熱性けいれん(発熱に伴うけいれん)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
熱性けいれんとは、赤ちゃんや小さなお子さんが高熱を出したときに起こる、突然のけいれん発作のことです。多くの場合、6か月から5歳くらいまでの子どもにみられ、脳に感染症などがない状態で起こります。けいれんは数分でおさまり、ほとんどの場合、後遺症は残りません。
重要な事実
- 熱性けいれんは子どもの約30人に1人が経験する、よくある症状です
- けいれんの時間は通常5分以内で、多くの場合1回だけ起こります
- 複雑な熱性けいれん(15分以上続く、部分的なけいれんなど)は注意が必要です
- 熱性けいれん自体が脳にダメージを与えることはほとんどありません
はい、とてもよく見られる症状です。日本では6か月から5歳までの子どもの約3~4%が経験するとされています。
主に6か月から5歳までの乳幼児が対象です。特に1歳から2歳の子どもに多く見られ、男の子のほうがやや多い傾向があります。大人や高齢者で発熱時にけいれんが起こる場合は、別の病気(髄膜炎や脳炎など)が隠れている可能性があるため、医師の診察が必要です。
症状
- けいれんが5分以上続く(緊急通報119番)
- けいれんがおさまっても意識が戻らない
- 呼吸が止まっている(または苦しそう)
- けいれんが2回以上連続して起こる
- 生後6か月未満の赤ちゃんに初めてのけいれんが起こった
- ⚠けいれんは短時間でおさまったが、発熱が続いている
- ⚠けいれん後に普段どおりに動けない(手足が動かないなど)
- ⚠元気がない、嘔吐を何度も繰り返す
- ⚠頭をぶつけた後など、けがが疑われる
一般的な症状
- 突然、全身が硬くなる(強直)
- 手足や顔がピクピクと震える(間代)
- 意識がなくなる
- 目つきがおかしくなる(白目をむく、一点をみつめるなど)
- 顔色が青白くなる(チアノーゼ)
- よだれが増える
- 呼吸が不規則になる
子供の症状
- 上の「よくある症状」とほぼ同じですが、子どもによっては短時間の意識消失だけの場合もあります
- けいれんのあとはぐったりして眠ることが多いです
- 熱が急に上がったタイミングで起こることが多いです
高齢者の症状
- 高齢者の場合、発熱に伴うけいれんはまれで、脳の感染症や電解質異常、脳卒中など別の原因が疑われます
- 意識障害や神経症状(麻痺、言葉がでないなど)を伴うことがあります
原因
主な原因
- 急な高熱(38度以上)が引き金となって起こる、良性のけいれん発作です
- 脳そのものに病気があるわけではなく、発熱による脳の興奮が原因と考えられています
- ウイルス感染症(インフルエンザ、突発性発疹、風邪など)がきっかけになることが多いです
リスク要因
- 家族(親や兄弟)に熱性けいれんの経験があると、起こりやすくなります
- 6か月から5歳の年齢であること
- 特に1歳前後の子どもで、熱の上がり方が急な場合
- インフルエンザや突発性発疹などの特定の感染症にかかったとき
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 初めてのけいれんのときは必ず医師の診察を受けてください
- けいれんが5分以上続く、または短時間で繰り返す場合は救急車を呼んでください
- けいれん後、意識が戻らない、ぐったりしている
定期受診を予約すべき場合:
- けいれんが短時間でおさまり、意識も戻った後でも、かかりつけの小児科で診察を受けましょう
- 発熱の原因を調べるため、血液検査や尿検査が行われることがあります
- けいれんの詳細(時間、様子)を医師に伝えられるようにメモしておくと良いでしょう
診断
医師が子どもの症状や経過を詳しく聞き、発熱の原因を調べます。必要に応じて血液検査や髄液検査を行い、脳炎や髄膜炎などの重い病気を除外します。
行われる可能性のある検査
- 問診(けいれんの様子、持続時間、家族歴など)
- 身体診察(神経の状態、耳やのどの感染の有無)
- 血液検査(炎症の程度、電解質、血糖値の確認)
- 髄液検査(細菌性髄膜炎の疑いがある場合)
- 脳波検査(てんかんの可能性を調べるために行うこともある)
- 画像検査(CTやMRI)は通常は不要ですが、複雑な場合は行うことがあります
診察で予想されること
診察では、医師がお子さんの状態を落ち着いて評価します。ほとんどの場合、特別な治療をしなくても経過観察で十分です。もし髄液検査が必要な場合でも、短時間で終わります。結果はその日のうちにわかることもあります。
