骨折の治りを守る:合併症のサインと早めの対策
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
骨が折れることを骨折といいます。体には自然に治す力がありますが、治っていく過程で、骨がうまくつながらない、傷口が感染するなどの「合併症」が起こることがあります。心配しすぎる必要はありませんが、サインを知っておくと早めに適切な対応ができます。
重要な事実
- 骨折の治癒には、数週間から数か月かかります。個人差があります。
- 合併症はまれではありませんが、早期に気づけば適切な治療で良くなることが多いです。
- 痛みのぶり返し、腫れの持続、発熱などを感じたら、医師に相談しましょう。
骨折は誰にでも起こりうる身近なけがです。合併症を経験する人は一部で、病院できちんと経過を見てもらえば、治療はしっかりできます。年齢や骨折の場所、健康状態によってリスクは変わりますが、知識があれば不安を減らせます。
骨折したことがある人なら誰でもその可能性があります。高齢者や骨粗しょう症のある人、喫煙する人、糖尿病などの持病がある人は骨の治りが遅くなることがあります。子どもの場合も、骨の成長と関係する合併症に注意が必要です。
症状
- 突然の胸の痛みや息切れ、意識がおかしい、けいれんが続く場合は、すぐに119番に電話してください
- 骨折した方の指の先が真っ青・真っ白になり、冷たくなる場合は、救急車を呼んでください
- 大量の出血があり、押さえても止まらない場合は、119番へ
- ⚠骨折部の強い熱感、赤み、腫れが増す(感染の可能性)
- ⚠ギプスや包帯がきつくて指先がすごくしびれる、感覚が鈍い
- ⚠夜も眠れないほどの痛みが続く
- ⚠ギプスが緩くなり、骨を支えていない感じがする
一般的な症状
- 痛みが治まりかけていたのに、また強くなる
- 腫れや赤みが引かず、熱っぽい皮膚の感触がある
- ギプスや装具の中で、しびれや異様な痛みを感じる
- 38度以上の発熱、悪寒(おかん)がある
- 骨折した部分が動かせない、または普通と違う形に見える
子供の症状
- 骨折した腕や足が、反対側と比べて短い・長い・曲がって見える
- 動かしていないのに、赤ちゃんや小さい子が理由なく泣いて痛がる
- ギプスをはずした後、関節が動きにくかったり、歩き方がおかしい
高齢者の症状
- 痛みの感じ方が弱まっていたり、はっきり伝えられないことがある。周囲が変化に気づいてあげましょう。
- 食欲が落ちる、何となく元気がない、うつらうつらする
- 手術後や長期安静で、脚のむくみや突然の胸の痛み・息切れに注意
原因
主な原因
- 骨折した骨が十分に固定されておらず、動きすぎてしまう
- 骨折部への血流が少ない(骨の場所やけがの大きさによる)
- 細菌が入って感染を起こす
- 元気に動きすぎたり、体重がかかりすぎる
- 喫煙や栄養不足で治る力が弱っている
リスク要因
- 高齢による骨の再生力の低下
- 骨粗しょう症など骨を弱くする病気
- 糖尿病や免疫の病気など、治癒に時間のかかる持病
- 喫煙、多量の飲酒
- 長期間の安静や運動不足
受診の目安
診断
まず医師が問診と診察を行い、痛みや腫れ、皮膚の色、しびれなどを確認します。そのあと、必要に応じて画像検査や血液検査を組み合わせて、骨がどのように治っているかを総合的に評価します。
行われる可能性のある検査
- レントゲン検査:骨のズレや、つながっていく状態を確認します
- CT検査:骨を立体的に詳しく調べます
- MRI検査:骨の内部や軟部組織(筋肉や血管)の状態を調べます
- 血液検査:感染や炎症の有無を調べます
診察で予想されること
検査を受けるときは、金属類を外すなど指示に従うだけで、特別な体の負担はありません。結果はすぐにわかる場合と、後日になる場合があります。検査結果や次の治療について、心配なことは医師に遠慮なく質問してください。
治療
治療は合併症の種類と重さによって異なります。多くの場合は、ギプスや装具の調整、安静、腫れをとる姿勢などによる保存的な対応でよくなります。感染や血流の問題があれば、早めの医療対応が大切です。
自宅でのセルフケア
- ギプスや装具は、指示どおりに装着し、眠るときも勝手に外さない
- 腫れが強いときは、骨折部分をクッションで支え、心臓より高くして休む
- 痛みが続くときは、その部位を動かしすぎないようにする
- たばこは骨の治りを遅らせるため、禁煙に取り組みましょう
医療治療
医師の判断に基づき、細菌感染には抗生物質などが使われることがあります。また、骨がズレたままだと治らない場合は、再び整復し、プレートやねじ、髄内釘などで固定する手術的治療が行われます。どの治療がよいかは、年齢や骨折部位、全身状態を考慮して専門医が説明してくれます。
手術が検討される場合
骨がつながる見込みがない、または骨盤や関節など複雑な骨折で形を整える必要がある場合は、手術が選択肢になります。手術の時期や方法は医師が詳しく説明しますので、納得したうえで受けることが大切です。
この病気と共に生きる
日常生活では、医師や理学療法士の指示に合わせて、少しずつ動かすことが回復の近道です。痛みや腫れの変化を毎日メモしておくと、診察時に相談しやすくなります。
生活習慣のアドバイス
- 十分な睡眠と休息をとる
- ストレスをため込まず、リラックスできる時間をつくる
- 将来の転倒予防のため、自宅の段差をなくすなどの工夫をする
- 体重を適正に保つ
食事と運動
骨の健康には、カルシウム(乳製品・小魚・小松菜など)、ビタミンD(鮭やきのこ類など)、たんぱく質(肉・魚・卵・大豆製品)が大切です。サプリメントを利用する場合は、薬剤師に確認しましょう。運動は、骨折部位の状態によって強度が異なるため、担当医の許可を必ず受けてから行いましょう。
精神的健康と心の健康
長く続く痛みや生活の制約は、気持ちを落ち込ませることがあります。そのような感情は自然なことです。家族や友人、医療者に話すだけでも軽くなることがあります。眠れない日が続くなど辛いときは、一人で抱え込まず、かかりつけ医や保健センターに相談してください。なお、自分や他人を傷つけたくなるような場合は、直ちに119番や信頼できる大人に連絡してください。
予防
骨折した後の合併症を完全になくすことはできませんが、リスクを減らすことはできます。医師の指示を守り、骨を強く保つ生活習慣を送り、転倒しないよう環境を整えることが大切です。日本では厚生労働省も骨の健康づくりのための情報を公開しています。
合併症
治療しない場合
- 骨がつながらないままだと、その部分をかばい続けるため、周りの関節や筋肉にも負担がかかります
- 感染症が広がると、骨の中まで炎症が及ぶ骨髄炎(こつずいえん)という重い病気になる可能性があります
- まれに血流の障害が続くと、組織が壊死(えし)してしまい、外科的な治療が必要になることもあります
長期的な見通し
合併症に気づいたとき、多くの場合は、適切な治療を始めれば改善が期待できます。たとえ骨の治りが遅くても、医療者と一緒に焦らず治療を続ければ、多くの人が元の生活を取り戻しています。あなたは一人ではありません。不安なときは、いつでも医療者に相談してください。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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