- 吐いたものに緑色や血の混じりがある
- おなかの強い痛みや発熱がある
定期受診を予約すべき場合:
- 吐き気が続いて日常生活に影響している場合
- 体重が減ってきたと感じる場合
- 妊娠中の心配事として、定期健診の時に相談しましょう。
診断
医師が症状を聞き、診察することで、つわりかどうかを判断します。必要に応じて、脱水や電解質のバランスなどを確認するための検査を行います。
行われる可能性のある検査
- 尿検査(ケトン体や脱水のチェック)
- 血液検査(肝機能や電解質の確認)
- 超音波検査(妊娠の状態や胎児の心拍確認)
診察で予想されること
特別な検査が必要ないことがほとんどですが、症状が重い場合は、尿や血液の検査を行い、入院が必要かどうかを判断します。医師から詳しい説明があります。
治療
つわりの治療は、まず自宅でできる生活習慣の工夫から始めます。それでも改善しない場合は、医師が安全に使える吐き気止めを検討したり、脱水が強い場合は点滴などの治療を行います。
自宅でのセルフケア
- 食べられる時に、少しずつ食べる(空腹を避ける)
- 朝、起きる前にパンやクラッカーなどをつまむ
- 調理の匂いなど、吐き気を誘うものを避ける
- 水分は一度に大量ではなく、こまめにとる
- 十分に休息し、体を冷やさないようにする
医療治療
医師の判断で、妊娠中でも安全性の高い吐き気の薬を処方されることがあります。脱水が強い場合は、病院で点滴の治療が行われることもあります。必ず医師・薬剤師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
該当ありません。
この病気と共に生きる
吐き気がある時は、無理をせず休息を取りましょう。食べられる時に食べられるものを少量とることが大切です。家族や周囲の人の協力を得て、家事や仕事を頼むことも一つの方法です。
生活習慣のアドバイス
- 十分な睡眠と休息をとる
- 部屋の換気をして、匂いをこもらせない
- 自分が楽だと思う姿勢や時間帯を見つける
- ゆっくりと着替えたり、入浴したりしてリラックスする
食事と運動
食事は、炭水化物中心の軽いもの(おにぎり、バナナ、うどんなど)を少しずつ頻繁に食べるのがおすすめです。無理のない範囲で、短時間の散歩など軽い運動をすると気分転換になることもありますが、体調の良い時だけにしてください。
精神的健康と心の健康
吐き気が続くと体力的にも精神的にもつらくなります。『つらい』と感じることは自然なことで、我慢しすぎず、気持ちを誰かに話すことが大切です。強い不安や落ち込みがある場合は、かかりつけ医に相談してください。
予防
つわりを完全に予防することはできませんが、食べ方や環境を工夫することで、症状をやわらげることができる場合があります。規則正しい生活と、無理のない休息が大切です。
合併症
治療しない場合
- 水分が取れずに脱水症状になることがある
- 体重減少や栄養不足になることがある
- まれに『妊娠悪阻(にんしんあくそ)』という重症のつわりに進行することがある
長期的な見通し
つわりの大部分は妊娠が進むにつれて自然に落ち着きます。つらい時期は限られているので、安心して医療者に相談しながら、この時期を乗り越えていきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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