治療
熱性けいれんは多くの場合、自然に治まるため、けいれんそのものに対する特別な治療はあまり必要ありません。発熱の原因となる感染症の治療(解熱薬の使用など)と、けいれんが長引く場合の対応が中心です。
自宅でのセルフケア
- けいれんが起きたら、落ち着いて時計を見て時間を計りましょう(5分以上なら119番)
- 子どもを安全な場所に寝かせ、周りに危険なものを置かない
- 口の中に指やタオルを入れない(誤飲や窒息の原因になります)
- 衣服をゆるめて、呼吸を楽にしてあげる
- けいれん中はむりに押さえつけず、自然に治まるのを待つ
- けいれんが治まったら、体を拭いたり解熱座薬を使うなどして熱を下げる(医師の指示に従ってください)
医療治療
医師は発熱の原因を治療します。細菌感染の場合は抗生物質(種類は医師が選択)、ウイルス感染の場合は対症療法が行われます。5分以上のけいれんが続く場合には、病院で発作を止める薬(抗けいれん薬)が使われることがありますが、服用は医師の判断で行います。再発予防のための薬を毎日飲み続けることは、原則として勧められていません。
手術が検討される場合
熱性けいれん自体に対して手術が行われることはありません。ただし、けいれんの原因として脳腫瘍や脳奇形などが見つかった場合には、その病気に対する手術が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
熱性けいれんは発熱時にだけ起こるため、普段の生活に制限はありません。ただし、てんかんという病気と間違われやすいので、正しい知識を持ちましょう。もしお子さんが熱を出したら、早めに解熱剤を使ったり(医師の指示に従って)、体温をこまめに測って急な高熱に備えると安心です。
生活習慣のアドバイス
- 予防接種は通常通り受けてかまいません(特にインフルエンザワクチンは熱性けいれんのきっかけとなる感染症を予防するのに役立ちます)
- 熱が出たときは、安静にしてこまめに水分を取らせましょう
- プールやお風呂は熱が下がってからにしましょう
- 自転車や高いところでの遊びは、熱があるときは控えましょう
食事と運動
普段どおりの食事と運動で問題ありません。熱があるときは消化の良いものを食べさせ、無理に運動させないようにしましょう。
精神的健康と心の健康
熱性けいれんを目の当たりにすると、家族はとても驚き、不安になるものです。しかし、大部分は後遺症なく治ることを覚えておいてください。もし強い不安がある場合は、医師や保健師に相談しましょう。子ども自身はけいれん中の記憶はなく、後遺症がなければ精神的な影響はありません。
予防
熱性けいれんを完全に予防することはできませんが、発熱を早めにコントロールすることでリスクを減らせる可能性があります。ただし、解熱薬を予防的に使うことがけいれんを防ぐという確かな証拠はありません。
ワクチン
定められた予防接種をきちんと受けることで、熱性けいれんの原因となる感染症(インフルエンザ、麻疹、水ぼうそうなど)を予防できます。予防接種後に熱が出てけいれんが起こることがありますが、これも自然な反応であり、後遺症はありません。
検診プログラム
特別なスクリーニング検査はありません。家族歴がある場合や、過去に熱性けいれんを起こしたことがある場合は、発熱時に早めに医師に相談しましょう。
合併症
治療しない場合
- 熱性けいれんそのものが未治療で問題になることはほとんどありませんが、原因となる感染症(髄膜炎など)が放置されると重篤な神経後遺症を残す可能性があります
- まれにてんかんに移行することがあります(特に複雑な熱性けいれんの場合)
- けいれん中に誤って転んだり、物を飲み込んだりする危険があります
長期的な見通し
ほとんどの熱性けいれんは、成長とともに自然に見られなくなり、脳や発達に影響を残しません。5歳を過ぎるとめったに起こらなくなります。複雑な熱性けいれんの場合でも、適切なフォローアップを受ければ予後は良好です。ごく一部でてんかんを発症することがありますが、早期発見・治療でしっかりコントロールできます。希望を持って、前向きに子育てを続けてください。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月30日
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