血糖値が高い方のための運動ガイド
概要
高血糖とは、血液の中のブドウ糖(血糖)が多すぎる状態です。食事やホルモンのバランスが崩れると起こります。運動をすると筋肉が血糖をエネルギーとして使うので、血糖値を下げるのに役立ちます。
重要な事実
- 運動は血糖値を下げる効果があります。
- ただし、血糖値が極端に高いときは、むしろ運動を控えたほうが安全です。
- 運動を始める前には、必ず医師や看護師に相談しましょう。
はい、とても多い状態です。特に糖尿病や糖尿病予備群の方に見られます。日本では2型糖尿病の方が多く、運動不足も関係しています。
糖尿病を持つ方をはじめ、運動不足の方、肥満の方、ストレスが多い方、高齢の方に多く見られます。健康な人でも一時的に起こることがあります。
症状
- 意識がない、または呼びかけに反応しない場合は、すぐに119番に電話して救急車を呼んでください。
- 甘い果物のようなにおいの息がする場合も、緊急です。119番に連絡してください。
- 呼吸が深くて速い場合は、緊急です。119番に連絡してください。
- 激しい嘔吐が続く場合は、119番に連絡してください。
- 胸の激しい痛みやお腹の激しい痛みがある場合も、119番に連絡してください。
- ⚠血糖値が非常に高いと測定された(例:250〜300mg/dL以上、または医師に指示された値より高い)
- ⚠吐き気や下痢で水分がとれない
- ⚠めまいやふらつきがひどい
- ⚠運動中や運動後に強いだるさや動悸がある
一般的な症状
- のどが渇きやすい
- トイレに行く回数が増える(尿の量が多い)
- 疲れやすい
- 目がかすむ
- 体重が減る
- 傷が治りにくい
原因
主な原因
- インスリンというホルモンの働きが不十分になる
- 食べすぎや甘い飲み物のとりすぎ
- 運動不足
- ストレスや睡眠不足
- 感染症(風邪など)やけがなどの体調不良
- ステロイドなどの薬の影響(自己判断で止めずに医師に相談)
リスク要因
- 家族に糖尿病の人がいる
- 肥満(特に腹部に脂肪がつく体型)
- 運動習慣がない
- 高血圧や脂質異常症がある
- 加齢(年をとるとリスクが高まる)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 血糖値が上がったまま下がらない、または測定値が非常に高い
- 意識がおかしい、または周囲の人が意識の変化に気づいた
- 息が甘い果物のようなにおいがする、または呼吸が苦しい
- 嘔吐が続いて水分をとれない
定期受診を予約すべき場合:
- 運動を始める前、または運動習慣を大きく変えるとき
- 血糖値が安定しないとき
- 定期健診や糖尿病の定期受診で相談する
診断
血液検査で診断されます。病院やクリニックで採血し、血糖値またはHbA1c(過去1〜2か月の平均的な血糖値)を調べます。
行われる可能性のある検査
- 空腹時血糖検査(朝ご飯を食べずに測る)
- HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)検査
- 経口ブドウ糖負荷試験(糖の入った液を飲んで血糖の変化を見る)
- 尿検査(尿糖やケトン体の有無を調べる)
診察で予想されること
診察では、食事・運動・睡眠などの生活習慣や体調の変化について質問されます。採血の結果をもとに、医師から今後の治療方針や生活改善のアドバイスがあります。検査や治療が不安なときは、遠慮なくスタッフに伝えてください。
治療
治療の基本は、生活習慣の見直しと、必要に応じた薬物療法です。運動はとても重要な柱ですが、血糖値が高い時の運動には注意が必要です。
自宅でのセルフケア
- 運動前には血糖値を測定し、高すぎるとき(目安:250mg/dL以上)は激しい運動を控える
- 運動中はこまめに水分(水やお茶)をとる
- 運動の時間帯や強度、血糖値の変化を記録する
- 低血糖に備えて、ブドウ糖や飴を持ち歩く
- 運動後にも血糖値を測り、急な下がりがないか確認する
医療治療
治療には医師が処方する薬(飲み薬や注射薬)があります。自己判断で薬を変えたり止めたりせず、必ず医師の指示に従ってください。運動と薬の併用についても、医師と相談しながら進めます。
手術が検討される場合
高血糖そのものに対する手術は通常ありません。ただし、糖尿病の合併症や体重減少を目的とした手術が検討されることもあります。その場合は、医師と十分に相談して決めるものです。
この病気と共に生きる
毎日同じような時間に食事・運動・服薬(必要な場合)をすることで、血糖値の波を小さくできます。自分の体がどう反応するかを知ることが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 週3回以上、1回20〜30分の軽い運動(ウォーキングや水中運動など)を目安にする
- 食後30分以内の軽い運動が食後の血糖上昇を抑えるのに役立つ
- 運動だけでなく、家事や階段の上り下りも体を動かす機会にしよう
- 十分な睡眠とストレスケアを心がける
食事と運動
運動をする前は、軽く食事をとってからにするのが安全です。食後は中程度の強度の運動(会話ができる程度)をすると、食後高血糖がやわらぎます。激しい運動は、かえって血糖値を上げることがあるので注意してください。運動の前後で血糖値を測り、自分の反応を確認しましょう。
精神的健康と心の健康
血糖値の管理は思い通りにならないこともあり、気疲れしやすいものです。イライラや不安は血糖値を上げることもあります。無理をせず、自分に合ったペースを見つけましょう。
予防
高血糖は、生活習慣を見直すことで予防が期待できます。特に運動と食事の改善は効果的です。すでに高血糖の方も、適度な運動によって改善することがあります。
ワクチン
高血糖を直接予防するワクチンはありません。ただし、糖尿病の方は感染症にかかりやすいため、インフルエンザや肺炎球菌の予防接種を医師に相談するとよいでしょう。
検診プログラム
年に1回の健康診断(血液検査)がすすめられます。厚生労働省は、40歳以上の方に特定健康診査をすすめています。自覚症状がなくても、定期的に検査しましょう。
合併症
治療しない場合
- 血管が傷つき、心筋梗塞(心臓の血管が詰まる病気)や脳卒中のリスクが高まる
- 腎臓の働きが低下し、将来透析が必要になることがある
- 神経の障害による手足のしびれや痛み
- 目の網膜が傷み、視力低下や失明のリスク
- 歯周病や感染症が治りにくくなる
長期的な見通し
運動と適切な治療を続ければ、血糖値をしっかりコントロールし、合併症を防ぐことは十分可能です。医療者と一緒に、無理なく続けられる方法を見つけていきましょう。希望を持って取り組むことが、何よりの治療薬です。
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最終更新: 2026年8月19日
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