腰痛:どのようなときに医療機関を受診すべきか
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
腰痛は、背中の下部(腰回り)に痛みやだるさを感じる状態です。多くの場合、重い物を持ち上げたときや、同じ姿勢を続けたときなどに起こります。大部分の腰痛は、時間の経過とともに良くなりますが、中には注意が必要な腰痛もあります。
重要な事実
- 多くの腰痛は数週間で自然に良くなります。
- 安静にしすぎず、無理のない範囲で体を動かすことが大切です。
- まれに、腰の痛みの背後に深刻な病気が隠れていることがあります。
はい、とても一般的です。日本では、腰痛を経験したことがある人は国民の約8割にのぼるともいわれています。
どの年代の人にも起こりますが、働き盛りの人や、体をよく動かす仕事に就いている人、高齢者に多く見られます。
症状
- 次のような症状がある場合は、すぐに119番を呼んで救急車を依頼してください。
- 突然の激しい腰の痛み
- 足の力が入らない、しびれて立てない
- おしりや太ももの内側の感覚がなくなる
- 尿や便が出ない、または漏れる
- ひどい痛みとともに発熱や悪寒がある
- ⚠転んだりぶつけたりした後に起こった腰の痛み
- ⚠排尿や排便に変化がある
- ⚠体重が急に減った
- ⚠安静にしていても痛みが続く
- ⚠強い痛みで日常生活が送れない
一般的な症状
- 腰部の鈍い痛みや張り
- 体を動かすと痛みが強くなる
- 朝起きたときにこわばりを感じる
- 痛みがおしりや太ももに広がることがある
子供の症状
- 子どもの腰痛はまれですが、長く続く場合には注意が必要です。
- 発熱やだるさを伴う腰痛は、すぐに医療機関を受診しましょう。
- 運動後の痛みで数日以内に良くなる場合がほとんどです。
高齢者の症状
- 安静にしていても痛むことがあります。
- 背中がまるくなり、身長が縮むなど、骨が弱くなっているサインのことがあります。
- 歩くと痛み、前かがみになると楽になる症状がみられることがあります。
原因
主な原因
- 腰回りの筋肉やじん帯の負担(いわゆるギックリ腰)
- 椎間板(ついかんばん)というクッションに負担がかかること
- 背骨の関節や骨の老化
- 骨の弱り(骨粗鬆症)による圧迫骨折
リスク要因
- 年齢を重ねること
- 運動不足や筋力の低下
- 長時間同じ姿勢(デスクワークなど)
- 重い物を繰り返し持ち上げる作業
- ストレスや睡眠不足
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 足のしびれや力が入らない、排尿・排便の異常がある
- 発熱や体重減少を伴う
- 強い痛みのために体を動かせない
定期受診を予約すべき場合:
- 痛みが1週間以上続く
- 市販の湿布や鎮痛薬(薬局で買えるもの)を試しても改善しない
- 慢性的に腰痛があり、日常生活に支障がある
診断
医師が、いつからどのような痛みがあるのか、どのようなときに痛むのかを詳しく聞き、体の動きや神経の状態を確認します。必要に応じて画像検査を行います。
行われる可能性のある検査
- レントゲン検査:骨の形やずれを確認します。
- MRI検査:椎間板や神経の状態を詳しく調べます。
- CT検査:骨の細かい部分を確認します。
- 血液検査:炎症や感染の可能性を調べます。
診察で予想されること
診察では、あなたの症状や仕事、日常生活について質問されます。不安なことや気になることは、遠慮なく医師に伝えましょう。
治療
治療の基本は、痛みをやわらげながら、なるべく普通に近い生活を続けることです。多くの場合、手術は必要ありません。痛みが続く場合には、運動療法や理学療法などが行われます。
自宅でのセルフケア
- 痛みが出た直後は、無理に動かさず、楽な姿勢で安静にします。ただし、安静は必要以上に長くしないこと。
- 痛みがやわらいできたら、医師や理学療法士の指示に従って、軽いストレッチやウォーキングを取り入れます。
- 腰を温めると血行がよくなり、こわばりがやわらぐことがあります(急性期の痛みには冷やすこともあります)。
- 硬い床に直接寝るのではなく、体のラインに合うマットレスを使うと楽になることがあります。
- 重いものを持つときは、腰をまっすぐに保ち、膝を曲げて持ち上げます。
医療治療
医療機関では、湿布や飲み薬などの薬物療法、理学療法、ブロック注射(神経の痛みをやわらげる治療)などが行われることがあります。具体的な薬の名前や種類については、医師や薬剤師に相談してください。手術が必要になることはまれです。
手術が検討される場合
大きなしびれや、排尿・排便に影響が出るなど、神経の圧迫が強い場合に検討されることがあります。多くの場合、数か月の保存的な治療を続けてから判断されます。
この病気と共に生きる
腰痛とうまく付き合うには、痛みを避けながらも、できる範囲で体を動かし続けることが大切です。動かすことで筋力が保たれ、回復を助けます。
生活習慣のアドバイス
- まずは数分でもいいので、毎日決まった時間に歩く習慣をつけましょう。
- 同じ姿勢を続けるときは、1時間に1回は立ち上がって体を動かしましょう。
- 靴はかかとが低く、足になじむものを選びましょう。
- 整理整頓などをして、体をひねらないと取れない物を減らしましょう。
- 十分な睡眠とストレスをためない工夫も、痛みの感じ方に影響します。
食事と運動
骨や筋肉を元気に保つために、バランスのよい食事を心がけましょう。特に、カルシウムやビタミンDが含まれる食品(牛乳、小魚、豆腐、きのこ類など)は、骨の健康に役立ちます。無理のない範囲で、体幹を鍛える運動(プランクやお尻上げなど)も効果的ですが、最初は専門家に相談してください。
精神的健康と心の健康
腰痛が長く続くと、気分が落ち込んだり、イライラしたりすることがあります。痛みは心と体の両方の状態に影響を受けるため、気持ちのケアも治療の一部です。気分が晴れない場合は、医療機関や相談機関に話を聞いてもらいましょう。
予防
腰痛のすべてを予防することはできませんが、生活習慣を整えることでリスクを大きく減らせます。日頃から無理のない範囲で体を動かし、腰に負担をかけない動作を意識することが大切です。
検診プログラム
特別な検診は一般的ではありませんが、骨粗鬆症の検査(骨密度測定)などが気になる場合は、かかりつけ医に相談しましょう。
合併症
治療しない場合
- まれに、神経の圧迫が続くと、足のしびれや筋力低下が残ることがあります。
- 排尿や排便の障害が起こることはまれですが、その場合は緊急の治療が必要です。
- 慢性的な痛みのために、運動不足や社会とのつながりの減少が起こりえます。
長期的な見通し
多くの腰痛は、適切な治療と生活管理によって改善します。たとえ痛みが長引いても、焦らずに自分のペースで体と向き合うことが大切です。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。