体の片側に起こる発作(部分発作)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
体の片側に起こる発作は、脳の一部だけに異常な電気信号が発生することで、体の片側だけにけいれんやしびれなどの症状が現れるものです。このような発作を「部分発作(部分てんかん)」といいます。発作は短時間でおさまることが多いですが、適切な診断と治療が必要です。
重要な事実
- 体の片側だけに症状が出る発作のことを部分発作(または焦点性発作)といいます。
- 発作中は意識がはっきりしている場合も、ぼんやりする場合もあります。
- 多くの場合、薬で発作をコントロールできます。
- 発作が5分以上続く、または繰り返し起こる場合は緊急処置が必要です。
てんかんの一種であり、てんかん全体の中でも部分発作はよく見られるタイプです。日本でも多くの方がこの発作で専門医の治療を受けています。
どの年齢でも起こる可能性がありますが、子どもや高齢者に多く見られます。特に脳の損傷や感染症が原因となることがあります。
症状
- 発作が5分以上続く
- 発作が繰り返し起こり、その間に意識が戻らない
- 発作後に呼吸が苦しそう、または呼吸が止まっている
- 発作が初めての場合(特に高齢者や脳疾患がある人)
- 発作中に頭を強く打った
- ⚠発作のパターンが変わった(回数が増えた、症状が違う)
- ⚠発作後の意識回復に時間がかかる(15分以上)
- ⚠発作のあとに片側の麻痺が続く
一般的な症状
- 片側の腕や足がピクピクとけいれんする
- 片側の顔がゆがむ
- 片側の体にしびれやチクチク感がある
- 急に片側の力が入らなくなる
- 視野の片側がぼやける、または光が見える
- 強い不安感や既視感(デジャブ)が突然現れる
子供の症状
- じっと一点を見つめて反応がなくなる
- 片方の手や唇が小さくピクつく
- 学校で突然ぼーっとするため、注意欠陥と間違われやすい
高齢者の症状
- 脳卒中との区別が難しいことがある
- 認知症の症状と似た意識低下が見られることがある
- 転倒によるけがを起こしやすい
原因
主な原因
- 脳のけが(頭部外傷)
- 脳卒中(脳梗塞や脳出血)
- 脳の感染症(髄膜炎や脳炎)
- 先天的な脳の形成異常
- 原因がはっきりしない場合もある(特発性)
リスク要因
- てんかんの家族歴がある
- 過去に重度の頭部外傷を受けた
- 脳卒中や脳腫瘍を経験した
- 睡眠不足や過度のストレスが発作の誘因になることがある
- アルコールや薬物の影響
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 発作が初めて起こった
- 発作が5分以上続いた、または何度も繰り返した
- 発作後に呼吸がおかしい、または意識が戻らない
- 発作中にけがをした
定期受診を予約すべき場合:
- 発作はあるが安定している場合でも、定期的に脳神経内科やてんかん専門医を受診する
- 薬を飲んでいるが発作が完全に治まらない
- 副作用が気になる
診断
医師が問診と神経診察を行い、必要に応じて脳波検査(EEG)や画像検査(MRIなど)を行って診断します。発作の症状や経過を詳しく聞くことが重要です。
行われる可能性のある検査
- 脳波検査(EEG):脳の電気活動を記録する
- MRI(磁気共鳴画像):脳の構造を詳しく調べる
- 血液検査:感染症や電解質異常の有無を調べる
- 場合によっては長時間の脳波モニタリング
診察で予想されること
診断には数週間かかることがあります。医師との対話で、発作の様子をできるだけ詳しく伝えましょう。発作をスマートフォンで録画しておくと診断の助けになります。
治療
治療の基本は、抗てんかん薬(発作を抑える薬)を服用して発作を予防することです。薬の種類や量は、発作のタイプや患者さんの状態に合わせて医師が調整します。薬が効かない場合は、手術やその他の治療法が検討されることもあります。
自宅でのセルフケア
- 規則正しい生活を心がけ、睡眠不足を避ける
- ストレスをためないようにする
- アルコールは控えめに、または避ける
- 発作の誘因(ストレス、睡眠不足、特定の刺激)を知っておく
- 発作が起きたときの安全確保:周りに危険なものを置かない
医療治療
抗てんかん薬(発作を予防する薬)を毎日服用します。医師の指示に従って飲み続けることが大切です。副作用として眠気やふらつきが出ることがあるため、医師と相談しながら調整します。薬で効果が不十分な場合、てんかん外科手術(脳の異常部位を切除する手術)や迷走神経刺激療法などの治療法が検討されることがあります。
手術が検討される場合
薬で発作がコントロールできない場合(難治性てんかん)で、発作の原因となっている脳の場所がはっきりしている場合に、手術が選択されることがあります。手術の適応についてはてんかん専門の外科医が詳しく説明します。
この病気と共に生きる
発作が起きても日常生活を続けられます。ただし、発作のタイプによっては運転免許の取得や仕事に制限がある場合があります。日本では、てんかんがある場合の運転には医師の判断と一定の無発作期間が必要です。詳しくは主治医に相談しましょう。
生活習慣のアドバイス
- 睡眠時間をしっかり確保する
- 決まった時間に食事をとる
- ストレスをためない、リラックスする時間を作る
- 発作の前兆(オーラ)を感じたら、安全な場所に移動する
- 周囲の人に自分の発作について知らせておく
食事と運動
特に制限はありませんが、バランスの良い食事を心がけましょう。激しい運動も多くの場合は問題ありませんが、水泳や登山など危険を伴う活動は、発作のリスクを考えて医師と相談してください。ケトン食(高脂肪・低炭水化物の食事)が一部の小児の難治性てんかんに有効なことがありますが、医師の指導の下行います。
精神的健康と心の健康
発作への不安や社会での偏見から、うつや不安を感じることがあります。気持ちを一人で抱え込まず、家族や医師、カウンセラーに相談しましょう。精神的なサポートも治療の一部です。
予防
すべての発作を予防することはできませんが、睡眠不足や過度の飲酒、ストレスを避けることで発作の頻度を減らせる場合があります。また、抗てんかん薬をきちんと服用することで多くの発作を予防できます。
ワクチン
ワクチン接種が発作の予防になるわけではありませんが、感染症(脳炎など)が原因となる場合があるため、推奨されるワクチン(インフルエンザワクチンなど)は受けておくとよいでしょう。
検診プログラム
定期的な健康診断や脳ドックで脳の異常を早期に発見できる可能性がありますが、発作そのものを予防するための特別なスクリーニング検査はありません。
合併症
治療しない場合
- 発作が長引く(てんかん重積状態):命にかかわることがある
- 発作中の転倒やけが(頭部外傷、骨折など)
- 運転中の発作による交通事故
- 仕事や学業への影響
- うつや不安障害などの精神的な問題
長期的な見通し
適切な治療を受ければ、多くの方が発作をコントロールして普通の生活を送ることができます。薬の服用を続けることで、長期間発作がない状態(寛解)になる方も少なくありません。早期の診断と治療が重要です。希望を持って治療に取り組みましょう。
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国際機関
- 国際抗てんかん連盟
地域の団体
- 日本てんかん協会 · 日本全国
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月30日
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