子どもの副腎(ふくじん)の病気:わかりやすい解説
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
副腎は、腎臓の上にある小さな臓器で、体を健康に保つために大切なホルモンを作っています。副腎の病気は、このホルモンが足りなくなったり、過剰になったりする状態です。子どもでは、先天的な異常や腫瘍などが原因になります。
重要な事実
- 副腎は、コルチゾール、アルドステロン、アドレナリンなどのホルモンを作っています。
- 副腎の病気は、体の成長や血圧、エネルギーの調節に影響します。
- 早期に発見して治療すれば、多くの子どもは健康的な生活を送れます。
まれな病気ですが、特定の種類(先天性副腎過形成など)は新生児スクリーニングで見つかることがあります。
どの年齢の子どもにも起こりえますが、多くは生まれてすぐか、乳幼児期に診断されます。
症状
- 突然の激しいおう吐や下痢
- 意識がもうろうとする
- けいれん
- 血圧が極端に低い
- ⚠風邪やけがなどで体に強いストレスがかかったときに、ぐったりする
- ⚠いつもの薬を飲めない
- ⚠急に体重が減った
一般的な症状
- 疲れやすい
- 食欲がない
- 体重が増えない
- 血圧が低い
- 塩分を欲しがる
子供の症状
- 長引く吐き気やおう吐
- 脱水症状
- 成長の遅れ
- 思春期の早発(早すぎる第二次性徴)
- 女の子で外性器の外見が典型的でない(先天性副腎過形成)
高齢者の症状
- 思春期以降の子どもでは、月経不順、体毛の増加、にきびなどが見られることがあります。
原因
主な原因
- 先天性副腎過形成(副腎でホルモンを作る酵素の働きが生まれつき弱い)
- 自己免疫性副腎炎(体の免疫が副腎を攻撃する)
- 副腎腫瘍(まれにできる腫瘍)
- 感染症や出血などによる副腎の障害
リスク要因
- 家族に副腎の病気がある
- 特定の遺伝子の変化(先天性副腎過形成など)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急症状がある場合は、すぐに119番で救急車を呼んでください。
- 副腎クリーゼの疑いがあるとき(激しいおう吐・低血圧・意識障害)
定期受診を予約すべき場合:
- 成長が遅い、原因不明の疲れやすさが続く
- 血圧が高いまたは低い
- 思春期の変化が早すぎる、または遅すぎる
診断
問診と診察の後、血液検査でホルモンの値や電解質を調べます。必要に応じて、画像検査や遺伝子検査を行うこともあります。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(コルチゾール、ACTH、アルドステロン、電解質など)
- 超音波検査やCT、MRIなどの画像検査
- 遺伝子検査(必要に応じて)
診察で予想されること
専門の小児内分泌科(ホルモンの病気を専門とする科)を紹介されます。検査結果がそろうまでに時間がかかることがありますが、治療が始まれば多くの症状は改善します。
治療
治療は、不足しているホルモンを補うことが中心です。原因や重症度によって、薬の種類や量が変わります。副腎腫瘍の場合は手術が必要なこともあります。
自宅でのセルフケア
- お薬を医師の指示どおりに飲むこと
- 体調が悪いときは、早めに医療機関に連絡する
- 医療タグ(緊急連絡用のリストバンドなど)を身につけておくと安心です
医療治療
不足しているホルモンを補充する治療が基本です。かぜやけがなどのストレスがかかる場面では、あらかじめ医師から指示された追加の補充が必要になることがあります。具体的な薬の名前や量については、必ず医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
副腎に腫瘍がある場合や、がんが疑われる場合に、手術で腫瘍(または副腎)を摘出することがあります。
この病気と共に生きる
副腎の病気を持っていても、多くの子どもは通常の生活を送れます。毎日の薬の管理と、体調の変化に注意することが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 規則正しい生活と十分な睡眠
- かかりつけ医と連絡が取れるようにしておく
- 学校の先生に緊急時の対応を伝えておく
食事と運動
特別な食事制限はありませんが、塩分を多く失う病気では、医師の指導に従って塩分を多くとる必要があることがあります。運動は健康な子どもと同じように楽しんで問題ありません。
精神的健康と心の健康
慢性的な病気を持つ子どもは、自分だけが違うと感じたり、学校生活で不安になることがあります。周囲の理解とサポートが大切です。
予防
多くの副腎の病気は先天的なもので、予防することはできません。しかし、新生児スクリーニング(生まれたときの検査)で早期に見つけることで、重い症状を防げます。厚生労働省のプログラムで、先天性副腎過形成は対象となっています。
ワクチン
ワクチンは副腎の病気を直接予防するものではありませんが、感染症を防ぐことで副腎への負担を減らせます。定期接種のスケジュールは守りましょう。
検診プログラム
日本では、新生児スクリーニングとして先天性副腎過形成の検査が行われています。これにより、早い段階で見つけられます。
合併症
治療しない場合
- 副腎クリーゼ(急に全身の状態が悪くなる危険な状態)
- 重度の脱水や電解質の異常
- 身長の伸びが悪くなるなど、成長への影響
- 思春期の発達に異常が出ることがある
長期的な見通し
適切な治療を受ければ、多くの子どもは元気に学校生活を送り、大人になっても健康に暮らせます。定期的なフォローアップと、体調の変化への対応が大切です。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月31日
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