副腎の病気と診断されたあとに知っておきたいこと
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
副腎は、腎臓の上にある小さな臓器で、体のエネルギーを保ったり、水分や塩分のバランスを整えたりするホルモンを作っています。副腎の病気では、このホルモンが十分に作られなくなることがあります。診断された後は、足りないホルモンを補う治療を続けることで、日常生活を送ることができます。
重要な事実
- 副腎の病気は、治療を続ければ多くの方で症状をうまくコントロールできます。
- 治療の中心は、不足しているホルモンを薬で補う補充療法です。
- 風邪や発熱などで体に負担がかかると、薬の量を一時的に増やす必要があることがあります。
- 一部の副腎の病気は、厚生労働省が定める指定難病に該当し、医療費助成の対象となることがあります。
副腎の病気は一般的な病気ではありませんが、近年、診断される方は増えています。まれな病気のため、地域の医療機関では経験が少ないこともあります。
どの年齢でも起こる可能性がありますが、特に20歳から40歳の女性に多く見られるといわれています。また、長期間ステロイド薬を使用していた方にも起こることがあります。
症状
- 意識がもうろうとする、または意識を失う
- 激しい吐き気やおう吐が続く
- 下痢や腹痛が激しい
- 血圧が下がり、立ち上がれないほどの脱力感がある
- けいれんが起きる
- これらの症状があるときは、すぐに119番で救急車を呼んでください。
- ⚠38度以上の発熱がある
- ⚠おう吐や下痢で水分がとれない
- ⚠普段どおりに薬を飲めない
- ⚠大きなけがをした、または手術の予定がある
- ⚠このようなときは、当日中に医療機関へ連絡して指示を受けてください。
一般的な症状
- 疲れやすく、体がだるい
- 食欲がなくなり、体重が減る
- めまいや立ちくらみがある
- 吐き気や腹痛がある
- 皮膚が黒ずむ(特に指の関節やひじなど)
子供の症状
- 身長や体重の増え方がゆっくりである
- 思春期が遅れる
- おなかの痛みや吐き気をよく訴える
高齢者の症状
- 食欲低下や脱水が起こりやすい
- ふらつきや転倒に注意が必要
- 意識がぼんやりすることがある
原因
主な原因
- 免疫の異常で、自分の副腎が攻撃されてホルモンを作れなくなること(自己免疫性副腎炎)
- 結核などの感染症によって副腎が障害されること
- 副腎に腫瘍や出血が生じること
- 長期間にわたって強いステロイド薬を使用していたため、副腎の働きが抑えられること
リスク要因
- 自己免疫疾患(例えば、橋本病や1型糖尿病)にかかっている
- 家族に自己免疫疾患の人がいる
- 副腎の手術や病気の既往がある
- 強いステロイド薬を長期にわたって使用している
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 急に激しい吐き気、おう吐、下痢、腹痛があり、ぐったりする
- 意識がもうろうとする、または呼びかけに反応が鈍い
- 血圧が下がって、立ち上がるのが難しい
定期受診を予約すべき場合:
- 診断後の定期受診(血液検査や体調の確認)
- 新しい症状や気になる変化があるとき
- 妊娠を考えているとき、または妊娠中
診断
副腎の病気は、血液検査で副腎から出るホルモンの量を調べることで診断されます。必要に応じて、副腎にはたらきかけるホルモンを注射して反応をみる検査や、画像検査も行います。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(ホルモン値や電解質の測定)
- 副腎刺激試験(ACTH負荷試験)
- 尿検査(ホルモン代謝物の測定)
- CTやMRIなどによる副腎の画像検査
診察で予想されること
検査は入院して行うこともありますが、多くは通院で受けられます。結果が出るまで数日かかることがあるため、心配な点は医師に相談しながら進めましょう。
治療
副腎の病気の治療では、不足しているホルモンを薬で補う「補充療法」を行います。体調や生活の状況に合わせて薬の量を調整しながら、長く続けていくことが大切です。
自宅でのセルフケア
- 医師の指示に従って、毎日きちんと薬を飲む
- 体重、血圧、体調の変化を記録する
- 風邪や発熱のときは、早めに医療機関に連絡する
- 緊急時用の説明書や医療者への連絡先を常に携帯する
医療治療
治療の中心は、不足している副腎皮質ホルモンを補うお薬です。薬の種類や量は、年齢、体重、生活スタイル、体調によって医師が個別に決めます。発熱や手術など大きなストレスがあるときは、一時的に量を増やす必要があるため、必ず医師の指示を仰ぎましょう。
手術が検討される場合
副腎に腫瘍などがある場合は、手術で病変を取り除くことがあります。手術の適応や時期は、原因や大きさ、症状によって慎重に判断されます。
この病気と共に生きる
診断後も、治療を続けながら仕事や家事、趣味など普段の生活を続けられます。薬の管理と定期的な通院を習慣にすると安心です。旅行に出るときは、医師の紹介状や薬の説明を持参し、予備の薬を用意しておきましょう。
生活習慣のアドバイス
- 十分な睡眠と休養をとる
- 強いストレスを避け、リラックスする時間をつくる
- インフルエンザなどの感染症を予防する
- アルコールはほどほどにし、喫煙は控える
食事と運動
栄養バランスのよい食事を心がけ、塩分の必要量は医師に相談しましょう。運動は軽いウォーキングなどから始めて、体調に合わせて無理のない範囲で行います。激しい運動や長時間の運動は避け、体調の変化に注意しましょう。
精神的健康と心の健康
慢性的な病気と向き合うことは、不安や落ち込みを感じることもあります。気分の落ち込みや不安が続く場合は、一人で抱え込まず、医師やカウンセラーに相談してください。周囲の理解を得ることも大切です。
予防
副腎の病気そのものを予防する方法は今のところありません。しかし、早期に診断し、適切な治療を続けることで、副腎クリーゼなどの重い合併症を防ぐことができます。
ワクチン
インフルエンザや肺炎球菌などの予防接種は、感染症をきっかけに体調が悪化するのを防ぐために重要です。受ける際は、かかりつけ医に相談しましょう。
検診プログラム
副腎の病気を対象にした特定の健康診断はありませんが、健康診断の結果でホルモン異常や電解質異常が疑われた場合は、精密検査がすすめられます。
合併症
治療しない場合
- 副腎クリーゼ(急激な血圧低下、意識障害、ショック)
- 低血糖や脱水による意識障害
- 感染症の重症化や、けが・手術からの回復の遅れ
長期的な見通し
副腎の病気は、治療を続けることで症状をしっかりコントロールでき、多くの方が長く安定した生活を送っています。病気を正しく理解し、医療者と良い関係を築きながら、焦らずに治療と向き合っていきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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