骨折の回復と家族の暮らし
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
骨折とは、骨にひびが入ったり、折れたりすることです。折れた骨は、時間をかけて新しい骨が作られてつながっていきます。回復には数週間から数か月かかることがあり、その間の家族の理解とサポートがとても大切です。
重要な事実
- 骨折は通常、数週間から数か月かけて自然に治っていきます。
- ギプスや装具で固定し、骨が安定してくるとリハビリを始めます。
- 家族のサポートが、通院や生活のしやすさ、気持ちの安定につながります。
- 適切な時期にリハビリを始めると、機能の回復が良くなります。
骨折は日本でも年間に多くの人が経験する、身近なけがのひとつです。特に高齢者では、転倒による骨折が増えることが知られています。
子どもから高齢者まで、誰にでも起こり得ます。骨が弱くなっている人や、運動不足・転倒しやすい環境にいる人は、特に注意が必要です。
症状
- 骨が皮膚を突き破っている
- 強い出血が止まらない
- 指先の感覚がない、色が青白いまたは紫色
- 意識がもうろうとしている
- 大きな事故や高いところからの転落があった
- ⚠痛みが強く、がまんできない
- ⚠関節が変形している
- ⚠手足が動かない、しびれがある
- ⚠高齢者が転んだ後に痛みが続く
- ⚠けがのあとに腫れがどんどん大きくなる
一般的な症状
- 痛み、はれ、内出血
- ぶつけた場所を動かせない、動かすと痛む
- 体重をかけられない
- 手足に力が入らない
- 骨が変な方向に曲がって見える
子供の症状
- 泣いて痛がり、その手足を動かさない
- 片足を引きずる、片腕を使わない
- 触られることを嫌がる
- いつもより不機嫌だったり、元気がない
高齢者の症状
- 転んだあとに腰や股関節が痛くて動けない
- 足を上げられない、立ち上がれない
- 痛みがはっきりしないのに動かさない
- 認知症の人は痛みをうまく伝えられないこともある
- 骨折していても「痛くない」と言うことがある
原因
主な原因
- 転倒や転落
- 交通事故
- スポーツ中の衝突やひねり
- 骨に強い力が加わること
リスク要因
- 骨粗しょう症(骨がもろくなる病気)
- 高齢による筋力やバランス能力の低下
- カルシウムやビタミンDなどの栄養不足
- 喫煙や過度の飲酒
- 運動不足
- 家の中に段差や散らかった物がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 骨が皮膚を突き破っている
- 出血がひどい、または止まらない
- 指先の感覚がない、色がおかしい
- 意識がはっきりしない
- 大きな事故や高所からの転落があった
定期受診を予約すべき場合:
- 痛みや腫れが続く、動かしにくい
- 転んだりぶつけたりして不安がある
- 治療後も痛みが増す、ギプスがゆるい・きつい
- 家族が何かおかしいと感じたとき
診断
医師がけがの状況や痛みの場所を聞き、体の状態を診察したうえで、必要に応じて画像検査を行います。
行われる可能性のある検査
- X線(レントゲン)検査:骨のずれやひびを確認する
- CT検査:複雑な骨折や細かい骨の状態を詳しく確認する
- MRI検査:骨やその周りの筋肉・じん帯などの損傷を確認する
診察で予想されること
診察では、どうやってけがをしたか、どこがどのように痛むかを聞かれます。画像検査は痛みを伴いません。結果をもとに、固定で治せるか、手術が必要かが説明されます。
治療
骨折の治療は、ずれた骨を元の位置に戻す「整復」、動かないように固定する「固定」、機能を回復する「リハビリ」の3つが基本です。多くの場合はギプスや装具で固定し、骨がつくのを待ちます。
自宅でのセルフケア
- 医師から許可が出るまでは安静にし、動かしすぎない
- 痛む場所を心臓より高く上げ、腫れをやわらげる
- ギプスが濡れないようにする
- かゆみや痛みが強いときは自己判断せず医師に相談する
- 喫煙は骨の治りを遅らせるため控える
医療治療
医師が骨の位置を整えた後、ギプスやシーネ(添え木)、装具などで固定します。痛みに対しては、医師が適切な鎮痛薬を処方することがあります。薬の種類や用量は必ず医師の指示に従ってください。骨の癒合を助ける薬や、骨粗しょう症の治療薬が使われることもあります。
手術が検討される場合
骨のずれが大きい場合、関節の中の骨折、皮膚を突き破る骨折などでは手術が必要になることがあります。金属製のプレートやスクリューなどで骨を固定する方法が一般的です。手術の内容は担当医が詳しく説明します。
この病気と共に生きる
家族は、本人が安心して動けるように家の中の安全を整えましょう。床のものを片付ける、コードをまとめる、手すりを付けるなどの工夫が役立ちます。また、できないことを手伝いながらも、医師や理学療法士の指示に沿って、できることは本人が行うように見守ることも大切です。
生活習慣のアドバイス
- 規則正しい睡眠とバランスのよい食事を心がける
- 飲酒や喫煙は控える
- 許可が出たら、短時間の散歩など無理のない範囲で体を動かす
- 家の中の転倒しやすい場所を家族一緒に確認する
食事と運動
骨の材料となるカルシウムを多く含む食品(乳製品、小魚、大豆製品など)や、カルシウムの吸収を助けるビタミンD(魚、きのこ類など)を意識した食事がよいとされています。サプリメントなどを使う場合は、必ず医師に相談してください。運動は医師の指示に従い、まずはリハビリを優先しましょう。
精神的健康と心の健康
骨折後は、痛みや生活の不便さから気分が落ち込みやすくなることがあります。家族は「あせらなくて大丈夫」と声をかけ、本人の気持ちを否定せずに話を聞いてください。不安が強かったり、眠れない日が続いたりする場合は、医療機関や心のケアの専門家に相談しましょう。
予防
骨折自体を完全に防ぐことはできませんが、転倒を防ぎ、骨を強くすることで、リスクを下げることはできます。家族みんなで安全な環境づくりと健康的な生活を心がけましょう。
ワクチン
骨折そのものを予防するワクチンはありません。
検診プログラム
骨粗しょう症の検査(骨密度測定)は、閉経後の女性や高齢者では受けることをおすすめします。自治体の健診や医療機関で相談できます。
合併症
治療しない場合
- 骨がずれたまま治ってしまい、変形や機能障害が残ることがある
- 関節がこわばり、動かしにくくなる
- 筋肉が衰え、歩く能力が低下する
- 長期間動かさないことで、血管に血のかたまり(血栓)ができるリスクがある
- 高齢者は寝たきりが続くと、全身の状態が悪化しやすくなる
長期的な見通し
骨折は回復に時間がかかるけがですが、適切な治療とリハビリを行えば、多くの人は再び日常生活へ戻ることができます。あせらず、家族と一緒に一歩ずつ回復を目指しましょう。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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