妊娠中の腰痛
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
妊娠中に腰のあたりに痛みを感じることをいいます。おなかが大きくなるにつれて体の重心が前に移動し、腰や背中の筋肉に負担がかかるため、腰痛が起こりやすくなります。
重要な事実
- 妊婦の約5〜7割が経験するといわれています
- 多くの場合、出産後には自然に改善します
- 正しい姿勢や軽い運動、日常の工夫で和らげることができます
はい、とてもよくある症状です。厚生労働省の資料でも、妊娠中に起こる一般的な症状として腰痛が挙げられています。
妊娠中期から後期の女性によく見られます。妊娠前から腰痛があった方や、何度か出産された方はより起こりやすい傾向があります。
症状
- 腰痛に加えて、出血がある
- 激しい腹痛やおなかの張りが続く
- 赤ちゃんの動きが極端に少ない
- 意識がもうろうとする
- けいれんがある
- ⚠腰痛とともに発熱や悪寒がある
- ⚠排尿時の痛みや血尿がある
- ⚠転んだりぶつけたりした後の腰痛
- ⚠痛みがひどくなり歩けない
一般的な症状
- 腰の下の方の鈍い痛み
- 立っている時間が長いと痛む
- 座ったままだと痛む
- 痛みがおしりや太ももに広がる
- 夜間や安静にしていても痛むことがある
子供の症状
- この情報は妊娠中の方についてのものです。子どもには直接当てはまりません。子どもの腰痛については、小児科の医師にご相談ください。
高齢者の症状
- 妊娠中の腰痛は、高齢者の腰痛とは原因が異なります。高齢者の腰痛でお困りの場合は、医師に相談してください。
原因
主な原因
- 妊娠による体重増加で腰に負担がかかる
- 重心が前方に移動する
- リラキシンというホルモンの影響で関節がゆるむ
- 腹筋が弱まり、姿勢が崩れる
リスク要因
- 妊娠前に腰痛があった
- 肥満気味である
- 多胎妊娠(双子など)
- 立ち仕事や重い物を持つことが多い
- 喫煙している(妊娠中の喫煙は禁煙にしましょう)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急症状に当てはまる場合
- 痛みが強く、家でどうにも改善しない場合
定期受診を予約すべき場合:
- 腰痛が続いて眠れない、家事や仕事がつらい場合
- 痛みで歩くのが困難な場合
- 産婦人科の定期健診のときに相談する
診断
医師は、あなたの話を聞き、身体の診察を行って確認します。妊娠中はレントゲンやCTを避けることが多いため、まずは痛みの場所や姿勢、動きを丁寧にみる方法が中心になります。
行われる可能性のある検査
- 問診・触診(痛みの場所や状態を確認する)
- 尿検査(腎臓や尿路の感染症がないか確認)
- 必要に応じて超音波検査(エコー)やMRI
診察で予想されること
赤ちゃんの安全を第一に、検査はできるだけ最小限にします。診察では、現在の妊娠週数やおなかの張り、赤ちゃんの健康状態も確認します。
治療
妊娠中の腰痛の治療は、まず薬を使わずに生活の中で対処することが基本です。温めたり、姿勢や動きを工夫したり、適度に休むことで、多くの場合症状が和らぎます。
自宅でのセルフケア
- 痛みのある部分を温める(おなかは温めすぎない)
- 横向きに寝て、足の間にクッションをはさむ
- 立つときはお尻を締め、おなかを軽く引っ込める
- 重いものを持たない。床の物を拾うときはしゃがんで持つ
- 医師の許可が得られたら、妊婦体操やストレッチを行う
医療治療
産婦人科の医師や助産師が、マッサージや骨盤ベルトのような非薬物的な方法を提案することがあります。妊娠中に安全に使える薬には限りがあるため、強い痛みがある場合も必ず医師に相談してください。自己判断で薬を使うことは避け、医師の指示に従いましょう。
手術が検討される場合
妊娠中の腰痛で手術が必要になることは、ほぼありません。非常にまれに、神経の強い圧迫など特別な理由がある場合には、専門医を紹介されることがあります。
この病気と共に生きる
急に動いたり、中腰の姿勢を続けたりしないようにしましょう。家事はできるだけ家族に手伝ってもらい、こまめに休憩を取ってください。
生活習慣のアドバイス
- 無理をせず、十分な睡眠をとる
- おなかを圧迫しない服装や、履きなれた低いかかとの靴を選ぶ
- カバンは重くしすぎない
- パートナーや家族に家事を分担してもらう
食事と運動
骨や筋肉の健康のために、カルシウムやタンパク質、ビタミンDを意識した食事(牛乳・小魚・大豆製品など)をとりましょう。運動は医師に相談したうえで、ウォーキングやマタニティヨガなどの軽いものから始めるのが安心です。
精神的健康と心の健康
腰痛が続くと眠りにくくなったり、家事や仕事ができず、気持ちが落ち込んでしまうこともあります。妊娠中の気分の変化は自然なことです。つらい気持ちを抱え込まず、産婦人科医や助産師、保健師に話しましょう。
予防
完全に防ぐことは難しいですが、妊娠前から適度な運動で腹筋や背筋を鍛えておくと、腰への負担が減り、腰痛を和らげられる可能性があります。妊娠中も正しい姿勢を保ち、急な動作を避けましょう。
ワクチン
該当なし
検診プログラム
該当なし
合併症
治療しない場合
- 睡眠不足や活動量の低下につながることがある
- 歩行が難しくなり、血栓(血のかたまり)のリスクが高まることがある
- まれに神経が圧迫されて、足のしびれや力が入りにくくなることがある
長期的な見通し
ほとんどの場合、出産をきっかけに腰痛はかなり楽になります。妊娠中も適切なケアと生活の工夫で十分に改善できます。心配な症状があれば、医師に相談しながら、安心して過ごせる方法を見つけていきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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