糖尿病と診断されたら:安心して長くつきあうためのガイド
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
糖尿病は、血液の中のブドウ糖(血糖)が多くなりすぎる病気です。血糖を下げる働きをもつ「インスリン」というホルモンが十分に働かないと、血糖が高い状態が続きます。診断後は「治す」ことより、「血糖をうまくコントロールして、元気に日常生活を送る」ことを目指します。
重要な事実
- 糖尿病は血糖値が高い状態が続く病気ですが、自覚症状が少ないこともあります。
- 食事・運動・薬の3本柱で、血糖を整えることが治療の基本です。
- 血糖コントロールを続けることで、将来の合併症をかなり防げることがわかっています。
糖尿病は日本人にとても多い病気です。厚生労働省の調査では、糖尿病が強く疑われる人と可能性を否定できない人をあわせると、約2,000万人にのぼるとされています。
40歳以上の中高年に多く見られますが、最近は若い世代でも増えています。肥満傾向の人、運動不足の人、食べすぎ・飲酒が多い人に起こりやすい一方、痩せている人や若い人でも発症することがあります。
症状
- 高血糖や低血糖のために意識がもうろうとする
- 呼びかけに答えない・意識を失う
- けいれんが起きる
- 強い吐き気やおう吐を繰り返す
- 深くて速い呼吸になる
- 冷や汗が止まらず、震えがひどく自分で対処できない
- ⚠のどが異常に渇き、水分をとってもよくならない
- ⚠高血糖か低血糖かはっきりせず、気分が悪い
- ⚠発熱や下痢、おう吐で水分がとれない
- ⚠足の傷がなかなか治らない、または化膿している
- ⚠めまいや立ちくらみが続く
一般的な症状
- 初期はほとんど自覚症状がないことが多い
- のどが渇く・水をよく飲む
- 尿の量や回数が増える
- 疲れやすい・体がだるい
- 体重が減る(進行した場合など)
子供の症状
- 夜尿(おねしょ)が続く
- 体重が減る
- 元気がない
- 吐き気を訴える
高齢者の症状
- 口の渇きを感じにくく、気づかないことがある
- めまいやふらつき(脱水)
- ぼんやりして元気がない
- 食欲がなくなる
- 転びやすくなる
原因
主な原因
- インスリン(血糖を下げるホルモン)の出が悪くなる、または効きが悪くなる
- 食べすぎ・運動不足・肥満など生活習慣の影響
- 遺伝的にかかりやすい体質が関係する
リスク要因
- 親や兄弟など近い家族に糖尿病の人がいる
- 肥満、特にウエスト周りに脂肪が多い
- 運動不足
- 高血圧や脂質異常症がある
- 妊娠中に妊娠糖尿病と診断されたことがある
- 40歳以上で加齢に伴う変化がある
- 喫煙習慣がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 意識がもうろうとする、呼びかけに反応しない
- けいれんがある
- 激しい吐き気や腹痛が続く
- 自分で水分をとれない状態が続く
定期受診を予約すべき場合:
- 定期的な血糖検査と合併症の検査(3〜6か月ごと)
- 処方された薬の効果や副作用についての診察
- 食事や運動、日常生活の困りごとの相談
診断
糖尿病の診断は、血液検査で血糖値を調べることで行われます。空腹時血糖、食後血糖、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー:過去1〜2か月の平均的な血糖のあらわれ)などを確認し、医師が総合的に判断します。
行われる可能性のある検査
- 空腹時血糖(10時間以上食事をしない状態での血糖)
- HbA1c(過去1〜2か月の平均血糖を反映する値)
- 75gブドウ糖負荷試験(糖を飲んで血糖の変化をみる検査)
- 尿検査(尿の中の糖やたんぱくを調べる)
診察で予想されること
血糖の結果はその場でわかることも、数日後にわかることもあります。診断後は、医師や看護師、管理栄養士から、これからの治療や生活について説明があります。「こうしなければ」と完璧をめざさず、わからないことは何度でも質問してください。
治療
治療の目的は、血糖を下げることだけでなく、将来の合併症(目・腎臓・神経など)を防ぐことです。食事療法、運動療法、薬物療法を、あなたの生活スタイルに合わせて組み合わせていきます。
自宅でのセルフケア
- 決められた通院と検査を続ける
- 食事の内容や時間を整える(野菜から食べる、ゆっくり噩むなど)
- 無理のない運動を習慣にする(歩く、ストレッチなど)
- 処方された薬やインスリン注射の指示を守る
- 低血糖の症状が出たときに備えて、糖分を含むものを携帯する
医療治療
糖尿病の薬には、血糖を下げる飲み薬、注射薬、インスリン製剤などがあります。医師はあなたの血糖値、体重、腎臓や肝臓の状態、生活スタイルを考慮して、合った薬を選びます。自己判断で薬を中止したり、量を変えたりしないでください。
手術が検討される場合
通常、糖尿病そのものを手術で治すわけではありません。ただし、重症の肥満をともなう糖尿病では、減量を目的とした手術(代謝手術・減量手術)が検討されることがあります。これは専門の医師と十分に相談したうえで決めます。
この病気と共に生きる
毎日の血糖値は、食事や体調、ストレスで変わります。一喜一憂せず、長い目でとらえることが大切です。血糖測定の値や食事の内容を記録して、通院時に見せると、治療の参考になります。
生活習慣のアドバイス
- 睡眠をしっかりとる
- ストレスをためすぎない
- 飲酒は控えめにする
- 喫煙は合併症のリスクを高めるので、禁煙に取り組む
- 歯みがきなど、口の中を清潔に保つ
食事と運動
食事は、主食・主菜・副菜をそろえたバランスのよいものを意識しましょう。野菜から食べ始めると、血糖の上がり方がゆるやかになります。運動は、食後に10〜20分歩くだけでも効果があります。無理なく続けられる方法を見つけることが大切です。
精神的健康と心の健康
糖尿病は長く付き合う病気なので、「できていない」と自分を責めたり、不安になったりすることもあります。そんな気持ちは自然なことです。ひとりで抱えず、家族や医療者に話してください。必要に応じて、心理的なサポートを受けることもできます。
予防
残念ながら、一度発症した糖尿病を完全に「治す」ことはできません。しかし、診断後すぐに血糖コントロールを始めれば、合併症の進行を抑え、健康な人と同じような生活を送ることは十分に可能です。
ワクチン
糖尿病の人は感染症にかかると重症化しやすい傾向があります。インフルエンザや肺炎球菌などの予防接種について、かかりつけ医と相談しましょう。
検診プログラム
糖尿病の合併症を早期に見つけるために、年に1回は目(眼底検査)、腎臓(尿・血液検査)、足の状態をチェックしましょう。
合併症
治療しない場合
- 目の中の血管が傷つく「糖尿病網膜症」
- 腎臓の働きが低下する「糖尿病腎症」
- 手足の感覚が鈍る「糖尿病神経障害」
- 心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まる
- 足の血流が悪くなり、傷が治りにくくなることがある
長期的な見通し
糖尿病の治療は長い道のりですが、続けるほど体は確実に応えてくれます。血糖コントロールを良好に保つ人は、合併症のリスクが大きく下がることが知られています。完璧をめざさず、あなたのペースで一歩ずつ進んでいきましょう。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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